2018年07月18日

Female songwriter

#171
【Bettye Crutcher/long as you love me】
produced by Bettye Crutcher, Mack Rice
( ' 74 Enterprise )
<--:★★★>



マッスル掘りでのブラック盤、ソングライターでいくつかは馴染みの名となる_南部のライターさんらだ。フィリップ・ミッチェル、ジョージ・ジャクソン、ホーマー・バンクス、マック・ライス、ベティ・クラッチャー…。
往々にしてパフォーマーでも、ある。ホーマー・バンクスには過去にチェックした盤『Banks & Hampton』が、やはりマッスル録音としてあった。そしてベティ・クラッチャー女史にもこのソロ作が_。discogs では唯一盤とある。
https://youtu.be/VQQQkF2CjM8

調べれば、Stax のスタッフ・ライター・チームだったか_ We Three としてバンクスとレイモンド・ジャクソンとの3人で組んでいたとある。実力のある女史のソロ作はスタックス傘下 Enterprise 盤だが全曲マッスル録音のクレジット。
 スタックスにはメンフィスにスタジオもあり、MG's / Bar-Kays とハウスバンドもあったわけだが、所属パフォーマーにはマッスル録音を好んだ(?)者も。ステイプルズ/メル&ティム/ジョニー・テイラー/ルーサー・イングラム等々。で、彼らの盤は70年代の、マッスルが一番「いい時」だったので抜群のバックトラック_とくにわがピート・カーの活躍が目立つ盤だった。
なので、まずバックトラックについてだが、クレジットはRhythm by: Muscle Shoals Rhythm Section とあるのみ、個人記載はない。残念ながらピートらしいギターは聴かれない。special thanks としてボビー・ウォマックの名があるので、ボビー付きのティッピー・アームストロング(とジミー・ジョンソン)だろう。リズム隊のホーキンス/フッドは良い。

その歌、もっとガツンと来るかと…ゴスペルっぽく声量勝負で押してくると想像していたらまるで違った。ソフトロック的な、抑え気味にメロディをじっくり聴かせるタイプは、声質はまるで違うがリンダ・ルイスを思い出させる。大半の曲はプロデューサーでもあるサー・マック・ライス("mustang sally" fame)と共作。最初2回聴き通した印象は、あまりにあっさりで正直肩透かし。目立つ曲もなく。その後に聴き返しては若干好印象に変化。が、それでもこの曲は素晴らしい!…と思える楽曲はなく、全体70点。押しの弱い歌唱と併せて、残念ながらパフォーマーとしての成功は難しかったか…。


CDSXD-141e.jpg

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2018年06月20日

ontinuous performance

70〜72年でオリジナルLP4枚発表、下の73年ライヴで解散のストーン・ザ・クロウズ。最終4枚目『ontinuous performance』は僕の大の贔屓のジョン・コッシュ・デザイン、それはかなり前に記した…ジャケの下手なイラストはコッシュではないだろう_と。
しかし久しぶりに見返してみるに、ん〜これはコッシュだなと思えてきた。クレジット上で illustration by KOSH の記載は見た記憶がない。コッシュはデザイナーであり、自身で絵を描くことはない。いやいや、コッシュは「エアブラシ」には精通していた_のでは。そうであれば合点がいくジャケットがいくつか思い浮かぶのだ。このクロウズ盤にしても、左下に K O S H と「サインを入れている」ではないか。全面がイラストのジャケットで、別人作品に名入れはまずありえないだろう。
 このクロウズ盤イラストも、床・壁などにエアブラシの荒噴き<eクニックが使われているが、これはコッシュ・ジャケでたびたび見られた_つまりはコッシュ自身による荒噴き≠ニ今では思える。
 荒噴き≠ナまず思い出すのはイーグルス『hotel california』の内袋。これに、色味からして酷似なのがアンディ・フェアウェザー・ロウ『spider jiving』ジャケ。そしてリンダ・ルイス『lark』。このジャケも「コッシュのイラスト」と考えると納得する。左下にやはり K O S H の文字あり。

戻ってクロウズ盤ジャケット。いや、その前にアルバム・タイトルだが…これほどおかしな盤も珍しい。ネットで見てほしいが、基本 "ontinuous performance" とされている。 "continuous perfomance" もあるが少ない、かのdiscogsですら"ontinuous performance" 表記。"ontinuous" なんて言葉は存在しないだろう_どう考えても continuous 。もっと言えば本来は "performance" でなくて複数 "performances" だろう。正式タイトルは "continuous performances" に違いない。「連続する/終わらない演奏(=「ノリノリだぜぇ」の意味だろうか)」。このジャケ写は拾いのUS盤_ performance の最後にほんの少し「S」が見えている。


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なぜにゴチャゴチャになってしまったか。イチにも二にも悪いのはコッシュ。ジャケットイラストのトリミングがおかしかったせいで最初の「C」と最後「S」が隠れてしまった_と僕は見る。このトラブルを当時にレコード会社は正さなかったのだろうか? リアルタイムでないので知らないがこんな意味不明なまま世に通ってしまって平気だったのだろうか。
 で、再度ジャケのデザイン話に戻す_。よくよく見れば実にコッシュらしい_コッシュの肝なる「映画」そのものなのだから。表は「映画館入り口」、それもアール・デコ調…これもコッシュの趣味。裏は「映画館内部」でスクリーンにバンド写真。同様なデコのモチーフは『rolling stones / get yer ya-ya's out!』の裏ジャケ/ファミリー盤『bandstand』『it's only a movie』など、ほぼ「コッシュのお約束」的に多い。
posted by denny-0980 at 18:29| Comment(0) | Kosh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月06日

安定感の170枚目

billySwan_4.jpg


#170
【Billy Swan/four】
produced by Billy Swan
(77 Monument)
<B:★★★>


一言ではカントリー畑のSSW…となるだろう、ビリー・スワンでござる。
74年全米1位 "I can help" の一発屋ですわな。この曲はプレスリーにもカヴァーされたが、本人スワン自身がプレスリーの近くにいたらしい。ベースメントはナッシュヴィルの人。この大ヒットのギターはレジー・ヤングだった。で、このタイトル通りの四作目はナッシュヴィルからマッスルへ移動。全曲がマッスル四人衆バックで録音されている。ピート・カーは4曲でギターを。15年ほど前からこの盤が「マッスル」とは分かっていたが、やっと入手は英国盤。UKからエアで送らせたが思いの外安く買えた。

スローからアップテンポまでバラエティに富んで曲が書け、それぞれのメロディもなかなかに良し。歌も上手く声もいい。半数の曲でペダルスティールが入るところはカントリーらしさが見えるが、ブルージーなリズム曲やらジミー・バフェットばりのトロピカルな曲も…。全体の印象は王道なアメリカン・ポピュラー・ミュージックと言える。曲の良さからは他者のカヴァーやら作曲依頼もあったのではと思わせる、才能豊かな人。
 しかし水準越えではあるがソツが無いというか…安定のポップス。この人に求めるのは筋違いかもしれないが、引き込まれるもの_「エグみ」は皆無。ピート得意の連続四連符フレーズを小気味よく聴かせる曲があるのは嬉しい。

+++

ちなみにこの「ミッドナイトスペシャル」出演映像、75年かな。頭でボビー・ヴィントンも云っているようにスワンはクリス・クリストファースンのバックとしてツアー/録音に参加していた。クリス&リタ時期で、リタ・クーリッジ盤もだっただろうか。ベースやコーラスを。その時のバック仲間であったはず、ここではギターがジェリー・マギー。レジー・ヤングのフレーズを代わって弾いている。

I Can Help by Billy Swan


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2018年04月30日

it ain't the spotlight

当方の「追っかけ曲」である「それはスポットライトではない」。
http://www.sakatomi.com/iFrame_3/not_spotlight_a.html
作者のゴフィンとゴールドバーグ、それとロッドのテイクは alternate もあるのでふたつずつ、さすれば合計で21テイク_オフィシャルなレコード(もしくはCD)音源として見つけていた。

22テイク目発見。2015年だから3年前だけどね。なんと作者の娘が歌っていたヨ。
ジェリーとキャロルの娘、ルイーズ・ゴフィンが自身で立ち上げたらしいレーベルから出した6曲入りEP (CD) かな、そこに収録。キング=ゴフィン曲も収録のようだ。
discogs では、co-producer が父ちゃんじゃないほうの作者 バリー・ゴールドバーグとなっているCD。 " in memory of Gerry Goffin" _亡き父に捧ぐ、作品。

[ Louise Goffin / Appleonfire }
Louise Goffin's Appleonfire EP preview




ストレートな…というか、父ちゃんのとゴールドバーグのテイクを足して二で割ったような。変なフェイクがないので好感持てる、なかなかいい出来。



posted by denny-0980 at 21:37| Comment(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月27日

REO speedwagon


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この84年の REO 盤もコッシュ・デザイン。組むことが多かった Ron Larson とふたりの作。ラーソンはイラストレーター仕事のほうが多かった人。
 そのラーソン趣味なのか、さほどコッシュらしさは見られないジャケ。斯様に、アートディレクションは別人でデザインのみ仕事とか…全面イラストは依頼であるとか、仕事のパターンはいろいろだったのでコッシュの名があってもすべてが好みとはいかなかった。
 そんな盤、たとえばこのレコだが、ジャケよりも「中」が良かったりする。コッシュは文字組が大変美しいデザイナーであったから、inside sleeve は大抵いいのだ。歌詞とかクレジットが、ワンパターンではあっても毎回溜息が出る素晴らしさで。

REO-2.jpg


 この盤ではこの面! メンバー顔のコラージュだがやはり素晴らしい。これをジャケットにして欲しかったほど。映画大好き男<Rッシュらしさを垣間見せる…これはゾエトロープだ、たぶん。

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2018年03月17日

看板に偽り

#169
【Muscle Shoals has got the "SWAMPERS"】
produced by various
('17 Muscle Shoals Sound Records)
<B:★>

買うかどうか悩んだが、まあこれだけマッスルマッスル言っている身としては…。期待はまったく無く、聴けば「やっぱり」。
 昨年末に Malaco から出たCDで元は、10年ほど前だったか Alabama Music Hall of Fame がリミテッド・エディションとして発売したマッスル・スタジオ・メンバーによる音源CD、その10曲に今回4曲ボーナス追加でリリースされた。過去盤買い逃していたので全14曲が初聴き。
 マッスル・ショールズ・リズム・セクションによる全曲インストで、スタジオの空き時間を利用して録音されていたという。四人衆をメインにピート・カーを始めとするマッスル・プレイヤー、マッスル・ホーンズも参加。
 disk UNION 広告では69〜78年音源に90年代ボートラが内容だという。が、初年69年曲があるとは思えない、既発10曲はすべて75年頃以降と思う。そして90年代の4曲ボートラだが、シンプルな音作りは逆に70年代初頭の雰囲気。しかしギターはウィル・マクファーレインというからそれはあり得ない。

まず最初に、ブックレットが20ページ、使われている写真がカヴァー含めすべて低解像でジャギー出まくり、酷い。デジタル・フォト・データということを知らないのかどうか、いまどきのブートCDでもこんな酷いモンはないので驚いてしまう。マラコというレーベルはデジタルについてこれてないのだろうか。これからしてトホホだが…。
 その内容。看板に偽りあり_まったく「スワンプ」していない。個人的には想像通りだが、ほとんどAORというかフュージョンというか…。
 マッスル四人衆は、才能溢れるミュージシャンの「バックでこそ」輝くのであり、彼ら自身に(演奏能力は最高だが)音楽クリエイトの才はぶっちゃけ無い。あれば人のバックなどやってない。その彼らが自分らだけで作るとなると…往々にしてこの手は、キーボードが引っ張ることになる。となるとアカデミックに音楽を始めているキーボーディスト仕切りは、やっぱりフュージョンぽくなってしまうのだなこれが。オールマンズ後にジェイモ/チャック・リーヴェルらが結成したシー・レヴェルが同様だった。これは歌があったが、このCDは完全インストゆえフュージョン色はより強い。
 ギターはすべてピート・カーで、自作2曲も。ソロ作とほとんど同質。他は四人衆作、ベケット単独など。キーボーディストのベケットは仕切る。エレピ/クラヴィ/シンセで_。

ウィル・マクファーレイン。78年頃だったか、久保講堂へ出掛けたのはボニー・レイット初来日公演。この時のギターはウィルじゃなかっただろうか。この人はボニー・バンドのギタリストとしてしか知らなかった。が、80年代に入って、そのバンドを抜けてマッスルへやってきたという。以後現在までマッスル暮らしだそうで、マッスル・リズム・セクションの一員として多くのセッション参加とか。知らなかったワ。見返せばいままでに評価してきた盤のなか、数枚に参加だが気付かなかった。
 ボートラ4曲はウィルのギターらしい。これが思わぬ聞き物だった。ウィルのプレイはスライドが多く、全体に前述通りにあえて渋め≠ネ快演。10曲よりもはるかに swamp /サザーンな曲揃い。ベケットもシンセなど使用せずに王道のハモンドB3弾き(ベケットはすでにナッシュヴィルで、ここはクレイトン・アイヴィかも)。
 ベスト・トラックはボートラから "sunday morning R&B" 。9分長尺は冗長すぎるが、4分ぐらいでここにそれなりの歌が乗ったならかなりイケるトラックとなったはず。

+++++

トホホなCDではあるが、Alabama Music Hall of Fame の館長ディック・クーパーという人が書くライナーノーツはさすがに詳しく、知らなかったマッスル録音盤が多く記載されている。今後の資料になる。これのみが収穫。



junior.jpg

左端 Junior Lowe :
ギタリストのロウはなぜマッスル・スタジオへ行かなかったか、
Fame に留まったのだろう…


swampers.jpg

L-R: hood, johnson, ? hawkins, beckett
さてセンターは?_たぶん John Prine

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2018年03月06日

ドジョウ狙い盤


edwards-and-ralph.jpg

#168
【Edwards and Ralph】
produced by Peter Yarrow & Barry Backett
('77 Ariola America)
<C:★★>

良くよく解釈して「ポップス」王道。とて、カーペンターズのような才能もなく、マグレガーほどに曲に恵まれたわけでもなく。正直やってもうた°C分、かなりトホホ…。
 
便利な時代で、ネットで見つけたのはレアな「マッスル」盤。誰も知らなかったはず、カナダの男女デュオ盤で『Edwards and Ralph』という77年LP。レアなマッスル盤といって、下に書いたトゥールーズ姉さんらのレコはディスコでとても買う気にならなかった。しかしこの2人盤は曲が粒ぞろいゆえもしやいけるかもと期待が…、でもってわざわざ discogs から買った次第、カナダのお店から。

届いてまず裏ジャケ・クレジットを見ると実に意外だった。beckett / hawkins / johnson / hood + pete carr, tom roady の演奏。文句なしのマッスル・セッション…なのに、recorded at the Le Studio, Montreal, Canada のみ。アラバマではなくモントリオールだという。同時期のブール・ノアール、トゥールーズらカナダ勢をマッスルで録りながらなんでこっちはカナダまで出張ったのだろうか。エンジニアも Gregg Hamm, Steve Melton とマッスル・メンバーだし、マッスル・ホーンズ4人も参加とあるが、マッスルのハウス・チーム全員がわざわざ出張りとは正直信じられなく、たんなる表記漏れ_マッスル録音が大半なのでは(それともマッスルスタジオご一行様のカナダ慰安旅行を兼ねて?)。ペダルスチールが Weldon Myrick …エリア・コードのおっさんの名も、これはオーバーダブだね。ミックスはナッシュヴィルのスタジオ。マッスル/ナッシュヴィル路線のポップス物。

セッション・クレジットは詳細なのに、肝心の2人はまったく表記無し。エドワーズとラルフ、姓か名か、男女分けすら分からなかった。仕方なしにこれもネット検索_ さすがだな [45 worlds] にあり。Cliff Edwards と Jackie Ralph のふたりでした。ジャッキーの声は「愛はかげろうのように」のシャーリーンを思わせる高音…いわゆる「天使系」か。
 プロデュースが ex- PPM のピーター・ヤロウ、とベケット。ということで、シロウトさんは分からないだろうが当方には見えた_メアリー・マグレガーの次ぎ、二匹目どじょう狙い盤と。ヤロウは自身でも3枚もマッスル録音盤を出している。が、線の細いヤロウの声質はほとんどマッスルと合っていなかったと思う。それでも、バックコーラスをしていたメアリー・マグレガー嬢のLPも(ついでに?)マッスルで、ベケットと共同プロデュースで録ったら、そのタイトルトラック "torn between two lovers" _シングルが全米1位に輝く快挙。これで味をしめての第二弾がこのデュオ盤なのは明白。レーベルも同じアリオラ・アメリカ。
 全10曲に2人の作なく(これもマグレガー盤と同様)、あくまでシンガーに徹してヒット狙い。マーク・ジェイムス=シンシア・ワイルから始まり、ギャラガー=ライル、アレッシ兄弟、リチャード・スパ、ダニー・オキーフ、トム・スノウ、ジャック・テンプチンらの楽曲、マッスル・ライターのフィリップ・ミッチェル、それとヤロウの書き下ろしとナイスな選曲は期待値高かった。が、問屋はなかなか卸してくれないのが音楽業界の常。凡庸の一言に沈み、人知れぬまま田舎のレコ屋の棚にひっそり。

++++++


当初は若干の期待もあって、久しぶりに海外からのアナログ買い。CDと違って送料が本体より高くつくのが難のアナログ。今回は VG+ コンディションで US $10.00 プライス盤だった。LP1枚でもまず2000円は下らないのが(北米から)エア送料。これがもったいないので、店にメールで Surface(船便)にしてくれと頼む_これで shipping charge は US$12.00 に。ほぼ半分にして、合計の Paypal check は円建て¥2534也。神保町界隈の中古レコ屋にもしあれば¥500以上は許されない盤をヨケタ買いは無理したが、まあ探して見つかる可能性はまずないので致し方ない。
 サーフェイスでは下手すると「割れる」かもと危惧した。過去に「割れた」ことがある。積み荷の多さもかかる時間も半端ないので。10枚ぐらいのまとめ買いならともかく、1枚はとくに危険。しかし今回のカナダ店舗、なかなかにプロフェッショナル。斯様にエア・クッションで挟み込みでのピザ箱梱包は軽量・堅牢、6週間の船旅でも無事に届く。


えあぱっく.jpg


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2018年02月11日

French Disque by Muscle

下に、レオン盤でのマッスル勢参加曲が「らしくない」と言った。deep な southern taste にあらずという意味だが、思えば正確ではない。マッスルショールズ・スタジオ、当たり前に「商売」…何でもあり≠ナあった。あるときは Kazuhiko Katoh という「日本人」がブッキングしてきた、はて日本語で歌うというがどうしたもんじゃらホイ…と思ったことだろう。
 さらにここに謎のディスコ≠ェある。この盤もマッスルと気付いたのは随分と前のことだが、ここにきて玉(音源)がUTに揃っているので一気に書いてしまおう。

76年盤『Boule Noire』というフランス盤がなぜかマッスル録音らしいと知った。それもディスコと…。しかしジャパニーズのマッスル詣でよりもフレンチのそれのほうがマッスル側にしてみれば違和感少なかったかもしれず。この盤、たしかにフランスでも出ているが discogs 等でいろいろと分かってきた、どうやらカナダ盤がオリジナルの様子。ケベック地方など「フランス語圏」が存在するカナダであったな(ケイト&アンナ・マクギャリグル姉妹はフレンチでも歌っていたヨ)。
ブール・ノアール、バンドと思っていたらそれは勘違い、George Thurston というカナダ・シンガーの変名だった。
そして、これも謎だったマッスル録音盤『Toulouse』…繋がった。カナダはモントリオールのディスコ3人女性グループ。ブール・ノアール、トゥールーズ、共に Steven Grossman という人物が裏方/仕切りでこの御仁がマッスル贔屓であったと…当方はみる。
どちらの盤もリリースはいい加減、何度かのマッスル・セッション曲を組み合わせて数枚を出しているようだ。
時代ゆえにディスコ録音のお鉢がマッスルまで巡ってくる…それもアリだろう。が、なんでわざわざアラバマのど田舎へ? 想像だが、たとえばそのグロスマンなる御仁の妹がじつはベケットの嫁…とか、なんらかのパーソナルな繋がりがあったのでは。
そしてこれも疑問というか…、けっこう「マッスル勢はノッっている」。まず演奏のみならずプロデュースも共同でしていたり、人員的にも4人衆からピート・カーも、マッスル・ホーンズも揃って参加。楽曲のなかにインストも含まれていて、それはホーンズ4人衆(イーズ/ローズ/キャロウェイ/トンプソン)が嬉々としてプレイしていたり。それと楽曲のいくつかの共作者としてベケットの名前まである。ディスコ好きなんかい?_と問いたいほど。クレジットをみれば、やはりストリングス入れはクライテリアで行われている(お馴染み、マイク・ルイスのスコアで)。クライテリアは当時、ビージーズがディスコヒット連発のための居城にしていたスタジオでもある、そんな時代か。

toulouse_credit.jpg


https://youtu.be/GzUl26xUE2U
ホーキンスのドラム…悪くない

https://youtu.be/5bpjPyFkq50
ピートのギターが…悪くないワ


toulouse_1.jpg

松下某のようなブラシイラストのファースト

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Boule Noire 盤もブラシイラスト

toulouse_fr.jpg
こういうお姉様方であった…



++++++++++


ひとつ気付いた事がある。ブール・ノアール(ことジョージ・サーストン)の78年盤『aimer d'amour』、les disques martin レーベルから出ている…バリバリに仏語盤だがやはりカナダから。これはマッスル録音ではないが、mixing に Steve Hamm の名もあるので一部はマッスルでのミックスダウンかもしれない。この盤のクレジットでドラムに " Richard Tate " の名があった。
遡るに、わがマッスル掘りリストの #043 が『Richard Tate』という盤。いったい誰や知れず盤ではあったし入手できると思っていなかったが、あるレコードフェアのエサ箱であっさり見つけた時ははっきり覚えている。そのときは驚喜したんだが、聴けばどうにもプアな内容だったな…とうの昔に処分してしまって今ではさっぱり記憶ない。
ひさしぶりに出会ったリチャード・テイトの名前。リストアップしたのは77年 ABCからの同名盤だったがいまdiscogsをみれば前76年にも同名盤を、それは les disques martin から。こちらはカナダ向けのフレンチ・アルバムで、ABCのはアメリカ向けに全曲英語で歌っていたようだ。見ればこのカナダ盤も完全マッスル録音_その1曲目がこれ:
https://youtu.be/N8JrQ6x0n6Y
ばっちりとマッスルではないか。ギターはピート・カー、アウトロで弾きまくってフェイドアウトの得意技。
リチャード・テイト…discogs には "Quebec drummer and singer" とある。カナダ/フランス語圏チームの一員であったか。

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2018年02月04日

Swamper album

leon-russell-sw8903-2-ab.jpg

#000
【Leon Russell and the Shelter People】
produced by Russell & Denny Cordell
('71 Shelter)
<ー:★★>


この盤をマッスル・リストに入れるかどうか悩むが、やはり参考盤扱いに。ある意味では重要盤なのだが、マッスル勢はほぼノータッチゆえ。

まずレオン・ラッセル…正直趣味でない、声も苦手。唯一『stop all that jazz』だけが愛聴盤で、このソロ2枚目も表記にマッスルとあったのでリイシューLPを15年ほど前だったか買って持ってはいるがほとんど聴いてなかった。が、一昨年にユニバーサルの『名盤発見伝』シリーズ仕事をした、その中でリイシューされた関連盤、マーク・ベノとの asylum choir やシェルターからのソロ3枚+ライヴ盤などは見本盤として貰う。この2枚目もあり、CDでは3曲ボートラ追加(これは89年のDCC盤CDからの収録のようだ)。

レーナード・スキナードのセカンドLP『おかわり』は74年盤。亡きロニー・ヴァン・ザントは「我が心のアラバマ」という曲を作り、そのなかで "Muscle Shoals has got the Swampers" と…「マッスルには『スワンパーズ』ありき!」と歌う。いまではマッスル4人衆=ベケット/フッド/ジョンソン/ホーキンスの代名詞「スワンパーズ」はそこから知られるようになったが、もともとの言いだしっぺはレオンともデニー・コーデルとも言われる…どちらにしろ、このアルバム『レオンとシェルター・ピープル』が初出。この盤から生まれた言葉。その意味でマッスル的には「重要盤」には違いないのだが…。

アメリカンのラッセルがUK音楽界の重鎮?デニー・コーデルとつるんで興した Shelter レコード、自身作は『レオン・ラッセル』『レオンとシェルター・ピープル』『カーニー』と続いた。で、この盤は70年8月〜71年1月にかけて4カ所のスタジオで録音された盤。それが「4つのユニット」によって。おのおのに名を付けた。

The Shelter People ( don preston, joey cooper ら当時のツアーバンド)
Tulsa Tops ( jesse davis, carl radle, jim keltner, ...)
Muscle Shoals Swampers
Friends of England ( whitlock 抜きのドミノス)

アナログ収録11曲は1曲を除いてどのユニットによる録音か表記されていた。ここで、マッスル勢は Muscle Shoals Rhythm Section とされるのが常なんだが単にそれが長いと思ったか、レオンかコーデルが "swampers" _南部の腕利きらへのリスペクトも込めて、この言葉を使ったんだろう。

さて、4つのユニットで4つのスタジオ録音となれば…
 A) The Shelter People _ shelter studio, hollywood
 B) Tulsa Tops _ A&M studio, hollywood
 C) Muscle Shoals Swampers _ muscle shoals studio
 D) Friends of England _ Island studios, UK

 で、納得できそう。しかしここからちょいとややこしい。まずマッスル録音だが、メンバーは4人衆とレオン(piano, guitar, vocal) の表記。普通ならリードギタリストが誰か入るところだがレオンは弾ける男ということで。
 収録うち2曲_05 : home sweet oklahoma, 09 : she smiles a river がマッスル録音とオリジナルLP表記ではされている。が、5曲目はどう聴いてもドミノス。なにしろ次6曲目と続いてリードギターはエリック・クラプトンだ(表記無しだが間違いない)。DCC盤のCDもこの曲は(クラプトンの名前はないが)Friends of England のバックと修正されている。
 なのでマッスル録音は9曲目の1曲のみとなる。そしてこれが緩いカントリー調でマッスルらしさは皆無(Coral electric sitar を弾くのは、レオン?)。なので内容的には参考盤にするしかないということ。

マッスルを置くと、その内容は…シェルター・ピープルとのゴスペル色濃い楽曲がどうにも肌に合わない(タイトルに反して彼らとの録音は全体の半分)_生臭坊主とその信徒のような抹香臭さは、レオンの盟友だろうか、ドン・ニックス盤でも同様であったな(アラバマ・トルーパーズ等)。この一派の仰々しさに拒絶感あり。ソングライターとしては認める。この人は、UKでスワンプ教祖のような受け方をしてから勘違いと思えてならない、本来は60年代のハリウッド仕事_ポップスの人、ではないだろうか。ラッセル・ブリッジズが本流、レオン・ラッセルと名を変えてからは無理が目立ったというか…。

++++

ひとつ注意点。
DCC とは dunhill compact classics の略、業界の深掘り男ヾteve Hoffman がミキシングまで、全てを仕切ったレーベルとして知られる。DCC盤リイシューCDの記載ではジェシ・デイヴィス/ジム・ケルトナーらによる「タルサ・トップス」バックでの録音はA&Mスタジオではなくてマッスル・ショールズとされている。ボートラのディラン・カヴァー3曲と併せての4曲がすべてマッスル録音というのだが…。
 同時期のジェシ・デイヴィスのソロ作では、マッスルこそなかったがマイアミ/クライテリア録音もあったので皆でアラバマへやって来てもおかしくない気も…、しかし4人衆不参加での録音を?、わざわざというのはどうかなあ、ちょいと納得しかねる。



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2018年01月05日

Yo-Yo

マッスル・ショールズの大立て者リック・ホール死去の報。東京新聞死亡欄で見てカミさんが言う_東京新聞だから? ほかの新聞でも載る人なの? と。知りませんが。
その写真の、ダリみたいなヒゲに…頑なな南部人であっただろうと想像する。映画『マッスル』でもそのスクエアな言動は見られたが。正直、頑固で怖い typical な南部白人…は当方の偏見だったかどうか。
<マッスル・サイト>で書いてきた、個人的には印象よくない人だった。FAME はスルー、思い入れは マッスル・ショールズ・スタジオのほうだけとも。
マッスル4人衆がホールと袂を分かったのは、ホールの吝嗇…なのか? 単に金銭問題だけじゃなかったと思う。ウェクスが乗り込んできて「ロック寄り」になったこと、フェイムのオーナーとしては気に入らなかった_スタジオがハッパ臭くなるのも御免だぜ…とか。その手は外でやってくれ、で…それはウェクスにとっても願ったり叶ったりだっただろう。それで4人衆に金を貸してまであらたなスタジオを作らせたと思う。
4人衆独立直後にホールの放ったホームランが「オズモンド兄弟」だったことをみても…想像は遠くない気がする。個人的にはこちらがツボだったんだがね…。70年か、全米1位 "one bad apple" は好きだった。これがフェイム録音とかジョージ・ジャクソン曲とか…もちろんまったく関係なく、いちポップス・ヒットだったが。次ぎの、ジョー・サウス曲 "yo-yo" も、ダニーの "sweet and innocent" も…マッスル・セッションなど知らず、大好きでしたワ。それにしてもボーンアゲインクリスチャンだらけのなかでモルモン教徒兄弟は居心地悪くなかった?




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