2030年12月31日

Muscle Shoals Sound Studios

 "denny-O-Muscle" 過去評価盤備忘表 http://muscle-album.seesaa.net

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2018年07月30日

luther tune


s05-L-Ingram.jpg

Luther Ingram / let's steal away to the hideaway

イングラムはウォーマックと並ぶ、マッスル・ショールズ贔屓の black male singer だった。ふたりのマッスル盤はほんとに良くて、マッスル・スタジオにとっても特筆の名盤揃い。この曲は3枚目のタイトル・トラック。76年、Stax 傘下 Kokoレーベル盤。
ピート・カーのしなやかなギターとともにマッスル曲が日曜の昼に流れたのが嬉しい。ベケット/フッド/ホーキンス/ジョンソン、四人衆も一番油が乗っていた頃、最高のグルーヴ。アルバム表記は、下のベティ・クラッチャー盤と同様で " rhythm track : Muscle Shoals Sound Rhythm Section " だけ。しかしこのギターは間違いなくピート。このギター・サウンドを前年のロッド『Atlantic Crossing』と聴き比べれば、"this old heart of mine" "still love you" と「同じ」に気付くだろう。

https://youtu.be/MKf5syDBewA
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2018年07月19日

Nobody Wins Till The Game Is Over

ベティ・クラッチャー楽曲で、これはいい!と思う1曲_ジー・イメージによる。
We Three 制作ではなく、これもマック・ライスとの共作曲「勝負は下駄を履くまでわからない」。
74年のマック・ライスのシングル(Truth Records TRA-3212)"Bump Meat" 、そのB面収録がオリジナルのようだ。

Thee Image というのは…知らんよなぁ…。個人的には大の贔屓のマイク・ピネラが、この男はフロリダ州タンパの出身、ブルース・イメージで "ride captain ride" 一発ヒットを放った後にアピス=ボガートが脱けたカクタスへ入ってニュー・カクタス・バンドとしたがそのメンツままで改名したパワー・トリオで、なぜかエマーソン、レイク&パーマーが興したマンティコア・レコーズからだったのでプログレと勘違いされて?、ヒットも出ずに75年に2枚のLPを出して終わったバンド。2枚ともいいんだがね。
その2枚目の唯一カヴァーがこの曲だったのはピネラの南部魂か。


https://youtu.be/Co8yMfVZcDI

こちらオリジナルのほう。74年はベティのアルバムをマッスルで録っていたのだから、このシングルもマッスル録音ではないだろうか。いや確信する、このギターはピート・カー。

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2018年07月18日

Female songwriter

#171
【Bettye Crutcher/long as you love me】
produced by Bettye Crutcher, Mack Rice
( ' 74 Enterprise )
<--:★★★>



マッスル掘りでのブラック盤、ソングライターでいくつかは馴染みの名となる_南部のライターさんらだ。フィリップ・ミッチェル、ジョージ・ジャクソン、ホーマー・バンクス、マック・ライス、ベティ・クラッチャー…。
往々にしてパフォーマーでも、ある。ホーマー・バンクスには過去にチェックした盤『Banks & Hampton』が、やはりマッスル録音としてあった。そしてベティ・クラッチャー女史にもこのソロ作が_。discogs では唯一盤とある。
https://youtu.be/VQQQkF2CjM8

調べれば、Stax のスタッフ・ライター・チームだったか_ We Three としてバンクスとレイモンド・ジャクソンとの3人で組んでいたとある。実力のある女史のソロ作はスタックス傘下 Enterprise 盤だが全曲マッスル録音のクレジット。
 スタックスにはメンフィスにスタジオもあり、MG's / Bar-Kays とハウスバンドもあったわけだが、所属パフォーマーにはマッスル録音を好んだ(?)者も。ステイプルズ/メル&ティム/ジョニー・テイラー/ルーサー・イングラム等々。で、彼らの盤は70年代の、マッスルが一番「いい時」だったので抜群のバックトラック_とくにわがピート・カーの活躍が目立つ盤だった。
なので、まずバックトラックについてだが、クレジットはRhythm by: Muscle Shoals Rhythm Section とあるのみ、個人記載はない。残念ながらピートらしいギターは聴かれない。special thanks としてボビー・ウォマックの名があるので、ボビー付きのティッピー・アームストロング(とジミー・ジョンソン)だろう。リズム隊のホーキンス/フッドは良い。

その歌、もっとガツンと来るかと…ゴスペルっぽく声量勝負で押してくると想像していたらまるで違った。ソフトロック的な、抑え気味にメロディをじっくり聴かせるタイプは、声質はまるで違うがリンダ・ルイスを思い出させる。大半の曲はプロデューサーでもあるサー・マック・ライス("mustang sally" fame)と共作。最初2回聴き通した印象は、あまりにあっさりで正直肩透かし。目立つ曲もなく。その後に聴き返しては若干好印象に変化。が、それでもこの曲は素晴らしい!…と思える楽曲はなく、全体70点。押しの弱い歌唱と併せて、残念ながらパフォーマーとしての成功は難しかったか…。


CDSXD-141e.jpg

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2018年05月06日

安定感の170枚目

billySwan_4.jpg


#170
【Billy Swan/four】
produced by Billy Swan
(77 Monument)
<B:★★★>


一言ではカントリー畑のSSW…となるだろう、ビリー・スワンでござる。
74年全米1位 "I can help" の一発屋ですわな。この曲はプレスリーにもカヴァーされたが、本人スワン自身がプレスリーの近くにいたらしい。ベースメントはナッシュヴィルの人。この大ヒットのギターはレジー・ヤングだった。で、このタイトル通りの四作目はナッシュヴィルからマッスルへ移動。全曲がマッスル四人衆バックで録音されている。ピート・カーは4曲でギターを。15年ほど前からこの盤が「マッスル」とは分かっていたが、やっと入手は英国盤。UKからエアで送らせたが思いの外安く買えた。

スローからアップテンポまでバラエティに富んで曲が書け、それぞれのメロディもなかなかに良し。歌も上手く声もいい。半数の曲でペダルスティールが入るところはカントリーらしさが見えるが、ブルージーなリズム曲やらジミー・バフェットばりのトロピカルな曲も…。全体の印象は王道なアメリカン・ポピュラー・ミュージックと言える。曲の良さからは他者のカヴァーやら作曲依頼もあったのではと思わせる、才能豊かな人。
 しかし水準越えではあるがソツが無いというか…安定のポップス。この人に求めるのは筋違いかもしれないが、引き込まれるもの_「エグみ」は皆無。ピート得意の連続四連符フレーズを小気味よく聴かせる曲があるのは嬉しい。

+++

ちなみにこの「ミッドナイトスペシャル」出演映像、75年かな。頭でボビー・ヴィントンも云っているようにスワンはクリス・クリストファースンのバックとしてツアー/録音に参加していた。クリス&リタ時期で、リタ・クーリッジ盤もだっただろうか。ベースやコーラスを。その時のバック仲間であったはず、ここではギターがジェリー・マギー。レジー・ヤングのフレーズを代わって弾いている。

I Can Help by Billy Swan


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2018年04月30日

it ain't the spotlight

当方の「追っかけ曲」である「それはスポットライトではない」。
http://www.sakatomi.com/iFrame_3/not_spotlight_a.html
作者のゴフィンとゴールドバーグ、それとロッドのテイクは alternate もあるのでふたつずつ、さすれば合計で21テイク_オフィシャルなレコード(もしくはCD)音源として見つけていた。

22テイク目発見。2015年だから3年前だけどね。なんと作者の娘が歌っていたヨ。
ジェリーとキャロルの娘、ルイーズ・ゴフィンが自身で立ち上げたらしいレーベルから出した6曲入りEP (CD) かな、そこに収録。キング=ゴフィン曲も収録のようだ。
discogs では、co-producer が父ちゃんじゃないほうの作者 バリー・ゴールドバーグとなっているCD。 " in memory of Gerry Goffin" _亡き父に捧ぐ、作品。

[ Louise Goffin / Appleonfire }
Louise Goffin's Appleonfire EP preview




ストレートな…というか、父ちゃんのとゴールドバーグのテイクを足して二で割ったような。変なフェイクがないので好感持てる、なかなかいい出来。



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2018年03月17日

看板に偽り

#169
【Muscle Shoals has got the "SWAMPERS"】
produced by various
('17 Muscle Shoals Sound Records)
<B:★>

買うかどうか悩んだが、まあこれだけマッスルマッスル言っている身としては…。期待はまったく無く、聴けば「やっぱり」。
 昨年末に Malaco から出たCDで元は、10年ほど前だったか Alabama Music Hall of Fame がリミテッド・エディションとして発売したマッスル・スタジオ・メンバーによる音源CD、その10曲に今回4曲ボーナス追加でリリースされた。過去盤買い逃していたので全14曲が初聴き。
 マッスル・ショールズ・リズム・セクションによる全曲インストで、スタジオの空き時間を利用して録音されていたという。四人衆をメインにピート・カーを始めとするマッスル・プレイヤー、マッスル・ホーンズも参加。
 disk UNION 広告では69〜78年音源に90年代ボートラが内容だという。が、初年69年曲があるとは思えない、既発10曲はすべて75年頃以降と思う。そして90年代の4曲ボートラだが、シンプルな音作りは逆に70年代初頭の雰囲気。しかしギターはウィル・マクファーレインというからそれはあり得ない。

まず最初に、ブックレットが20ページ、使われている写真がカヴァー含めすべて低解像でジャギー出まくり、酷い。デジタル・フォト・データということを知らないのかどうか、いまどきのブートCDでもこんな酷いモンはないので驚いてしまう。マラコというレーベルはデジタルについてこれてないのだろうか。これからしてトホホだが…。
 その内容。看板に偽りあり_まったく「スワンプ」していない。個人的には想像通りだが、ほとんどAORというかフュージョンというか…。
 マッスル四人衆は、才能溢れるミュージシャンの「バックでこそ」輝くのであり、彼ら自身に(演奏能力は最高だが)音楽クリエイトの才はぶっちゃけ無い。あれば人のバックなどやってない。その彼らが自分らだけで作るとなると…往々にしてこの手は、キーボードが引っ張ることになる。となるとアカデミックに音楽を始めているキーボーディスト仕切りは、やっぱりフュージョンぽくなってしまうのだなこれが。オールマンズ後にジェイモ/チャック・リーヴェルらが結成したシー・レヴェルが同様だった。これは歌があったが、このCDは完全インストゆえフュージョン色はより強い。
 ギターはすべてピート・カーで、自作2曲も。ソロ作とほとんど同質。他は四人衆作、ベケット単独など。キーボーディストのベケットは仕切る。エレピ/クラヴィ/シンセで_。

ウィル・マクファーレイン。78年頃だったか、久保講堂へ出掛けたのはボニー・レイット初来日公演。この時のギターはウィルじゃなかっただろうか。この人はボニー・バンドのギタリストとしてしか知らなかった。が、80年代に入って、そのバンドを抜けてマッスルへやってきたという。以後現在までマッスル暮らしだそうで、マッスル・リズム・セクションの一員として多くのセッション参加とか。知らなかったワ。見返せばいままでに評価してきた盤のなか、数枚に参加だが気付かなかった。
 ボートラ4曲はウィルのギターらしい。これが思わぬ聞き物だった。ウィルのプレイはスライドが多く、全体に前述通りにあえて渋め≠ネ快演。10曲よりもはるかに swamp /サザーンな曲揃い。ベケットもシンセなど使用せずに王道のハモンドB3弾き(ベケットはすでにナッシュヴィルで、ここはクレイトン・アイヴィかも)。
 ベスト・トラックはボートラから "sunday morning R&B" 。9分長尺は冗長すぎるが、4分ぐらいでここにそれなりの歌が乗ったならかなりイケるトラックとなったはず。

+++++

トホホなCDではあるが、Alabama Music Hall of Fame の館長ディック・クーパーという人が書くライナーノーツはさすがに詳しく、知らなかったマッスル録音盤が多く記載されている。今後の資料になる。これのみが収穫。



junior.jpg

左端 Junior Lowe :
ギタリストのロウはなぜマッスル・スタジオへ行かなかったか、
Fame に留まったのだろう…


swampers.jpg

L-R: hood, johnson, ? hawkins, beckett
さてセンターは?_たぶん John Prine

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2018年03月06日

ドジョウ狙い盤


edwards-and-ralph.jpg

#168
【Edwards and Ralph】
produced by Peter Yarrow & Barry Backett
('77 Ariola America)
<C:★★>

良くよく解釈して「ポップス」王道。とて、カーペンターズのような才能もなく、マグレガーほどに曲に恵まれたわけでもなく。正直やってもうた°C分、かなりトホホ…。
 
便利な時代で、ネットで見つけたのはレアな「マッスル」盤。誰も知らなかったはず、カナダの男女デュオ盤で『Edwards and Ralph』という77年LP。レアなマッスル盤といって、下に書いたトゥールーズ姉さんらのレコはディスコでとても買う気にならなかった。しかしこの2人盤は曲が粒ぞろいゆえもしやいけるかもと期待が…、でもってわざわざ discogs から買った次第、カナダのお店から。

届いてまず裏ジャケ・クレジットを見ると実に意外だった。beckett / hawkins / johnson / hood + pete carr, tom roady の演奏。文句なしのマッスル・セッション…なのに、recorded at the Le Studio, Montreal, Canada のみ。アラバマではなくモントリオールだという。同時期のブール・ノアール、トゥールーズらカナダ勢をマッスルで録りながらなんでこっちはカナダまで出張ったのだろうか。エンジニアも Gregg Hamm, Steve Melton とマッスル・メンバーだし、マッスル・ホーンズ4人も参加とあるが、マッスルのハウス・チーム全員がわざわざ出張りとは正直信じられなく、たんなる表記漏れ_マッスル録音が大半なのでは(それともマッスルスタジオご一行様のカナダ慰安旅行を兼ねて?)。ペダルスチールが Weldon Myrick …エリア・コードのおっさんの名も、これはオーバーダブだね。ミックスはナッシュヴィルのスタジオ。マッスル/ナッシュヴィル路線のポップス物。

セッション・クレジットは詳細なのに、肝心の2人はまったく表記無し。エドワーズとラルフ、姓か名か、男女分けすら分からなかった。仕方なしにこれもネット検索_ さすがだな [45 worlds] にあり。Cliff Edwards と Jackie Ralph のふたりでした。ジャッキーの声は「愛はかげろうのように」のシャーリーンを思わせる高音…いわゆる「天使系」か。
 プロデュースが ex- PPM のピーター・ヤロウ、とベケット。ということで、シロウトさんは分からないだろうが当方には見えた_メアリー・マグレガーの次ぎ、二匹目どじょう狙い盤と。ヤロウは自身でも3枚もマッスル録音盤を出している。が、線の細いヤロウの声質はほとんどマッスルと合っていなかったと思う。それでも、バックコーラスをしていたメアリー・マグレガー嬢のLPも(ついでに?)マッスルで、ベケットと共同プロデュースで録ったら、そのタイトルトラック "torn between two lovers" _シングルが全米1位に輝く快挙。これで味をしめての第二弾がこのデュオ盤なのは明白。レーベルも同じアリオラ・アメリカ。
 全10曲に2人の作なく(これもマグレガー盤と同様)、あくまでシンガーに徹してヒット狙い。マーク・ジェイムス=シンシア・ワイルから始まり、ギャラガー=ライル、アレッシ兄弟、リチャード・スパ、ダニー・オキーフ、トム・スノウ、ジャック・テンプチンらの楽曲、マッスル・ライターのフィリップ・ミッチェル、それとヤロウの書き下ろしとナイスな選曲は期待値高かった。が、問屋はなかなか卸してくれないのが音楽業界の常。凡庸の一言に沈み、人知れぬまま田舎のレコ屋の棚にひっそり。

++++++


当初は若干の期待もあって、久しぶりに海外からのアナログ買い。CDと違って送料が本体より高くつくのが難のアナログ。今回は VG+ コンディションで US $10.00 プライス盤だった。LP1枚でもまず2000円は下らないのが(北米から)エア送料。これがもったいないので、店にメールで Surface(船便)にしてくれと頼む_これで shipping charge は US$12.00 に。ほぼ半分にして、合計の Paypal check は円建て¥2534也。神保町界隈の中古レコ屋にもしあれば¥500以上は許されない盤をヨケタ買いは無理したが、まあ探して見つかる可能性はまずないので致し方ない。
 サーフェイスでは下手すると「割れる」かもと危惧した。過去に「割れた」ことがある。積み荷の多さもかかる時間も半端ないので。10枚ぐらいのまとめ買いならともかく、1枚はとくに危険。しかし今回のカナダ店舗、なかなかにプロフェッショナル。斯様にエア・クッションで挟み込みでのピザ箱梱包は軽量・堅牢、6週間の船旅でも無事に届く。


えあぱっく.jpg


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2018年02月11日

French Disque by Muscle

下に、レオン盤でのマッスル勢参加曲が「らしくない」と言った。deep な southern taste にあらずという意味だが、思えば正確ではない。マッスルショールズ・スタジオ、当たり前に「商売」…何でもあり≠ナあった。あるときは Kazuhiko Katoh という「日本人」がブッキングしてきた、はて日本語で歌うというがどうしたもんじゃらホイ…と思ったことだろう。
 さらにここに謎のディスコ≠ェある。この盤もマッスルと気付いたのは随分と前のことだが、ここにきて玉(音源)がUTに揃っているので一気に書いてしまおう。

76年盤『Boule Noire』というフランス盤がなぜかマッスル録音らしいと知った。それもディスコと…。しかしジャパニーズのマッスル詣でよりもフレンチのそれのほうがマッスル側にしてみれば違和感少なかったかもしれず。この盤、たしかにフランスでも出ているが discogs 等でいろいろと分かってきた、どうやらカナダ盤がオリジナルの様子。ケベック地方など「フランス語圏」が存在するカナダであったな(ケイト&アンナ・マクギャリグル姉妹はフレンチでも歌っていたヨ)。
ブール・ノアール、バンドと思っていたらそれは勘違い、George Thurston というカナダ・シンガーの変名だった。
そして、これも謎だったマッスル録音盤『Toulouse』…繋がった。カナダはモントリオールのディスコ3人女性グループ。ブール・ノアール、トゥールーズ、共に Steven Grossman という人物が裏方/仕切りでこの御仁がマッスル贔屓であったと…当方はみる。
どちらの盤もリリースはいい加減、何度かのマッスル・セッション曲を組み合わせて数枚を出しているようだ。
時代ゆえにディスコ録音のお鉢がマッスルまで巡ってくる…それもアリだろう。が、なんでわざわざアラバマのど田舎へ? 想像だが、たとえばそのグロスマンなる御仁の妹がじつはベケットの嫁…とか、なんらかのパーソナルな繋がりがあったのでは。
そしてこれも疑問というか…、けっこう「マッスル勢はノッっている」。まず演奏のみならずプロデュースも共同でしていたり、人員的にも4人衆からピート・カーも、マッスル・ホーンズも揃って参加。楽曲のなかにインストも含まれていて、それはホーンズ4人衆(イーズ/ローズ/キャロウェイ/トンプソン)が嬉々としてプレイしていたり。それと楽曲のいくつかの共作者としてベケットの名前まである。ディスコ好きなんかい?_と問いたいほど。クレジットをみれば、やはりストリングス入れはクライテリアで行われている(お馴染み、マイク・ルイスのスコアで)。クライテリアは当時、ビージーズがディスコヒット連発のための居城にしていたスタジオでもある、そんな時代か。

toulouse_credit.jpg


https://youtu.be/GzUl26xUE2U
ホーキンスのドラム…悪くない

https://youtu.be/5bpjPyFkq50
ピートのギターが…悪くないワ


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松下某のようなブラシイラストのファースト

boule noire.jpg

Boule Noire 盤もブラシイラスト

toulouse_fr.jpg
こういうお姉様方であった…



++++++++++


ひとつ気付いた事がある。ブール・ノアール(ことジョージ・サーストン)の78年盤『aimer d'amour』、les disques martin レーベルから出ている…バリバリに仏語盤だがやはりカナダから。これはマッスル録音ではないが、mixing に Steve Hamm の名もあるので一部はマッスルでのミックスダウンかもしれない。この盤のクレジットでドラムに " Richard Tate " の名があった。
遡るに、わがマッスル掘りリストの #043 が『Richard Tate』という盤。いったい誰や知れず盤ではあったし入手できると思っていなかったが、あるレコードフェアのエサ箱であっさり見つけた時ははっきり覚えている。そのときは驚喜したんだが、聴けばどうにもプアな内容だったな…とうの昔に処分してしまって今ではさっぱり記憶ない。
ひさしぶりに出会ったリチャード・テイトの名前。リストアップしたのは77年 ABCからの同名盤だったがいまdiscogsをみれば前76年にも同名盤を、それは les disques martin から。こちらはカナダ向けのフレンチ・アルバムで、ABCのはアメリカ向けに全曲英語で歌っていたようだ。見ればこのカナダ盤も完全マッスル録音_その1曲目がこれ:
https://youtu.be/N8JrQ6x0n6Y
ばっちりとマッスルではないか。ギターはピート・カー、アウトロで弾きまくってフェイドアウトの得意技。
リチャード・テイト…discogs には "Quebec drummer and singer" とある。カナダ/フランス語圏チームの一員であったか。

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2018年02月04日

Swamper album

leon-russell-sw8903-2-ab.jpg

#000
【Leon Russell and the Shelter People】
produced by Russell & Denny Cordell
('71 Shelter)
<ー:★★>


この盤をマッスル・リストに入れるかどうか悩むが、やはり参考盤扱いに。ある意味では重要盤なのだが、マッスル勢はほぼノータッチゆえ。

まずレオン・ラッセル…正直趣味でない、声も苦手。唯一『stop all that jazz』だけが愛聴盤で、このソロ2枚目も表記にマッスルとあったのでリイシューLPを15年ほど前だったか買って持ってはいるがほとんど聴いてなかった。が、一昨年にユニバーサルの『名盤発見伝』シリーズ仕事をした、その中でリイシューされた関連盤、マーク・ベノとの asylum choir やシェルターからのソロ3枚+ライヴ盤などは見本盤として貰う。この2枚目もあり、CDでは3曲ボートラ追加(これは89年のDCC盤CDからの収録のようだ)。

レーナード・スキナードのセカンドLP『おかわり』は74年盤。亡きロニー・ヴァン・ザントは「我が心のアラバマ」という曲を作り、そのなかで "Muscle Shoals has got the Swampers" と…「マッスルには『スワンパーズ』ありき!」と歌う。いまではマッスル4人衆=ベケット/フッド/ジョンソン/ホーキンスの代名詞「スワンパーズ」はそこから知られるようになったが、もともとの言いだしっぺはレオンともデニー・コーデルとも言われる…どちらにしろ、このアルバム『レオンとシェルター・ピープル』が初出。この盤から生まれた言葉。その意味でマッスル的には「重要盤」には違いないのだが…。

アメリカンのラッセルがUK音楽界の重鎮?デニー・コーデルとつるんで興した Shelter レコード、自身作は『レオン・ラッセル』『レオンとシェルター・ピープル』『カーニー』と続いた。で、この盤は70年8月〜71年1月にかけて4カ所のスタジオで録音された盤。それが「4つのユニット」によって。おのおのに名を付けた。

The Shelter People ( don preston, joey cooper ら当時のツアーバンド)
Tulsa Tops ( jesse davis, carl radle, jim keltner, ...)
Muscle Shoals Swampers
Friends of England ( whitlock 抜きのドミノス)

アナログ収録11曲は1曲を除いてどのユニットによる録音か表記されていた。ここで、マッスル勢は Muscle Shoals Rhythm Section とされるのが常なんだが単にそれが長いと思ったか、レオンかコーデルが "swampers" _南部の腕利きらへのリスペクトも込めて、この言葉を使ったんだろう。

さて、4つのユニットで4つのスタジオ録音となれば…
 A) The Shelter People _ shelter studio, hollywood
 B) Tulsa Tops _ A&M studio, hollywood
 C) Muscle Shoals Swampers _ muscle shoals studio
 D) Friends of England _ Island studios, UK

 で、納得できそう。しかしここからちょいとややこしい。まずマッスル録音だが、メンバーは4人衆とレオン(piano, guitar, vocal) の表記。普通ならリードギタリストが誰か入るところだがレオンは弾ける男ということで。
 収録うち2曲_05 : home sweet oklahoma, 09 : she smiles a river がマッスル録音とオリジナルLP表記ではされている。が、5曲目はどう聴いてもドミノス。なにしろ次6曲目と続いてリードギターはエリック・クラプトンだ(表記無しだが間違いない)。DCC盤のCDもこの曲は(クラプトンの名前はないが)Friends of England のバックと修正されている。
 なのでマッスル録音は9曲目の1曲のみとなる。そしてこれが緩いカントリー調でマッスルらしさは皆無(Coral electric sitar を弾くのは、レオン?)。なので内容的には参考盤にするしかないということ。

マッスルを置くと、その内容は…シェルター・ピープルとのゴスペル色濃い楽曲がどうにも肌に合わない(タイトルに反して彼らとの録音は全体の半分)_生臭坊主とその信徒のような抹香臭さは、レオンの盟友だろうか、ドン・ニックス盤でも同様であったな(アラバマ・トルーパーズ等)。この一派の仰々しさに拒絶感あり。ソングライターとしては認める。この人は、UKでスワンプ教祖のような受け方をしてから勘違いと思えてならない、本来は60年代のハリウッド仕事_ポップスの人、ではないだろうか。ラッセル・ブリッジズが本流、レオン・ラッセルと名を変えてからは無理が目立ったというか…。

++++

ひとつ注意点。
DCC とは dunhill compact classics の略、業界の深掘り男ヾteve Hoffman がミキシングまで、全てを仕切ったレーベルとして知られる。DCC盤リイシューCDの記載ではジェシ・デイヴィス/ジム・ケルトナーらによる「タルサ・トップス」バックでの録音はA&Mスタジオではなくてマッスル・ショールズとされている。ボートラのディラン・カヴァー3曲と併せての4曲がすべてマッスル録音というのだが…。
 同時期のジェシ・デイヴィスのソロ作では、マッスルこそなかったがマイアミ/クライテリア録音もあったので皆でアラバマへやって来てもおかしくない気も…、しかし4人衆不参加での録音を?、わざわざというのはどうかなあ、ちょいと納得しかねる。



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2018年01月05日

Yo-Yo

マッスル・ショールズの大立て者リック・ホール死去の報。東京新聞死亡欄で見てカミさんが言う_東京新聞だから? ほかの新聞でも載る人なの? と。知りませんが。
その写真の、ダリみたいなヒゲに…頑なな南部人であっただろうと想像する。映画『マッスル』でもそのスクエアな言動は見られたが。正直、頑固で怖い typical な南部白人…は当方の偏見だったかどうか。
<マッスル・サイト>で書いてきた、個人的には印象よくない人だった。FAME はスルー、思い入れは マッスル・ショールズ・スタジオのほうだけとも。
マッスル4人衆がホールと袂を分かったのは、ホールの吝嗇…なのか? 単に金銭問題だけじゃなかったと思う。ウェクスが乗り込んできて「ロック寄り」になったこと、フェイムのオーナーとしては気に入らなかった_スタジオがハッパ臭くなるのも御免だぜ…とか。その手は外でやってくれ、で…それはウェクスにとっても願ったり叶ったりだっただろう。それで4人衆に金を貸してまであらたなスタジオを作らせたと思う。
4人衆独立直後にホールの放ったホームランが「オズモンド兄弟」だったことをみても…想像は遠くない気がする。個人的にはこちらがツボだったんだがね…。70年か、全米1位 "one bad apple" は好きだった。これがフェイム録音とかジョージ・ジャクソン曲とか…もちろんまったく関係なく、いちポップス・ヒットだったが。次ぎの、ジョー・サウス曲 "yo-yo" も、ダニーの "sweet and innocent" も…マッスル・セッションなど知らず、大好きでしたワ。それにしてもボーンアゲインクリスチャンだらけのなかでモルモン教徒兄弟は居心地悪くなかった?




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2017年10月14日

Muscle '69

boz muscle.jpg

#167
【Boz Scaggs】
produced by Boz, Jann Wenner & Marlin Greene
( '69 Atlantic)
<ー:★★★>


マッスル関連盤を並べて十数年、167枚目にしてこの盤とは。マッスルショールズと言って、話が通じるロック好き諸兄に「マッスルこの1枚は?」と問うたら、まず挙がりそうなこのボズ盤。それほどに有名なマッスル盤をスルーしてきたのは、30年前に買ったが処分してしまい手元になかったから。思い入れがなかった、というか「デュアン・オールマン」ばかりが語られるのが疎ましい盤でもあった…。
 今にして知ったのは、買ったLPがリイシューだったこと。いや、リイシューを承知で買ったが、単なるリイシューでなく「リミックス・リイシュー」であった事実を知らなかった。詳細は下に書いた通りで、69年のオリジナル盤は名手テリー・マニングによるミックスであったが数年で廃盤。世に出回ったのは77年からのリイシュー盤で、それはトム・ペリーによって remix されていた。これは、オールマン・ブラザーズ・バンドのブレイクに当て込んで_この盤でデュアン・オールマンが長尺にソロを弾きまくっていたことでそこにスポットを当ててのリイシュー。ボズのブレイクはまだ成っていなかった、あくまで「デュアンの素晴らしいセッション盤」としてまず注目された。
 トム・ペリーを責めることはできない、アトランティックとしては棚からぼた餅の盤だったので当然の処置、ボズよりも「デュアンの盤」としてリミックスを施す。

2年前にUKのエドセルが "original 1969 version" と "1977 remixed version" 、マニング盤とペリー盤とを2枚に分けて抱き合わせ、2枚組CDとして発売してくれたのを今、手にしている。やっと「本来の」LP『ボズ・スキャッグズ』を聴くことができた。
 やはり「ミックス」は大きい_マニングのネームバリューから言うわけじゃなく、オリジナルはリイシューよりもずっと良かったのだ。ここでやっと、マッスル・ショールズ・サウンド・スタジオの最初期(69年春にオープンして、これは夏の録音)録音盤を堪能できる。
 ただし…ここにはピート・カーはいない。エンジニアもマーリン・グリーンで、メルトン/マスターズのコンビでもない。マッスルスタジオの口開け時であり、全盛期はまだ先のこと。グリーンが当初のエンジニアであったがこのスタジオでの仕事は2年あったかどうかだったと思う。
 最近の話題で、雑誌「ローリング・ストーン」の身売り話があった。創業者ヤン・ウェナーの名前を久しぶりに聞いたが、そのウェナーがこの盤のプロデューサーであった。シカゴでスティーヴ・ミラーとやっていたボズが流れた先のサンフランシスコ、その地で雑誌を立ち上げたウェナーとの関係はフリスコ・ロックとして浅くなかっただろう。
 フリスコ前に北欧へ流れて彼の地オンリーのアルバム、フォーキーな弾き語り盤(ウルトラレアだったがCD化)があったボズだがそれは小手調べとして実質の「デビュー盤」はこれとしていいだろう、この後『my time』で再びマッスル録音があった、自身の音楽性との相性の良さを最初に示した好盤といえる。

バックはマッスル四人衆が張り切ってお仕事、そりゃそうだろう、自前スタジオが始まったばかりなのだから。ギターはジョンソン以外にデュアン、ヒントン、ボズも。ボズは結構弾く人だからこの盤でもヒントンのプレイと思われている箇所がかなりボズ本人のギター…とみた。
 コーラスに、シェール盤に続いて Donna Thatcher の名が。後にシスコへ行ってキース・ゴドショウと結婚、夫婦でデッドに参加した、あのドナ・ゴドショウその人。マーリンの奥さんのジーニー・グリーンは分かるが、トレイシー・ネルソンがマッスルへ出張りというのは珍しい_いやいや、これはフリスコ・オーバーダブだねきっと。

++++++


と…戸…都……。ここまで書いてさぁアップすっかな…と思ったがジャケ写を入れねばと気づき、スキャンも面倒ゆえネット拝借しようとしたわけで。そこでえらいコメントを見つけちまったよ!_「このエドセル盤、アホもたいがいにせ〜よ、盤面表記が『逆』であるぞ! original 1969 version となっているほうが77年リイシュー音源なのだ。ゆめゆめ『オリジナルが最高じゃん』などと吹聴して赤っ恥をかくなかれ…」とな! でもってwiki を見直せば、"Boz Scaggs (album)" の項目にもちゃんと書いてあったわ_「Edsel mislabeled the discs... 」と。
 怖い!怖すぎる…。すんでの所でやっちまうところだったではないか。てか、もうやっちまってるし。なにが「名手マニング」だ…、それはトム・ペリーのミックスだってよ〜! 我、じっと手を見て涙ス…これまでもどれだけいい加減なことを書いてきたことか…。
 斗、少しだけ思ったがこれぐらいではめげない、だいたいシロウトのブログなんてこの程度/常に眉にツバつけて読んで頂きたい所存でござる。
 とりあえずは自己検証をしようと思い立ち、三十数年前に池袋オンステージヤマノで買ったUSのリイシュー盤、とうの昔に処分してしまった盤、そこから "I'll be long gone" だけは焼き残しているのでその音をエドセルの2枚の同曲とで聴き比べてみた。
(A) USリイシュー・アナログ
(B) エドセルCD "original 1969" と書いてある盤
(C) エドセルCD "1977 remix" と書いてある盤

(A) と (B) にくらべて (C) 、楽器定位/分離の激しいテイクになっている(左右振り分けでボズの歌のみがセンターにある)。なるほど、たしかにエドセル盤表記はミステイクですわ。
 が、よくよく聴くに…同じのはずの (A) と (B) 、近い、が「違う」。まったく同テイクではない。顕著なのはロジャー・ホーキンスのドラムのパン位置/定位。センターを0度として左右目一杯に振ったところを90度とする。
(A) 左40度
(B) ほぼセンター0度
(C) 右85度

深い、ミックス(リミックス)は深すぎる…。それは兎も角、なんだかんだ言って、やはりこの盤は "I'll be long gone" に尽きる。



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2017年07月30日

スタジオの壁に

現在の Muscle Shoals Sound Studios はスタジオとしての機能を残しているようないないような…基本的には観光名所として everybody welcome ?

このようにスタジオ内の壁に過去録音盤がディスプレイされている様子。それをチェックす。

マッスルスタジオ内1.jpg

•kim carnes / sailin'  #046
•bob dylan / slow train coming
•sanford-townsend
  http://whink.seesaa.net/article/255283889.html
•donnie fritts / prone to lean  #056
•leon russell / carney
•willie nelson / phases & stages  #147

ディラン盤、改宗三部作のひとつだがこれは3614のスタジオでなく二代目スタジオでの録音。レオン・ラッセルか、ノー・チェックだっけ?




マッスルスタジオ内2.jpg

上・中・下と三段を左から右へ_
まず上段:
•joe cocker / luxury you can afford  #060
•jim capaldi / oh how we danced  #111
•johnny taylor / eargasm  #124
•jim capaldi / oh how we danced (UK jacket)  #111
•cher / 3614 jackson highway   #150
•ronnie hawkins
•art garfunkel / watermark  #008
•king curtis / get ready
•arther conley / sweet soul music
•boz scaggs / my time  #036

70年のロニー・ホーキンス盤はそうか、マッスルだったか。アーサー・コンリィ盤は67年だからマッスル・スタジオでの録音はないはず。


中段:
•cowboy / 5'll gotcha ten
  http://sakatomi.seesaa.net/article/414323772.html
•latimore / dig a little deeper  #102
•lynyrd skynyrd / street survivors
•joe tex / from the roots came the rapper
•traffic / on the road
•millie jackson / caught up  #071
•rod stewart / atlantic crossing  #019
•mike finigan  #015
•jose feliciano / sweet soul music  #163
• ?

スキナードの『street survivors』もマッスル? ネチれば本拠地ドラヴィル以外にクライテリア/マッスルも。1〜2曲か。72年のジョー・テックス盤。アトランティックのハウスデザイナーだったと思う Stanislaw Zagorski のイラストジャケ。エリック・カズ『cul-de-sac』もこの人。トラフィック盤は、ライヴだからスタジオは関係ないでしょ。ミックスかも。


下段:
•bob seger & the silver bullet band / stranger in town  #012
•eddie hinton / very extremely dangerous  #162
•wilson pickett / don't knock my love
  http://sakatomi.seesaa.net/article/449265298.html
•gotham flasher
•joe simon / mood, heart & soul
•harbie mann / muscle shoals nitty gritty  #156
•linda ronstadt
  http://whink.seesaa.net/article/402093511.html
•paul simon / still crazy after all these years  #042
•?
•lynyrd skynyrd / first and... last
•jackie moore / make me feel like a woman  #164
•bobby womack / understanding  #090

ゴッサム・フラッシャーというのはまったく知らなかった。discogsによれば、79年盤でたしかにマッスル録音と。しかし Electronic / Disco 区分け。こりゃパスだわ。スキナード盤は事故後に出たデビュー前のデモ音源。


++++

ロニー・ホーキンス/キング・カーティス/ジョー・テックス/ジョー・サイモンと、積み残し…ピートは関係ないし、あまり触手が伸びないところ。ほかにもまだ20枚ほどチェック盤を残しているけれど、どうしたものかと思案中。


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2017年06月24日

Alabama deep soul

(以下文中「マッスル・サウンド」「Muscle Sound」は録音スタジオ Muscle Shoals Sound Studios のこと)

現在進行中の仕事の資料としてワーナーさんからの頂いた2枚組CDは2013年のブラック物_『Soul Deep : deluxe edition』。ソウル界の雄=アトランティック・レーベルの、タイトル通りのディープなシングル・コンピレーション盤。そのディスク1/全24曲がほぼマッスルショールズ関連盤で占められていた。
10年以上マッスルショールズ盤を digってきたが、「ロックな<}ッスル追いかけ」をメインにしている。フェイム録音、とくにコアなブラック音源は手をつけずにスルーしてきた。
このCDには70年前後の、たぶん全てがシングル音源なのでいままで当方は追わなかった実にコアなところだが、よくよくみれば興味深い箇所もアリ_資料的な意味ですこし記したい。

67〜73年のシングル。FAME 録音がメインで Quinvy, Muscle Shoals Sound Studios 録音が数曲。ここで興味深いのはギターのこと。フェイムでのメイン・ギタリストは Albert "Junior" Lowe 。ロウは、スプーナー/ドニー・フリッツ/ホーキンスと共にダン・ペンのバンド、Dan Penn & the Pallbearers の一員であった人。マッスル四人衆の独立時について行ってもおかしくなかったか…いや、ここがポイント。ギターはジミー・ジョンソン一人で十分だった。CDを聴くにこの時期、まずリード・パートが無い。ギターもサックスも、ハモンドがぶぁ〜と吹き上がることもなし。器楽間奏という概念がほぼ無なかった? なのでロウもジョンソンもコード単音弾きを主にこなしてきた古いタイプのギタリストと見る。中で、2曲のみ名前があるのがデュアン・オールマン、堂々とソロを弾く(スライドと)。南部マッスルでの際だったリード・ギターの弾き始めがデュアンだったように思えてきた。デュアンがマッスル界隈でセッション・ワークしていた時期は1年となかったのにいまだに「マッスル・セッションマン時代の名演」が語られるのは、単にその後の活躍からだけではなく、リード・プレイの先駆者だったからかも。時代はサイケデリアからニュー・ロックの時代だから変化は当たり前と言えば当たり前であったが、南部はスクエアな土地柄ゆえに遅れていただけだろうが…。新たな時代の一石を投じたデュアンか。
デュアンがアワーグラスとして最後の、起死回生セッションをフェイムで録ったのが68年秋。そこでバリバリにブルースを弾きまくったが、それを見たリック・ホールがスカウトしてセッション仕事開始だろう。その音源はボツになりバンドは解散だったのだから。そのアワーグラスの「ベーシスト」として参加していた我らがピート・カー。ピートがマッスルに戻るのは71年のこと。解散後、アワーグラスの同士=ポール・ホーンズビィ&ジョニー・サンドリンと行動を共にする、メイコン・リズム・セクションとして。四人衆はリック・ホールから独立してマッスル・サウンドを開始するが、不足のリード・ギタリストにはデュアンとエディ・ヒントンを起用。デュアンがオールマンズ活動へ本腰を入れだしたからだろう、メイコンからのピート・カーが席を替わる。

CD収録で要チェックな曲は以下:(スタジオ/録音月)
01 : Don Covay & The Goodtimers / I stole some love (Fame, Sep. 68)
13 : Mighty Sam / I've got enough heartache (Muscle Sound, Nov. 69)
14 : J. P. Robinson / Don't take my sunshine (Muscle Sound, Mar. 71)
18 : The Lovelles / Pretending Dear (Fame, Dec. 68)
22 : Lorraine Johnson / If you want me to be more of a woman,
  you've got to be more of a man (Sound of Birmingham Feb. 73)
23 : Peggy Scott / One night is all I need (Muscle Sound, Aug. 70)
24 : Peggy Scott & Jo Jo Benson / I can't say no to you (Sound of Birmingham, Aug. 71)

まずデュアン物。01と18でリードギターを。バックは四人衆ではない。ライナーではバックを「フェイム・ギャング」としていて、それは元々インペリアル・セヴンという4人バンドがナッシュヴィルからマッスルへ来てフェイムの専属バンドになったという(四人衆はフェイム・ギャングとは別扱いしているが…)。リズム隊は Jesse Boyce : bass & Freeman Brown : drums 。
13マイティ・サムというシンガー盤、69年だからマッスル・サウンドとしては最初期録音。リードはヒントン。23ペギー・スコット盤も同様。14盤は71年ということでリードがピート・カーに。ピートとしては彼の地での最初に近い録音か。
そのピートが、マッスル・サウンド以外での参加がバーミンガムのスタジオでの22と24のシングル盤。

デュアンが「らしい」ギターを弾いている以外はいまひと良さが分からない当方。が、23は特筆に値す。リズム隊=フッド/ホーキンスが良い、とくにホーキンスのドラムが「ロック的に」素晴らしい。あらためて思うのだ_当方のマッスル追求は、ピートのリード・プレイとホーキンスのドラムが目当てであったんだな、と。マッスル四人衆の独立は、マッスルの地で「ロックンロール・スタジオ」を作ることであったことを再認識。実際にその通りに…名だたるロック・ジャイアンツがこぞって、FAMEではなく<}ッスル・サウンド詣でを繰り返すことになる。



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2017年06月11日

マッスル・シングル_参考盤


ちょいとトホホなCD2枚、アマ・マケプでUS業者から買い。バリー・ゴールドバーグ盤とヤングブラッズ盤。

バリー・ゴールドバーグ。目立たないキーボーディスト、渋い裏方。アル・クーパーがらみで『super session』、ブルームフィールドと組んでエレクトリック・フラッグ…それとて大きな話題でなく。しかし当方的にはマッスル録音のソロ盤があり、それ以上に重要なのはジェリー・ゴフィンと共作した二大名曲_ "It's not the spotlight" "I've got to use my imagination" 、作者であったこと。

ネットを見ていてバリーのあるソロ盤の参加クレジットに驚かされた。ギターが5人_マイケル・ブルームフィールド/デュアン・オールマン/ハーヴィ・マンデル/ダニー・ウィッテン/エディ・ヒントン。個人的にはビッグネーム、これだけ集合ってマジ? それが71年盤『blasts from my past』。それの、ほぼ倍のボリュームになった extended version CD が出ていた。これは見過ごす手はない、勇んで購入した次第。


barry_CD.jpg


2週間待って届いたら、CD-R/ジャケはカラーコピー、音は盤からダイレクトでノイズあり最悪…。半泣きで聴いたらかなりごちゃごちゃした音像、しかし光る曲がなくもない…ギリで許すかという感じ。
ごちゃごちゃの背景を知りたくてdiscogsやらいろいろネチってみたら_。
英語分からぬ悲しさ、まずタイトルが「過去作からのしょぼいモノ」だった。71年時点で、新作ではなくて過去リリース盤からのコンパイル盤。「ベスト・オブ〜」と銘打てる位置でないことを重々承知してのタイトルだったんだろう。
66年『barry goldberg blues band / blowing my mind』
68年『barry goldberg reunion / there's no hole in my soul』
69年『barry goldberg / two jews blues』
から寄せ集めた11曲。CDはそれにレア・シングルや出所不明曲含めての10曲プラスの21曲盤。

74年のソロ『barry goldberg』はボブ・ディラン/ジェリー・ウェクスラーがプロデュースした、マッスル録音でも秀逸な1枚で知られる。しかしその前からこの人はマッスルへ「来ていた」。69年盤は、半分がロスで半分はマッスルのクィンビー・スタジオ録音だった。ゆえに、デュアン・オールマンやらエディ・ヒントンらマッスル勢の名があったのだ。68年盤に1曲のみダニー・ウィッテン曲が。そこでのワウワウ利かせたギターがウィッテン…ということかもしれない。

ハーヴィ・マンデルはすべての盤で弾いている。バリーとは同時期デビューの盟友、「シカゴ・ブルーズ・サーキット」で同じ釜の飯を食った仲か。シカゴにチャーリー・マッセルホワイトというハーピストがいて、どうやらこの人が「60年代なかばのジョン・メイオール」のような存在であった様子。マッセルホワイトのバックにマンデル/バリーが加わり、おのおののソロ作では交互に参加しあっている。
シカゴのその「サーキット」にはブルームフィールド、エルヴィン・ビショップ、スティーヴ・ミラー、ボズ・スキャッグズらもいたのでは。
で、CD収録で一番古いレア曲は65年の "the mother song" _これは The Goldberg - Miller Blues Band 名義で出した唯一シングルだった。スティーヴ・ミラーとの双頭バンドがゴールドバーグのプロデビューだろう。
バリー盤のほぼすべてでドラムを叩くのは "Fast" Eddie Hoh 。イリノイの生まれとあるからこの人もシカゴ・サーキットにいたのだろう。ホー、『super session』のドラマーであり西海岸へ移って?_Modern Folk Quartet へ。チップ・ダグラスとの絡みからだろう、モンキーズ・セッションでもかなり叩いていた。
CDでのブルームフィールドがギターを弾く曲はすべて『super session』まま。その続きを聴かされているかのよう。長尺のブルース・セッションでハモンド/ギター/ドラムが同じメンツだから…。

+++++

74年にマッスル録音ソロ、その前73年のやはりマッスル録音による傑作は『Gerry Goffin / it ain't exactly entertainment』。作詞家ゴフィンが組んだ作曲者がゴールドバーグ、2枚組LPで(1曲を除いて)全曲の共作者となっている。プロデューサーのひとりでもあった。
69年に既にマッスルで録音をしていたゴールドバーグだが、72年に出した1枚のシングルもまたマッスル録音であったとは_。
Barry Goldberg featuring Clydie King
"mockingbird / jackson highway" Reprise REP-1120

ブラックベリーズとしても知られるセッション・シンガーとのシングル。A面は後にジェイムス・テイラー/カーリー・サイモンが結婚時に仲睦まじくデュエットしてヒットさせた曲でもあった。こちらはUTにあるが聴きたいB面がないのが残念。「ジャクソン・ハイウェイ」とはずばりでマッスルを歌った曲。ネットでレーベルフォトを見ると両面とも Recorded at Muscle Shoals Sound, Muscle Shoals, Ala. Produced by Russ Titelman & Gerry Goffin とある。で、上記ゴフィンのマッスルLPには "The last cha cha on jackson highway" という曲があり、作者クレジットは Goffin - Goldberg - Titelman 。アルバムの1年前のシングル "jackson highway" とこれは同じ曲だろうか、否か。

barry_jacksonHwy.jpg 


++++

蛇足だが:ハーヴィ・マンデルは回復〜元気になっただろうか。ガンで闘病…経済的に苦しいとのことで雄志がエイド・サイトを立ち上げていた。ストーンズ盤でも弾いた名ギタリスト。欧米では医療費が半端なく高額らしく、知られたミュージシャンでも病魔に冒され苦境にいるとよく耳にする。当方、ハーヴィは大の贔屓ギタリストゆえ、少額だがサイト経由で donation したのが4年位前のこと…。


posted by denny-0980 at 15:34| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月26日

全員集合!


"3614 JACKSON HIGHWAY"_初代の、69年から10年間運営され二代目スタジオへ移転したが、時が経っても解体されることなく残っていたから90年代末からスタジオとして使用再開し、いまは歴史記念館的扱いになったのかな、Muscle Shoals Sound Studios 。まあ「マッスルの聖地」でしょ。一度は巡礼したいものだが…。
しつこだがここ、正確には「マッスルじゃない」。アラバマ州コルバート郡で、郡内は4地区に分かれていたか、ひとつが Muscle Shoals だがこのスタジオの場所は Sheffield 地区。3614 Jackson Hwy, Sheffield, Alabama が正確な住所。



Google ChromeScreenSnapz002.jpg

最初期録音盤『Cher / 3614 Jackson Highway』のジャケ撮り以来、セッションはもちろん、普段からお約束となったのが「スタジオをバックに集合写真」。
過去何枚も入れたがこれを新たに。「Carol Buckins 29歳誕生日記念」だそうな。車の上に乗っているキャロル…名前からして、マッスル・ライター/プロデューサーにしてソロ作もある Micky Buckins の、妻か妹か? ハウス・エンジニアのメルトンがハッキリ映っている。Diane Butler 女史はほかの写真でも入っていたからスタッフのひとりか。右のふたりは分からない。

この「スタジオ前」写真の時系列をハッキリ示すのは、スタジオの窓。向かって左窓に貼られた「3614」の数字が、再開後ははがされて何もない。あれば最盛期、79年より前の撮影ということ。ちなみに大きな目印のアドレス看板"3614 JACKSON HIGHWAY"も、再開後に架かるのは別物で、文字に平体がかかっている(少し平たい)。玄関ドアも最近は白く塗られたか替えられたか、変わった。


+++++++


download.jpg

キャット・スティーヴンス・セッション風景。唯一の(一部)マッスル録音盤、77年『IZITSO』のとき。
ギルドを弾きながら歌うキャット、リードギターはピート・カー(ギターは76年のソロ作に写っている Gibson "custom L-5" だろう)、奥にテレキャスターを弾くジミー・ジョンソン。ピアノはベケットではないな、キャットが連れてきたUKメンバーか。


posted by denny-0980 at 09:58| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月18日

ペニングトン盤

ライ盤ネタでダン・ペンが出てきたのでCD 棚から出して久しぶりに聴いた、97年のセカンド『do right man』。やはり最高だね、これ。(まあダン・ペンに四の五の言うアメリカロック好きはひとりもいるわきゃないが_南部音楽の神存在なのだ。それにしてもこれだけの曲を書けて、その上この声!)
クレジットを見れば全曲がマッスル録音ではないか。出た時にすぐ買って、以来20年! なんで今日まで気づかなかったかなぁ〜と自分に呆れてしまった。よし、書き入れようと注意深く再度聴く…。
で、いざ書こうとして…もしやと思って過去をチェックす。あいや〜、58枚目で入れていたワ。忘れてた自分に再度呆れる…。ボケか痴呆か。

ベストテイクは "it tears me up" 。やはりこのギターもレジー・ヤングなんだろう。この人はセッションプレイヤーのなかでは珍しくガンガン出るタイプ_でかい音で際立ったフレーズをガツンとかましてからスタジオを出る人だった…。が、この曲での極渋なオブリガートは歌伴ギタリストのお手本のよう。
この名盤、CDなのが悲しい。ジャケ等使われている写真のなかでギター…その弦が細いので「ジャギー」が出ているのはデジタル写真だから。ダン・ペンにデジタルは似合わない。つくづくアナログ盤仕様で聴きたかったと感じる。

蛇足ながら表3写真だけ、ここに入れよう_
(残る4人は、分からない:肩組んでるヒゲは george drakoulias だろうな)


だんぺん.jpg



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2017年05月14日

マッスル参考盤_ライ3枚目

boomersLP.jpg


六角精児のBS旅番組内でバックにライ・クーダー数曲を、自身好きな曲として使っていた。なかで "dark end of the street" も。
あれだけ好きだったライも久しく聴いてないなと思い、収録盤『boomer's story』を取り出す。

内容は文句ない。しかしこの盤、曲名すらも分からない。クレジット/インナーシートなど一切無いのが難。と感じて今日まで40数年経ったわけだが…ふと思う、そんな事あるか?
で、ネチってみたらば_あるじゃん! 当方手持ち盤と違い、ちゃんと内袋にパーソネルと歌詞が刷り込まれているのが普通(?)。
出たのが72年か。数年後としても75年までにはUS盤「新品/シールド」で入手したはず。その手持ち盤の内袋は「ワーナー統一デザイン」/片面は2枚組廉価コンピ販売告知。
いや参ったが…しかしこういう事はいい加減なUS盤ならあること。入れ込み内袋が届かなかったから在庫の物を工場でパックしてしまったんだろう。

でもって…いまになって知ったクレジット。なんとこれもマッスル盤だったとは。録音スタジオ、バーバンクのアミーゴ/メンフィスのアーデントと、テネシー州コリァヴィル…これは地名だな、スリーピー・ジョン・エステスが住んでいた街だろう。出張れないスリーピーの声が欲しくて誰かがテープを録りに行った様子。それとマッスル・サウンド。
ダン・ペンとホーキンスがマッスル組から。プロデューサーでもあるディッキンソンとトミー・マクルアはお隣のクライテリア組だから、フロリダからの出張りだろう。
エンジニアのひとりとしてジェリー・マスターズの名がある。マッスル・スタジオのハウス・エンジニア・コンビ、マスターズ/メルトンだが、ミドル・ネームの Lee まで入った表記は初めて見る。




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2017年05月07日

メイコン・リズム・セクション盤

doris_LP.JPG


#166
【Doris Duke / I'm a loser】
arranged, produced by Jerry Williams, Jr.
( '70 Canyon)
<C:★★★>
注:ABCランクは「ピート・カーの活躍度」/
星は、最高五つ星の「アルバムの出来」評価


US Canyon からがオリジナルで、UKでは Contempo レーベル。今回入手はUK版権の日本テイチク盤、77年発売のようだ。プロデュースは、パフォーマー・ネームを Swamp Dogg としてアルバム多数の御仁、その本名がジェリー・ウィリアムス。
過去に3〜4枚紹介しているスワンプ・ドッグ盤。この人も南部人でマッスル界隈始め、南部のスタジオをベースにしていた。で、われらがピート・カーはこのスワンプ・ドッグ・セッションのレギュラーギタリスト…この盤でも当然弾いている。
piano : Jerry Williams, Jr.
piano, organ : Paul "Berry" Hornsby
guitar : Jesse "Beaver" Carr
bass : Robert "Pop" Popwell
drums : Johnny "Duck" Sandlin

前にさかのぼってほしいが、この4人面子が Macon Rhythm Section であったことは記している。後にオールマンズ/マーシャル・タッカー/エルヴィン・ビショップらの盤のプロデュースを手がけた、Capricorn レーベルの二枚看板裏方のホーンズビィ&サンドリンがまだプレイヤーであったぎりぎりの時、70年。オールマン兄弟とともに The Hourglass としてロスで活動したホーンズビィ、サンドリン、カーの3人が地元へ戻って、立ち上がったばかりのカプリコーン・レーベルのリズム隊として数枚のアルバムを録音した(ほかにはリヴィングストン・テイラー、グロリア・リン、ジョニー・ジェンキンスなど)、その1枚。録音はもちろんメイコン/ジョージアのカプリコーン・スタジオ。
マッスルでなくメイコン録音だがピート・カー(ここでは本名のジェシ)参加として知っていた盤、しかし常に高値だった。今回安めの国内盤が見つかったのでやっとのことで買いましたワ。

まずピートのギター。この時期は fender_esquire だったかな、まだまだ硬い音だが、まあブラック盤マナー的オブリガートとして悪くはない程度。リード・パートは一切なし。しかしA−4のみリードが弾かれる、その音色が違っていて…変に思ってよくよくクレジットを見れば special thanks にDuane Allman の文字が。自身のセッション日と勘違いしてスタジオへ来ちまったデュアンか? 「一曲ぐらい弾かせろよぅ〜」だったかも。デュアン・コレクターはこの盤に気づいているだろうか。ここで、グレッグを除く4人で Hourglass が再集合していることになるな。蛇足だが、同様のことがやはりスワンプ・ドッグ・プロデュース盤『Irma Thomas / in between tears』_1曲だけデュアンが弾いていた。
この盤の問題はドラムだ。名手ロジャー・ホーキンスと比べるのは酷というもんだがあまりに拙いサンドリン。早々に演奏に見切りをつけて(?)裏方へまわったのは正解というもの。

内容は、ブラック盤の定番ともいえる「不倫」テーマで、不倫相手の男に妻の元へ戻られた愛人の悲しみだろうか。日本盤ライナーが前盤と同じ氏_ブラック評論の大御所とされていた人だが、こういう人に仕事ふっておけば文句ないっしょというレコ会社の安直さはどうだろう。たぶん歌詞分かってないな。自分はこの曲が好きだ/これは魅力に欠ける…これまたお茶濁し文章とは。 全編が不倫コンセプトで統一できているのは、スワンプ・ドッグの完全仕切りだから。全12曲で、2曲は george jackson / mickey buckins のマッスル・ライター作。残り10曲がドッグのペン、曲がしっかり書ける人なのだ。うち7曲が gary bonds と共作とある。ネチったらやはりこの人は「2時45分」"quarter to three" のヒットを持つゲイリーUSボンズだった。南部の人でソングライトの才も、ドッグとは他にもかなり共作があるようだ。
ゴスペル・クワィア出身のドリス・デューク。それらしい声量と「圧」はあるにしろ、ドッグのメロディは弱すぎる。平均点を超える出来のアルバムではない。(あくまでエロディ志向の当方個人趣味ゆえ、四四七二。ブラック好きにはそれなりに評価されてんじゃないのかな)




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2017年05月06日

贔屓筋シャピロ

#165
【Millie Jackson / a moment's pleasure】
produced by Brad Shapiro & Millie Jackson
( '79 Spring)
<ー:★★>

Muscle Shoals Sound Studios を一番贔屓にした/利用した人物といえば…贔屓は当たらないか、なにしろ当事者である、ジェリー・ウェクスラー。マッスル四人衆にスタジオ開設の資金援助までした人物。当方の読みは、Fame のリック・ホールと折り合い悪くなったウェクスラーがベケット/ジョンソンらをけしかけた結果の新スタジオ…と思っている。プロデューサーとして何枚ものアルバムをこの場所で録ったウェクスが、マッスルいの一番。
パフォーマーとしては、過去には「ボビー・ウォマックが一番の贔屓筋だった」と書いた。しかしこのミリー・ジャクソンも多い…ウォマックより多いかもしれない。それほどに多いのはひとえに後ろ盾のブラッド・シャピロがいたから。シャピロ、もともとマイアミがベースの人なんだが、ウェクスに負けず劣らず録音にはつねにマッスル・スタジオを使ったプロデューサー。Spring / Kayvette レーベルがらみの大半、Facts of Life, Brandye から ex-FREE のアンディ・フレイザー盤まで。

この79年盤、スタジオ表記は Muscle Studio/Alabama, Sound Suite/Michigan, Sound Shop/Nashville, Sterling Sound/NY _なので日本盤ライナーには「録音は四カ所」と。分かってない…。まずNYの Sterling Sound といえば知られたマスタリング・ラボ、ゆえにここではマスタリングのみ。ナッシュヴィルは Spring レーベル・オーナーの Ernie Winfrey の持ちスタジオでここはミックスだけのはず。弦とホーンのアレンジがデトロイトの人、David Van De Pitte とあるからミシガンでは弦・ホーン録り。なので、全曲のベーシック録音はマッスルサウンド1カ所で行われた盤。それは、Rhythm arranged by Shapiro, Jackson and the Muscle Shoals Sound Band Section の表記でも知れる。演奏メンバー記載は全員マッスル・メンバーの以下8人のみ:Hawkins / Hood / Johnson / Beckett / Larry Byrom / Randy McCormick / Tom Roady / Clayton Ivy 。まあマッスル深追いを続けているから分かること。とはいえ、日本盤のライナーは、依頼仕事を適当にお茶濁しというのが知れる薄っぺらな内容(「マッスル・ショールズ」の文字がまったくなかったり…)。

その内容と来て…いつものエロとエグさは抑えめのミリー姐御。スロー・ナンバーに若干「聴ける」箇所がないではないが、全体はメロディに冴えのない「ディスコ」、時代的にかなりディスコに色目。ホーキンスのドラムからしてバスドラべた打ち、リンドラム使用なのだからいやになる。フッドもチョッパーを入れる。ラリー・バイロムがリード・ギターだが、元ステッペンウルフという経歴のマッスル・ギタリストも器用にディスコ倣い。スタジオ・ミュージシャンだから依頼によって何でもアリが当然とはいえ、こうまですんなりこなされると器用ゆえに逆に悲しい感あり_なにしろ南部の一番星、マッスル・ショールズ・リズム・セクションなのだから。
タイトル・トラックはマッスル・ライター George Jackson 作で、"i've got use my imagination" を思わせる_唯一サザンな楽曲。前年のエグザイルの全米1位 "kiss you all over" のカヴァーも収録(作はチャップマン=チン)で、これが一番メロディとしては光るのだから不出来な盤といえるだろう。

69年の開始からこの盤は10年目。ここらが「マッスルの終わりの始まり」だろう。つまりは、栄光のマッスル・スタジオはまるまる70年代、ワン・ディケイドでお役御免だったことになる。


posted by denny-0980 at 06:22| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする