2017年08月21日

Free なシングル・ヴァージョン

昔のレーベルのトップが持っていた「ヒットを聞き分ける耳」の凄さには驚かされる。下記のクリス・ブラックウェルの手腕はここにも_ FREE の大ヒット、"all right now" 。
 ロック史に残るベスト・コード弾き曲のひとつ。これ、70年のヒット時点から、ラジオでかかりまくっていた時から今に至るも忘れることができないロックな曲=B当方にとって耳馴染みなのは「シングル・ヴァージョン」であった。これもクリス・ブラックウェルの手による。

アルバム『fire and water』のUK発売が70年6月。シングル "all right now" は先行で5月に。そのアルバム・ヴァージョンを聴いたのはかなり時間をおいてだったが、驚くほど違う。頭の左右トラックでのコソフ・ギターからして、最後まで通して音は実にクリア。アメリカン・パワーポップバンドかと思わせる音。このテイク録りは3月8日で8トラック・レコーディング。そのテープを4月16日に、ブラックウェルは16トラック・レコーダーへ差し替え(実際の作業はロイ・トーマス・ベイカーだが)。
 倍のトラックへ移せば、より音を良くしそうだが…いや音質ではなくロックかどうか、それが最大のポイントだ。ブラックウェルは音を「こもらせた」。これがいいんですワ、これぞUKロック!といえる「音の塊」感が半端ない、これで成功。これが最高。尺も1分短縮。コソフのリード・パートも、頭のもったりした箇所をばっさりカットしてロングトーンの続くいい箇所を…ここも音をぶっとく変えている。アルバム・テイクのままだったらヒットしたかどうか。
 まずは楽曲ありき、陳腐な曲はどう手を加えても大差ない。しかし優れた曲が最高の曲になるためのポストプロダクション_耳の肥えた第三者の手が重要であった場面、少なくない。


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2017年08月20日

jamaica - london

KOSS ファンとしてはちょいと気になるネタが雑誌に出ていた。
レゲエ特集誌。なかでボブ・マーリー&ウェイラーズの話、歴代ギタリストの記事のなかでアル・アンダーソン曰く_「オレがウェイラーズへ参加したのは、コソフが最初レコーディングセッションに誘われていたんだが忙しくて行けない、その仕事をオレに振ってくれたからなんだ…」。
 ん〜コスがウェイラーズねぇ、意外のようなアリのような…。間に入るのは当然ウェイラーズのプロデューサーだったクリス・ブラックウェル、Island Records のトップということだが。ウェイラーズも、ジャマイカ録音の初期から、ピーター・トッシュ/バーニー・ウェイラーが抜けた時点でブラックウェルの思惑通りにワールドワイド目指して拠点もロンドンへ。アイランド所属としてFREE時代からロンドンのアイランド・スタジオ(ベイジング・ストリート・スタジオ)録音を続けていたコスが、同スタジオでウェイラーズも録音を始めたころということで、お声がかりだなきっと。バークリー音楽院出身、ばりばりニューヨーカーのアル・アンダーソン、当時はトラフィックのクリス・ウッドと親しかったらしい。
 そのアルは、レゲエ楽曲でのベスト・ギタープレイが彼のなかでは「"concrete jungle" でのウェイン・パーキンス」と言う。ウェインといえばマッスル・ショールズ・ギタリスト…だが、この当時は Island アーティストでもあった。Smith - Perkins - Simth という三人グループとしてアイランドからデビュー(したがLP1枚のみ)。ストーンズの「新ギタリスト・トライアウト」へもクラプトンの口利きで参加したほどに、マッスル・ギタリストのなかではとびきり Rock なプレイヤーであったワ。

トラフィックもことのほかマッスルへ入れ込んだバンドだった、FREEは_アンディ・フレイザーがソロをマッスル録音、コスもジム・キャパルディ盤ではマッスル録音の記載(実際はロンドン・ダビングだろうが)あり。ジミー・クリフのアイランド盤もマッスル録音であったな。
 すべてはクリス・ブラックウェルがからむわけで、自身のレーベルを Island と命名するほどのカリブ海男≠ヘ、同時にディープな南部男マッスル・ショールズ男≠ナもあったというちょいと不思議な事実で、ジャマイカ=ロンドン=アラバマを同一線上に並べたことは覚えておくべきだろう。

Bob Marley & The Wailers / Concrete Jungle
https://youtu.be/y07vgARrOUE

聞き比べるべきがこのテイク。
https://youtu.be/vVEmRnaGu7U

オリジナル・ジャマイカ・ヴァージョン。ジャマイカ録音でのこのテイクを聴いたクリス・ブラックウェルは、これも悪くないがいまひとつ押し≠ェ足りないと手を加える。ロンドンのアイランド・スタジオで、まずテープ・スピードを若干上げる。次ぎにオーバーダブ:ラビットことジョン・バンドリックのクラヴィとウェイン・パーキンスのギターを乗せたテイクを作り、それをアルバム収録。どちらのテイクを良しとするかは人それぞれ、しかしブラックウェルの手腕をもってしてジャマイカン・レゲエ・バンドから世界のレゲエ・バンドへ躍進したことは認めるべきか。以後、アル・アンダーソンや次のジュニア・マーヴィンの参加でロック色はより濃くなっていく。

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2017年08月13日

怪しいリレコ


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(p)1991 made in Denmark となっているCD。買ったのはどこだったか、CDショップ店頭ラックからで¥500〜600だったろう。紙パッケージのみでバッタ物は承知の上、往年のヒットを軽く流して聴くには悪くないかと思って…。
タイトル通りの74年ヒット・コンピは全16曲。Harold Melvin & the Blue Notes, Donna Fargo, First Class, Rubettes, Bobby Womack, Redbone, George McCrae.... 白黒・英米混合。
しかしこれ、当時から微妙な違和感が。「ほとんどオリジナル」なのに…少しだけ違うような…。その理由はパッケージ裏に、虫眼鏡が必要なほどの小さい文字で書かれているが。
" To obtain the highest possible new stereo quality, some tracks have been re-recorded by the original artists or one or more members of the original groups. "

「可能な限り最良の音のため」とはでかく風呂敷広げたが、ようは何曲かはリレコ/それもオリジナル・メンバーがひとり、ふたりの場合もあり…とな。ところが何曲ではなくて全曲が変。それに普通のリレコはアレンジを変えてそのテイクが、リレコと分かる差異があるのだが、このCD全曲は限りなくオリジナルに近い。近いのに違う…この違和感たるや。
なかの1曲がこれ、マリアの大ヒット。



マリア自身によるリレコ・テイクは見つからないのだが…。そこで、思ったのは「別人」。このマリアに限らずCD収録はすべて「そっくりさんの歌」じゃなかろうか。歌も演奏も完璧…プロ。このバッタCDのような、安売りCD用にどう聴いてもその曲≠ェ大量に制作・ストックされるマーケットがあったのではないかと想像した。
もしそうだとすると…このマリア・マルダーは抜群の出来では? ギターが、あのエイモス星屑ギターではない。しかし、もしや作者デヴィッド・ニクターンじゃないの?と思わせるような巧みさ。歌もフェイク癖までコピーでパーフェクト。(ジャケットにあるように Maria Muldaur でなく Marie Muldaur だったりして)
…なのか? それともやはりマリア自身のリレコなんだろうか…、いまも分からない。

++++


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こちらはれっきとしたリレコ。
マッスルページにも入れているが、往年のアイドル・シンガー、コニー・フランシスによる89年のセルフ・カヴァーCD。「ボーイ・ハント」「カラーに口紅」「ヴァケイション」「夢のデイト」などヒットすべて網羅。が、マッスルスタジオで、フッド/ホーキンス/ピート・カーらのバックで…それなのにトホホな出来。


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2017年08月12日

version_リレコ

「ヴァージョンねた」もどり_
思えばディスコ以前から注目すべきヴァージョン違いは存在した。まず「ミックス違い」。
 「マスタリング」は2トラック最終マスターテープを洗い直す作業だが、MIx (Remix) はその前の、マルチトラック・マスターまで戻っての作業。世に最初に出たヴァージョンでは消されていたトラックを復活させたり、楽器定位を変えてみたり…ある意味やり放題ゆえに、相当な差違と/場合によってはまったく別曲の趣すら! それほどに強力な「仕事」であったので強く惹かれた。何の表記もないのに別ミックスだったなんてこともあり、驚かされたこともあった。
 ただし、世に最初に出たLPのテイクと別物なのですべて re-mix と思うんだが、表記としてはミックス/リミックスは混在していた、区別に意味はなかったのか。

それと決定的なヴァージョン違いがある、「別テイク」。リミックスはひとつのセッションテープからの「変更作業」に対して、こちらはまったく別の録音。最初の録音とは別の日に、大抵はかなりアレンジを変えて再度演奏=録音すること。再録音… re-recording なので「リレコ」と呼ばれる。

このところヒマなもんでレコ棚を漁っていたら、昔のもらい物CDのなかからGSコンピが数枚出てきた。見本盤CDという代物、身銭を切ってないもんでいまひとつ身が入らず「ツンドク盤」になりがち。当時ヴィクターの○君からもらったんだったと思い出した盤、1枚はダイナマイツのコンプリート盤。亡き友人黒沢君がライナーノーツ。
 そのCDで、いまになって知ったこと_『トンネル天国/恋はもうたくさん』はヒットシングルだがこのアルバムテイクはどちらも「リレコ」。
 「トンネル天国」、後録りのアルバムテイクはバックトラックを左右にきっちりセパレートして音もデカい_ファズの音も鮮明な、より演奏重視でダイナミズムに溢れる。阿佐ヶ谷の不良っぽさがくっきりしたのは、ヒット狙いでまとまったシングルと違ってアルバムではある程度好きにやらせてもらえたからだろう。アウトロに「鉄道唱歌」のメロを弾く遊びもアルバムテイクだけ。 
 「恋はもうたくさん」、橋本淳/鈴木邦彦というプロ・ヒットメーカーの作とはいえ、やはりこれがダイナマイツのベストトラック。もともと大好きな曲だったが、LPでのリレコ・ヴァージョンが素晴らしい、知らなかった。シングルでの甘ったるい弦を排除、自分らの力強い演奏バックのみは、ある意味パンキッシュ。ここでもファズが冴える。当時山口冨士夫は入手したばかりでともかく使いたかったとか。たぶんストーンズ "satisfaction" にやられちまったんだろうね。


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2017年08月11日

狭山ハウス

一眼レフカメラを買って「ポジフィルム」で写真を撮ることに熱中した…30数年前かな。狭山_『ハウス』。
ホソノハウスは…とうに越して居なかったが、小坂忠さんち界隈だったと思う。狭山の、旧ジョンソン基地_稲荷山公園下のハウス群が存在していたころ。最後の写真は、公園内にあったかつての米軍倉庫跡だろう。

写真をながめながら『hosono house』か『ありがとう』を聴くもよし。






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2017年08月10日

late Ricci Martin

SDのシングルを取りあげたついで、シングル箱から出してきたのはリッキ・マーチン・シングル。
ディーン・マーチンの息子のひとりで、先週3日がちょうど一周忌。活躍したとは言えないが、BB周りの音楽仲間のひとりではあったリッキ。77年盤『beached』はBBカールとビリー・ヒンチのプロデュースによる、当時BB所有のブラザー・スタジオ録音盤。西海岸好きには名盤に数えられる1枚だろう。
それからのシングル・カット "stop look around" が代表曲でそのシングル話。
BB『pet sounds』にはハル・ブレインが「ペットボトルを叩いた音」だっけ?_入っていたと思うがそれに似た音がこの曲で聴ける。ちゃんとしたパーカッションのひとつなのかどうか今でも分からないが、つまりは「あの頃のBB」を彷彿させる音像ではある。アルバムをひさしぶりに聞き返したが、デニスの『pacific ocean blue』に近いねえ。サザン・カリフォルニア以外のどこでもない音がたまらない魅力。そのデニスもドラム参加。当時ウィングスだったジミー・マカロックの参加はブライアンとポールの「お友達」からか。

シングルを2種持っている、エピック盤/キャピトル盤でともにプロモ。どちらも Mono / Stereo 盤。
テイクとしては両シングルともにアルバムのテイクと変わらない。
ただし、これはカッティング・レベル調整の問題なんだろう、シングルの音は「違う」。
エピック盤がキャピトル盤を凌ぐ。単純に音がデカいし、ヴォーカル/楽器の粒立ちがいい_全体にクリアなので断然良し。聴くならエピック・シングル。キャピトル・テイクはLP(LPはエピックより)テイクとほぼ同じ。手持ちのLPは、これまたプロモ盤。ゆえだろう、珍しい「帯付き」US盤。


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と、ここで…見れば現行CD『beached』は Real Gone から expanded edition と称して4曲プラス、うち2曲が "stop..." の stereo single version / mono promo single version となっているではないか。「シングル・ヴァージョン」と銘打つほどの違いがLPヴァージョンとあるか? 当方の耳では同じなんだが。たぶん「聴いても分からない差」じゃないだろうか。どちらのシングルのテイクを持ってきたか知らないが、まあエピック盤とすればレベル高くて音がクリアな分は「差分」かもしれないが、CDとなれば同じでは?
もう1点気になった。エピック盤シングルでもレーベル表記には (p)1975 Capitol Records, Inc. とあるのだ。アルバムが77年…。で、discogs 参照。やはりシングルはキャピトルからでアルバムの2年前に出ていたわけね。アルバムからのカットではなかったのか。エピック・シングル発売はいつ? 
それにしても2年経ってからアルバム発売とは。カールとヒンチのプロデュース変わらず、となればアルバム分のセッションは75年に済んでいたのだろう。キャピトルは、シングルはOKしてもLPはお蔵にしたのかもしれない。マカロック参加は75年ではないだろうから、カール/ヒンチは、マスターテープにオーバーダブなどして再度エピックに話を持っていってOKが出たのかも、しれない。ちなみにエンジニアのひとりにアール・マンキーの名前。当時ブラザー・スタジオの裏方だったマンキーは、ロン&ラッセルのミール兄弟とマンキー兄弟とでハーフネルソンを結成していたミュージシャンあがり。スパークスとして、UK渡りで成功しグラムっぽいイメージも強いミール兄弟も出自はばりばりのサーフ兄弟だったりする…。

posted by denny-0980 at 16:02| Comment(0) | Assorted | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Glen Campbell passed away...

ブライアン…悲しいね、あの時代を共に過ごした仲間にまた去られた、竹馬の友グレン・キャンベル。
Hard days のなかで、セッションの場には常にギタリストとして信頼をおいたグレンの顔があっただろうし、そのハードさに病み、ツアー・リタイアの際には、すわビーチボーイズに一大事!と…忙しい身でありながらベースを持って駆け参じたグレン。そのお返しにブライアンが送った曲は、数あるブライアン楽曲でも五指に入る傑作 "guess I'm dumb" 。
グレンと云ってもうひとつはやはりジム・ウェッブの理解者。なかでも "witchita lineman" は "guess I'm dumb" に勝るとも劣らぬ不朽の名曲と思う。








posted by denny-0980 at 09:07| Comment(0) | Assorted | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする