2017年07月30日

スタジオの壁に

現在の Muscle Shoals Sound Studios はスタジオとしての機能を残しているようないないような…基本的には観光名所として everybody welcome ?

このようにスタジオ内の壁に過去録音盤がディスプレイされている様子。それをチェックす。

マッスルスタジオ内1.jpg

•kim carnes / sailin'  #046
•bob dylan / slow train coming
•sanford-townsend
  http://whink.seesaa.net/article/255283889.html
•donnie fritts / prone to lean  #056
•leon russell / carney
•willie nelson / phases & stages  #147

ディラン盤、改宗三部作のひとつだがこれは3614のスタジオでなく二代目スタジオでの録音。レオン・ラッセルか、ノー・チェックだっけ?




マッスルスタジオ内2.jpg

上・中・下と三段を左から右へ_
まず上段:
•joe cocker / luxury you can afford  #060
•jim capaldi / oh how we danced  #111
•johnny taylor / eargasm  #124
•jim capaldi / oh how we danced (UK jacket)  #111
•cher / 3614 jackson highway   #150
•ronnie hawkins
•art garfunkel / watermark  #008
•king curtis / get ready
•arther conley / sweet soul music
•boz scaggs / my time  #036

70年のロニー・ホーキンス盤はそうか、マッスルだったか。アーサー・コンリィ盤は67年だからマッスル・スタジオでの録音はないはず。


中段:
•cowboy / 5'll gotcha ten
  http://sakatomi.seesaa.net/article/414323772.html
•latimore / dig a little deeper  #102
•lynyrd skynyrd / street survivors
•joe tex / from the roots came the rapper
•traffic / on the road
•millie jackson / caught up  #071
•rod stewart / atlantic crossing  #019
•mike finigan  #015
•jose feliciano / sweet soul music  #163
• ?

スキナードの『street survivors』もマッスル? ネチれば本拠地ドラヴィル以外にクライテリア/マッスルも。1〜2曲か。72年のジョー・テックス盤。アトランティックのハウスデザイナーだったと思う Stanislaw Zagorski のイラストジャケ。エリック・カズ『cul-de-sac』もこの人。トラフィック盤は、ライヴだからスタジオは関係ないでしょ。ミックスかも。


下段:
•bob seger & the silver bullet band / stranger in town  #012
•eddie hinton / very extremely dangerous  #162
•wilson pickett / don't knock my love
  http://sakatomi.seesaa.net/article/449265298.html
•gotham flasher
•joe simon / mood, heart & soul
•harbie mann / muscle shoals nitty gritty  #156
•linda ronstadt
  http://whink.seesaa.net/article/402093511.html
•paul simon / still crazy after all these years  #042
•?
•lynyrd skynyrd / first and... last
•jackie moore / make me feel like a woman  #164
•bobby womack / understanding  #090

ゴッサム・フラッシャーというのはまったく知らなかった。discogsによれば、79年盤でたしかにマッスル録音と。しかし Electronic / Disco 区分け。こりゃパスだわ。スキナード盤は事故後に出たデビュー前のデモ音源。


++++

ロニー・ホーキンス/キング・カーティス/ジョー・テックス/ジョー・サイモンと、積み残し…ピートは関係ないし、あまり触手が伸びないところ。ほかにもまだ20枚ほどチェック盤を残しているけれど、どうしたものかと思案中。


posted by denny-0980 at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月24日

Alabama deep soul

(以下文中「マッスル・サウンド」「Muscle Sound」は録音スタジオ Muscle Shoals Sound Studios のこと)

現在進行中の仕事の資料としてワーナーさんからの頂いた2枚組CDは2013年のブラック物_『Soul Deep : deluxe edition』。ソウル界の雄=アトランティック・レーベルの、タイトル通りのディープなシングル・コンピレーション盤。そのディスク1/全24曲がほぼマッスルショールズ関連盤で占められていた。
10年以上マッスルショールズ盤を digってきたが、「ロックな<}ッスル追いかけ」をメインにしている。フェイム録音、とくにコアなブラック音源は手をつけずにスルーしてきた。
このCDには70年前後の、たぶん全てがシングル音源なのでいままで当方は追わなかった実にコアなところだが、よくよくみれば興味深い箇所もアリ_資料的な意味ですこし記したい。

67〜73年のシングル。FAME 録音がメインで Quinvy, Muscle Shoals Sound Studios 録音が数曲。ここで興味深いのはギターのこと。フェイムでのメイン・ギタリストは Albert "Junior" Lowe 。ロウは、スプーナー/ドニー・フリッツ/ホーキンスと共にダン・ペンのバンド、Dan Penn & the Pallbearers の一員であった人。マッスル四人衆の独立時について行ってもおかしくなかったか…いや、ここがポイント。ギターはジミー・ジョンソン一人で十分だった。CDを聴くにこの時期、まずリード・パートが無い。ギターもサックスも、ハモンドがぶぁ〜と吹き上がることもなし。器楽間奏という概念がほぼ無なかった? なのでロウもジョンソンもコード単音弾きを主にこなしてきた古いタイプのギタリストと見る。中で、2曲のみ名前があるのがデュアン・オールマン、堂々とソロを弾く(スライドと)。南部マッスルでの際だったリード・ギターの弾き始めがデュアンだったように思えてきた。デュアンがマッスル界隈でセッション・ワークしていた時期は1年となかったのにいまだに「マッスル・セッションマン時代の名演」が語られるのは、単にその後の活躍からだけではなく、リード・プレイの先駆者だったからかも。時代はサイケデリアからニュー・ロックの時代だから変化は当たり前と言えば当たり前であったが、南部はスクエアな土地柄ゆえに遅れていただけだろうが…。新たな時代の一石を投じたデュアンか。
デュアンがアワーグラスとして最後の、起死回生セッションをフェイムで録ったのが68年秋。そこでバリバリにブルースを弾きまくったが、それを見たリック・ホールがスカウトしてセッション仕事開始だろう。その音源はボツになりバンドは解散だったのだから。そのアワーグラスの「ベーシスト」として参加していた我らがピート・カー。ピートがマッスルに戻るのは71年のこと。解散後、アワーグラスの同士=ポール・ホーンズビィ&ジョニー・サンドリンと行動を共にする、メイコン・リズム・セクションとして。四人衆はリック・ホールから独立してマッスル・サウンドを開始するが、不足のリード・ギタリストにはデュアンとエディ・ヒントンを起用。デュアンがオールマンズ活動へ本腰を入れだしたからだろう、メイコンからのピート・カーが席を替わる。

CD収録で要チェックな曲は以下:(スタジオ/録音月)
01 : Don Covay & The Goodtimers / I stole some love (Fame, Sep. 68)
13 : Mighty Sam / I've got enough heartache (Muscle Sound, Nov. 69)
14 : J. P. Robinson / Don't take my sunshine (Muscle Sound, Mar. 71)
18 : The Lovelles / Pretending Dear (Fame, Dec. 68)
22 : Lorraine Johnson / If you want me to be more of a woman,
  you've got to be more of a man (Sound of Birmingham Feb. 73)
23 : Peggy Scott / One night is all I need (Muscle Sound, Aug. 70)
24 : Peggy Scott & Jo Jo Benson / I can't say no to you (Sound of Birmingham, Aug. 71)

まずデュアン物。01と18でリードギターを。バックは四人衆ではない。ライナーではバックを「フェイム・ギャング」としていて、それは元々インペリアル・セヴンという4人バンドがナッシュヴィルからマッスルへ来てフェイムの専属バンドになったという(四人衆はフェイム・ギャングとは別扱いしているが…)。リズム隊は Jesse Boyce : bass & Freeman Brown : drums 。
13マイティ・サムというシンガー盤、69年だからマッスル・サウンドとしては最初期録音。リードはヒントン。23ペギー・スコット盤も同様。14盤は71年ということでリードがピート・カーに。ピートとしては彼の地での最初に近い録音か。
そのピートが、マッスル・サウンド以外での参加がバーミンガムのスタジオでの22と24のシングル盤。

デュアンが「らしい」ギターを弾いている以外はいまひと良さが分からない当方。が、23は特筆に値す。リズム隊=フッド/ホーキンスが良い、とくにホーキンスのドラムが「ロック的に」素晴らしい。あらためて思うのだ_当方のマッスル追求は、ピートのリード・プレイとホーキンスのドラムが目当てであったんだな、と。マッスル四人衆の独立は、マッスルの地で「ロックンロール・スタジオ」を作ることであったことを再認識。実際にその通りに…名だたるロック・ジャイアンツがこぞって、FAMEではなく<}ッスル・サウンド詣でを繰り返すことになる。



posted by denny-0980 at 12:15| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月11日

マッスル・シングル_参考盤


ちょいとトホホなCD2枚、アマ・マケプでUS業者から買い。バリー・ゴールドバーグ盤とヤングブラッズ盤。

バリー・ゴールドバーグ。目立たないキーボーディスト、渋い裏方。アル・クーパーがらみで『super session』、ブルームフィールドと組んでエレクトリック・フラッグ…それとて大きな話題でなく。しかし当方的にはマッスル録音のソロ盤があり、それ以上に重要なのはジェリー・ゴフィンと共作した二大名曲_ "It's not the spotlight" "I've got to use my imagination" 、作者であったこと。

ネットを見ていてバリーのあるソロ盤の参加クレジットに驚かされた。ギターが5人_マイケル・ブルームフィールド/デュアン・オールマン/ハーヴィ・マンデル/ダニー・ウィッテン/エディ・ヒントン。個人的にはビッグネーム、これだけ集合ってマジ? それが71年盤『blasts from my past』。それの、ほぼ倍のボリュームになった extended version CD が出ていた。これは見過ごす手はない、勇んで購入した次第。


barry_CD.jpg


2週間待って届いたら、CD-R/ジャケはカラーコピー、音は盤からダイレクトでノイズあり最悪…。半泣きで聴いたらかなりごちゃごちゃした音像、しかし光る曲がなくもない…ギリで許すかという感じ。
ごちゃごちゃの背景を知りたくてdiscogsやらいろいろネチってみたら_。
英語分からぬ悲しさ、まずタイトルが「過去作からのしょぼいモノ」だった。71年時点で、新作ではなくて過去リリース盤からのコンパイル盤。「ベスト・オブ〜」と銘打てる位置でないことを重々承知してのタイトルだったんだろう。
66年『barry goldberg blues band / blowing my mind』
68年『barry goldberg reunion / there's no hole in my soul』
69年『barry goldberg / two jews blues』
から寄せ集めた11曲。CDはそれにレア・シングルや出所不明曲含めての10曲プラスの21曲盤。

74年のソロ『barry goldberg』はボブ・ディラン/ジェリー・ウェクスラーがプロデュースした、マッスル録音でも秀逸な1枚で知られる。しかしその前からこの人はマッスルへ「来ていた」。69年盤は、半分がロスで半分はマッスルのクィンビー・スタジオ録音だった。ゆえに、デュアン・オールマンやらエディ・ヒントンらマッスル勢の名があったのだ。68年盤に1曲のみダニー・ウィッテン曲が。そこでのワウワウ利かせたギターがウィッテン…ということかもしれない。

ハーヴィ・マンデルはすべての盤で弾いている。バリーとは同時期デビューの盟友、「シカゴ・ブルーズ・サーキット」で同じ釜の飯を食った仲か。シカゴにチャーリー・マッセルホワイトというハーピストがいて、どうやらこの人が「60年代なかばのジョン・メイオール」のような存在であった様子。マッセルホワイトのバックにマンデル/バリーが加わり、おのおののソロ作では交互に参加しあっている。
シカゴのその「サーキット」にはブルームフィールド、エルヴィン・ビショップ、スティーヴ・ミラー、ボズ・スキャッグズらもいたのでは。
で、CD収録で一番古いレア曲は65年の "the mother song" _これは The Goldberg - Miller Blues Band 名義で出した唯一シングルだった。スティーヴ・ミラーとの双頭バンドがゴールドバーグのプロデビューだろう。
バリー盤のほぼすべてでドラムを叩くのは "Fast" Eddie Hoh 。イリノイの生まれとあるからこの人もシカゴ・サーキットにいたのだろう。ホー、『super session』のドラマーであり西海岸へ移って?_Modern Folk Quartet へ。チップ・ダグラスとの絡みからだろう、モンキーズ・セッションでもかなり叩いていた。
CDでのブルームフィールドがギターを弾く曲はすべて『super session』まま。その続きを聴かされているかのよう。長尺のブルース・セッションでハモンド/ギター/ドラムが同じメンツだから…。

+++++

74年にマッスル録音ソロ、その前73年のやはりマッスル録音による傑作は『Gerry Goffin / it ain't exactly entertainment』。作詞家ゴフィンが組んだ作曲者がゴールドバーグ、2枚組LPで(1曲を除いて)全曲の共作者となっている。プロデューサーのひとりでもあった。
69年に既にマッスルで録音をしていたゴールドバーグだが、72年に出した1枚のシングルもまたマッスル録音であったとは_。
Barry Goldberg featuring Clydie King
"mockingbird / jackson highway" Reprise REP-1120

ブラックベリーズとしても知られるセッション・シンガーとのシングル。A面は後にジェイムス・テイラー/カーリー・サイモンが結婚時に仲睦まじくデュエットしてヒットさせた曲でもあった。こちらはUTにあるが聴きたいB面がないのが残念。「ジャクソン・ハイウェイ」とはずばりでマッスルを歌った曲。ネットでレーベルフォトを見ると両面とも Recorded at Muscle Shoals Sound, Muscle Shoals, Ala. Produced by Russ Titelman & Gerry Goffin とある。で、上記ゴフィンのマッスルLPには "The last cha cha on jackson highway" という曲があり、作者クレジットは Goffin - Goldberg - Titelman 。アルバムの1年前のシングル "jackson highway" とこれは同じ曲だろうか、否か。

barry_jacksonHwy.jpg 


++++

蛇足だが:ハーヴィ・マンデルは回復〜元気になっただろうか。ガンで闘病…経済的に苦しいとのことで雄志がエイド・サイトを立ち上げていた。ストーンズ盤でも弾いた名ギタリスト。欧米では医療費が半端なく高額らしく、知られたミュージシャンでも病魔に冒され苦境にいるとよく耳にする。当方、ハーヴィは大の贔屓ギタリストゆえ、少額だがサイト経由で donation したのが4年位前のこと…。


posted by denny-0980 at 15:34| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月26日

全員集合!


"3614 JACKSON HIGHWAY"_初代の、69年から10年間運営され二代目スタジオへ移転したが、時が経っても解体されることなく残っていたから90年代末からスタジオとして使用再開し、いまは歴史記念館的扱いになったのかな、Muscle Shoals Sound Studios 。まあ「マッスルの聖地」でしょ。一度は巡礼したいものだが…。
しつこだがここ、正確には「マッスルじゃない」。アラバマ州コルバート郡で、郡内は4地区に分かれていたか、ひとつが Muscle Shoals だがこのスタジオの場所は Sheffield 地区。3614 Jackson Hwy, Sheffield, Alabama が正確な住所。



Google ChromeScreenSnapz002.jpg

最初期録音盤『Cher / 3614 Jackson Highway』のジャケ撮り以来、セッションはもちろん、普段からお約束となったのが「スタジオをバックに集合写真」。
過去何枚も入れたがこれを新たに。「Carol Buckins 29歳誕生日記念」だそうな。車の上に乗っているキャロル…名前からして、マッスル・ライター/プロデューサーにしてソロ作もある Micky Buckins の、妻か妹か? ハウス・エンジニアのメルトンがハッキリ映っている。Diane Butler 女史はほかの写真でも入っていたからスタッフのひとりか。右のふたりは分からない。

この「スタジオ前」写真の時系列をハッキリ示すのは、スタジオの窓。向かって左窓に貼られた「3614」の数字が、再開後ははがされて何もない。あれば最盛期、79年より前の撮影ということ。ちなみに大きな目印のアドレス看板"3614 JACKSON HIGHWAY"も、再開後に架かるのは別物で、文字に平体がかかっている(少し平たい)。玄関ドアも最近は白く塗られたか替えられたか、変わった。


+++++++


download.jpg

キャット・スティーヴンス・セッション風景。唯一の(一部)マッスル録音盤、77年『IZITSO』のとき。
ギルドを弾きながら歌うキャット、リードギターはピート・カー(ギターは76年のソロ作に写っている Gibson "custom L-5" だろう)、奥にテレキャスターを弾くジミー・ジョンソン。ピアノはベケットではないな、キャットが連れてきたUKメンバーか。


posted by denny-0980 at 09:58| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月18日

ペニングトン盤

ライ盤ネタでダン・ペンが出てきたのでCD 棚から出して久しぶりに聴いた、97年のセカンド『do right man』。やはり最高だね、これ。(まあダン・ペンに四の五の言うアメリカロック好きはひとりもいるわきゃないが_南部音楽の神存在なのだ。それにしてもこれだけの曲を書けて、その上この声!)
クレジットを見れば全曲がマッスル録音ではないか。出た時にすぐ買って、以来20年! なんで今日まで気づかなかったかなぁ〜と自分に呆れてしまった。よし、書き入れようと注意深く再度聴く…。
で、いざ書こうとして…もしやと思って過去をチェックす。あいや〜、58枚目で入れていたワ。忘れてた自分に再度呆れる…。ボケか痴呆か。

ベストテイクは "it tears me up" 。やはりこのギターもレジー・ヤングなんだろう。この人はセッションプレイヤーのなかでは珍しくガンガン出るタイプ_でかい音で際立ったフレーズをガツンとかましてからスタジオを出る人だった…。が、この曲での極渋なオブリガートは歌伴ギタリストのお手本のよう。
この名盤、CDなのが悲しい。ジャケ等使われている写真のなかでギター…その弦が細いので「ジャギー」が出ているのはデジタル写真だから。ダン・ペンにデジタルは似合わない。つくづくアナログ盤仕様で聴きたかったと感じる。

蛇足ながら表3写真だけ、ここに入れよう_
(残る4人は、分からない:肩組んでるヒゲは george drakoulias だろうな)


だんぺん.jpg



posted by denny-0980 at 16:31| Comment(2) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月14日

マッスル参考盤_ライ3枚目

boomersLP.jpg


六角精児のBS旅番組内でバックにライ・クーダー数曲を、自身好きな曲として使っていた。なかで "dark end of the street" も。
あれだけ好きだったライも久しく聴いてないなと思い、収録盤『boomer's story』を取り出す。

内容は文句ない。しかしこの盤、曲名すらも分からない。クレジット/インナーシートなど一切無いのが難。と感じて今日まで40数年経ったわけだが…ふと思う、そんな事あるか?
で、ネチってみたらば_あるじゃん! 当方手持ち盤と違い、ちゃんと内袋にパーソネルと歌詞が刷り込まれているのが普通(?)。
出たのが72年か。数年後としても75年までにはUS盤「新品/シールド」で入手したはず。その手持ち盤の内袋は「ワーナー統一デザイン」/片面は2枚組廉価コンピ販売告知。
いや参ったが…しかしこういう事はいい加減なUS盤ならあること。入れ込み内袋が届かなかったから在庫の物を工場でパックしてしまったんだろう。

でもって…いまになって知ったクレジット。なんとこれもマッスル盤だったとは。録音スタジオ、バーバンクのアミーゴ/メンフィスのアーデントと、テネシー州コリァヴィル…これは地名だな、スリーピー・ジョン・エステスが住んでいた街だろう。出張れないスリーピーの声が欲しくて誰かがテープを録りに行った様子。それとマッスル・サウンド。
ダン・ペンとホーキンスがマッスル組から。プロデューサーでもあるディッキンソンとトミー・マクルアはお隣のクライテリア組だから、フロリダからの出張りだろう。
エンジニアのひとりとしてジェリー・マスターズの名がある。マッスル・スタジオのハウス・エンジニア・コンビ、マスターズ/メルトンだが、ミドル・ネームの Lee まで入った表記は初めて見る。




posted by denny-0980 at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月07日

メイコン・リズム・セクション盤

doris_LP.JPG


#166
【Doris Duke / I'm a loser】
arranged, produced by Jerry Williams, Jr.
( '70 Canyon)
<C:★★★>
注:ABCランクは「ピート・カーの活躍度」/
星は、最高五つ星の「アルバムの出来」評価


US Canyon からがオリジナルで、UKでは Contempo レーベル。今回入手はUK版権の日本テイチク盤、77年発売のようだ。プロデュースは、パフォーマー・ネームを Swamp Dogg としてアルバム多数の御仁、その本名がジェリー・ウィリアムス。
過去に3〜4枚紹介しているスワンプ・ドッグ盤。この人も南部人でマッスル界隈始め、南部のスタジオをベースにしていた。で、われらがピート・カーはこのスワンプ・ドッグ・セッションのレギュラーギタリスト…この盤でも当然弾いている。
piano : Jerry Williams, Jr.
piano, organ : Paul "Berry" Hornsby
guitar : Jesse "Beaver" Carr
bass : Robert "Pop" Popwell
drums : Johnny "Duck" Sandlin

前にさかのぼってほしいが、この4人面子が Macon Rhythm Section であったことは記している。後にオールマンズ/マーシャル・タッカー/エルヴィン・ビショップらの盤のプロデュースを手がけた、Capricorn レーベルの二枚看板裏方のホーンズビィ&サンドリンがまだプレイヤーであったぎりぎりの時、70年。オールマン兄弟とともに The Hourglass としてロスで活動したホーンズビィ、サンドリン、カーの3人が地元へ戻って、立ち上がったばかりのカプリコーン・レーベルのリズム隊として数枚のアルバムを録音した(ほかにはリヴィングストン・テイラー、グロリア・リン、ジョニー・ジェンキンスなど)、その1枚。録音はもちろんメイコン/ジョージアのカプリコーン・スタジオ。
マッスルでなくメイコン録音だがピート・カー(ここでは本名のジェシ)参加として知っていた盤、しかし常に高値だった。今回安めの国内盤が見つかったのでやっとのことで買いましたワ。

まずピートのギター。この時期は fender_esquire だったかな、まだまだ硬い音だが、まあブラック盤マナー的オブリガートとして悪くはない程度。リード・パートは一切なし。しかしA−4のみリードが弾かれる、その音色が違っていて…変に思ってよくよくクレジットを見れば special thanks にDuane Allman の文字が。自身のセッション日と勘違いしてスタジオへ来ちまったデュアンか? 「一曲ぐらい弾かせろよぅ〜」だったかも。デュアン・コレクターはこの盤に気づいているだろうか。ここで、グレッグを除く4人で Hourglass が再集合していることになるな。蛇足だが、同様のことがやはりスワンプ・ドッグ・プロデュース盤『Irma Thomas / in between tears』_1曲だけデュアンが弾いていた。
この盤の問題はドラムだ。名手ロジャー・ホーキンスと比べるのは酷というもんだがあまりに拙いサンドリン。早々に演奏に見切りをつけて(?)裏方へまわったのは正解というもの。

内容は、ブラック盤の定番ともいえる「不倫」テーマで、不倫相手の男に妻の元へ戻られた愛人の悲しみだろうか。日本盤ライナーが前盤と同じ氏_ブラック評論の大御所とされていた人だが、こういう人に仕事ふっておけば文句ないっしょというレコ会社の安直さはどうだろう。たぶん歌詞分かってないな。自分はこの曲が好きだ/これは魅力に欠ける…これまたお茶濁し文章とは。 全編が不倫コンセプトで統一できているのは、スワンプ・ドッグの完全仕切りだから。全12曲で、2曲は george jackson / mickey buckins のマッスル・ライター作。残り10曲がドッグのペン、曲がしっかり書ける人なのだ。うち7曲が gary bonds と共作とある。ネチったらやはりこの人は「2時45分」"quarter to three" のヒットを持つゲイリーUSボンズだった。南部の人でソングライトの才も、ドッグとは他にもかなり共作があるようだ。
ゴスペル・クワィア出身のドリス・デューク。それらしい声量と「圧」はあるにしろ、ドッグのメロディは弱すぎる。平均点を超える出来のアルバムではない。(あくまでエロディ志向の当方個人趣味ゆえ、四四七二。ブラック好きにはそれなりに評価されてんじゃないのかな)




posted by denny-0980 at 11:08| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月06日

贔屓筋シャピロ

#165
【Millie Jackson / a moment's pleasure】
produced by Brad Shapiro & Millie Jackson
( '79 Spring)
<ー:★★>

Muscle Shoals Sound Studios を一番贔屓にした/利用した人物といえば…贔屓は当たらないか、なにしろ当事者である、ジェリー・ウェクスラー。マッスル四人衆にスタジオ開設の資金援助までした人物。当方の読みは、Fame のリック・ホールと折り合い悪くなったウェクスラーがベケット/ジョンソンらをけしかけた結果の新スタジオ…と思っている。プロデューサーとして何枚ものアルバムをこの場所で録ったウェクスが、マッスルいの一番。
パフォーマーとしては、過去には「ボビー・ウォマックが一番の贔屓筋だった」と書いた。しかしこのミリー・ジャクソンも多い…ウォマックより多いかもしれない。それほどに多いのはひとえに後ろ盾のブラッド・シャピロがいたから。シャピロ、もともとマイアミがベースの人なんだが、ウェクスに負けず劣らず録音にはつねにマッスル・スタジオを使ったプロデューサー。Spring / Kayvette レーベルがらみの大半、Facts of Life, Brandye から ex-FREE のアンディ・フレイザー盤まで。

この79年盤、スタジオ表記は Muscle Studio/Alabama, Sound Suite/Michigan, Sound Shop/Nashville, Sterling Sound/NY _なので日本盤ライナーには「録音は四カ所」と。分かってない…。まずNYの Sterling Sound といえば知られたマスタリング・ラボ、ゆえにここではマスタリングのみ。ナッシュヴィルは Spring レーベル・オーナーの Ernie Winfrey の持ちスタジオでここはミックスだけのはず。弦とホーンのアレンジがデトロイトの人、David Van De Pitte とあるからミシガンでは弦・ホーン録り。なので、全曲のベーシック録音はマッスルサウンド1カ所で行われた盤。それは、Rhythm arranged by Shapiro, Jackson and the Muscle Shoals Sound Band Section の表記でも知れる。演奏メンバー記載は全員マッスル・メンバーの以下8人のみ:Hawkins / Hood / Johnson / Beckett / Larry Byrom / Randy McCormick / Tom Roady / Clayton Ivy 。まあマッスル深追いを続けているから分かること。とはいえ、日本盤のライナーは、依頼仕事を適当にお茶濁しというのが知れる薄っぺらな内容(「マッスル・ショールズ」の文字がまったくなかったり…)。

その内容と来て…いつものエロとエグさは抑えめのミリー姐御。スロー・ナンバーに若干「聴ける」箇所がないではないが、全体はメロディに冴えのない「ディスコ」、時代的にかなりディスコに色目。ホーキンスのドラムからしてバスドラべた打ち、リンドラム使用なのだからいやになる。フッドもチョッパーを入れる。ラリー・バイロムがリード・ギターだが、元ステッペンウルフという経歴のマッスル・ギタリストも器用にディスコ倣い。スタジオ・ミュージシャンだから依頼によって何でもアリが当然とはいえ、こうまですんなりこなされると器用ゆえに逆に悲しい感あり_なにしろ南部の一番星、マッスル・ショールズ・リズム・セクションなのだから。
タイトル・トラックはマッスル・ライター George Jackson 作で、"i've got use my imagination" を思わせる_唯一サザンな楽曲。前年のエグザイルの全米1位 "kiss you all over" のカヴァーも収録(作はチャップマン=チン)で、これが一番メロディとしては光るのだから不出来な盤といえるだろう。

69年の開始からこの盤は10年目。ここらが「マッスルの終わりの始まり」だろう。つまりは、栄光のマッスル・スタジオはまるまる70年代、ワン・ディケイドでお役御免だったことになる。


posted by denny-0980 at 06:22| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月23日

マッスル参考盤_ wilson pickett


224508.jpg

#000
【the best of Wilson Pickett】
( '74 Japan Atlantic)


過去この人の盤はRCA時代の2枚とりあげた。74年盤『pickett in the pocket』はなかなかの盤だったが、基本的には苦手な部類_シャウター、それも絶叫付きとなると…。なので、調べればあと3枚のマッスル関連盤があるが、この盤をレビューして仕舞いとしよう。

これは日本独自編集・制作のベストLP。「ダンス天国」「in the midnight hour」「mustang sally」「funky broadway」などを当然含む全12曲、すべてatlanticでの楽曲盤だが選曲はけっこう良い。が、カッティングレベルが低く音が悪い、売りのシャウトがかなり中途半端な音圧。
RCA期よりも当然ピケットのベストはこのアトランティック時代。NY録音から始まってウェクスラーがマッスルへ〜 Fame 録音ありはもちろん知っていたがこのベスト収録のライナーをみると驚くほど幅広く各地で録っていた事実、知らなかった。
メンフィスの Stax Studio, American Studio /マッスルの Fame, Muscle Shoals Sound Studios /マイアミ Criteria /フィリー Sigma Studio 、それとNYで、全12曲が都合7スタジオ録音でのコンピレーション。もともと生まれがアラバマ。南部は地元ということか。
紹介したRCA期2枚はプロデュースがマッスル大贔屓プロデューサーのブラッド・シャピロだったから当然マッスル録音だったが、じつはアトランティック時代にもシャピロ仕切りのマッスル盤があった_71年『don't knock my love』。ジミー・ジョンソンは卓に回って、リズム隊はホーキンス/フッド/ベケット+ティッピー・アームストロング、ホーンはメンフィス・ホーンズと面子はいい。しかし、ここにエディ・ブラウン/デニス・コフィ/ジャック・アシュフォード…なぜかモータウン・バックのデトロイト勢が加わっている。このベスト盤収録は1曲のみだがそれを聴くに、コフィのギターからしてあきらかにモータウン・サイケ・ソウル=テンプスの曲もどきなのだ。UTで他の数曲もあるので聴いてみたがやはりマッスルの音というよりもデトロイト勢がリードしている、ノーザンな音作りでマッスルらしさはなかった。

クライテリア録音も1曲収録_アーチーズ・カヴァー "sugar sugar" 。バブルガム・ヒットだがこういう幼稚な曲を黒くカヴァーというのはよくあったこと。で、ここでも出来はなかなか。これが意外なバックトラックだった。ジョンソン/ホーキンス/フッド/ベケットでリード・ギターはエディ・ヒントン。ばっちりなマッスル・リズム隊なのに、スタジオがマッスルではなくてクライテリア。まあ四人衆の出張りセッションは無かったことじゃないけれど、全員揃って出張るとは珍しい。ほかにはアリーサ&ローラ・ニーロの録音のためにNYへ赴いたぐらいだったはず。ネチると収録盤は70年『right on』で、1曲のみ Fame /残りはすべてクライテリア録音、その半分がマッスル隊バック、半分は地元リズム隊。
最後はシグマ録音。曲、プロデュースともにギャンブル&ハフ。これもネチると『 in Philadelphia』という盤があって全曲シグマ録音らしい。しかしシグマ=フィリー・ソウルのソフィスティケイトと対極のピケット・ヴォイスはお世辞にもハマった感無し…。これは違う。

posted by denny-0980 at 13:40| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月20日

Jackie Moore part 2


IMG_0136.jpg


#164
【Jackie Moore / make me feel like a woman】
produced by Brad Shapiro
( '75 Kayvette)
<B:★★★>



さて音のほうだが…。一聴ではその声が、ミリー・ジャクソンほどのアクはなくとも声質は似ている、グラディス・ナイトっぽくもある、それで苦手な歌い上げタイプだったので、こりゃハズれか…と感じてしばらく置いておいた。が、時間をおいて二度三度と聴きかえすにじわじわ来ますワ_悪くないよ。もうちょっとメロディが良ければとも感じるが、平均点以上の出来。
アップ、ミディアム、スローあり。スロー曲では若干アーシーに南部滋味もあるが基本的には典型的なマイアミ・サウンド。跳ね≠フリズム。
バックメンツは見事なまでの「マッスル仕様」。全曲がマッスルサウンド録音で四人衆(ベケット/フッド/ホーキンス/ジョンソン)にサブのピート・カー gtr/ジェリー・マスターズ bass/トム・ローディper.でリズム隊。ラッパはマッスル・ホーンズ四人衆(キャロウェイ/トンプソン/イーズ/ローズ)、コーラスがローズ+チャーマーズ+ローズの三人。エンジニアがメルトン&マスターズ。そして、弦はフロリダへ移って、おなじみクライテリア・サウンドにてマイク・ルイスのスコアをマック・エマーマンがエンジニアとくれば、これほど完璧なメンツ揃いは珍しいくらい。
しかしここで疑問、マイアミ・サウンドなのだからわざわざアラバマへ来なくとも地元録音でいいのでは? いやいや、たとえばクライテリアには Dixie Flyers というハウスバンドがあったが彼らには跳ね≠ェ出せなかったね、きっと。それほどに、マッスル四人衆(+ピート)は上手いんだ、どんな音楽にも適応性抜群。じつにヴァーサタイルなリズム隊であったことよ。
とくにピート・カーはもともとフロリダから来てるしね、あっちでスタジオ仕事を始めたからマイアミ・サウンドもお手の物。この盤でのギター・パート、全体でジミー・ジョンソンが弾いているのは1割だろう。残り9割はピートのはず。1曲につき最低でも3本のギターはひとりでダビングしていると思う。前に書いたように、ジョンソンはギターを弾くよりも卓をいじりたがった人だが、ピートも卓をいじれる人_ジョンソンと違ってギターも弾くし卓もいじるタイプ。つまりエンジニアリングに長けていたから、ギターの重ね(dubbing)をヘッドアレンジできたんだな。(ロッド・スチュワートの "sailing" ではエレキ4本とアコギ3本をピートはひとりで弾いた) この盤での見事なポップコーン=Qマイアミ・サウンド特有のギター・フレーズ、を聴いて強く確信したのは、72年の大ヒット=ベティ・ライト "clean up woman" でのポップコーンはやはりピート・カーということ。世間ではウィリー "little beaver" ヘイルと認識されているが…。

マッスル系ライターであるフィリップ・ミッチェルの曲もあるが、マイアミのクラレンス・リード作2曲、シャピロも2曲書いている、曲もマイアミ寄り。とくにリードの曲はさすがで出来がいい(タイトル曲も)。
しかし前述どおりに、CD-Rで音は最悪。まったくヘンリー・ストーンたる者がなにをしているやら…。



posted by denny-0980 at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月19日

Jackie Moore part 1


さしたるレスポンスもないままにずるずると続けている「マッスルショールズ探求」なんだが、すでに峠は越えている_それでもまだ手を付けていない盤が14、5枚ほどリストアップはしている。そんななかの1枚が日本でCD化されたことに気づいた。ジャッキー・ムーア盤。今年の初めにSOLIDからマイアミ・サウンドのシリーズ物として出ていた。
それを買おうかとネチってみるに、USでは既CD化されていた_ヘンリー・ストーンのところから。アマゾンのマケプ中古の最安値が¥1000(+350)…内容にほとんど期待は無いからこれでいいや、と…決めかけてよくよく見れば、日本の業者なんだがそのコメントに「輸入盤/未開封ですが、henrystoneものですのでおそらくCD-Rだと思います」とあった。ヘンリー・ストーンの正規盤で「アール」ってどういうこっちゃ? 逆に興味がわいたので買ってみた。
届くとこれ、ちゃんとシールドされている。ますます疑問がわいたのでネチってみたら、これは2011年盤だが、diskunion のサイトにもあった_「アーティスト及びレーベルサイドの事情でCD-Rでの流通になっています」。なんだよ、事情って??
なかをみたら、なるほどCD-Rでした。ジャケはペラ刷りのカラーコピー。その音も、板起こしでノイズ・リダクションまったく手つかず…、いや驚くね。こんな代物なのに、インレイクレジットに " production supervisor : joe stone / executive producers : henry stone & inez stone " とある。家族でしこしこアール焼きとカラーコピーしてます_てなことか?
ヘンリー・ストーンといえば、KCと組んでマイアミ・サウンドで大ブレーク…フロリダ音楽界の顔役のひとりだってのに、なんだってこんなブートレガーまがいのチープな仕事をやっているのだろうか。信じがたい。
しかし今回のソリッドからのCDも想像するに、マスターテープからでないのでは。このオリジナルは Kayvette という超マイナーで短期間しか運営されなかったレーベルから。マスターが残っているとはどうも思えないんだが…。手元のヘンリー・ストーン物の酷さに比すればまあ日本レーベルならばたとえ板からでもノイズ消しはきっちりやっているだろうけど。

さてタイトルを書き忘れていた。
『Jackie Moore / make me feel like a woman』
これ、Kayvette Records のファースト・リリース・アルバム。

'75 KLP-801 Jackie Moore / make me feel like a woman 
'77 KLP-802 Facts of Life / sometimes
'78 KLP-803 The Facts of Life / a matter of fact
'78 KLP-804 Brandye / crossover to brandye

ケイヴェットからはこの4枚しかアルバムは出ていない。ファクツ・オブ・ライフの2枚に関しては既に当方サイトでレビュー済み。
このレーベルは Brad Shapiro が興したものと思う。ミリー・ジャクソンのプロデューサーとしてが最も知られるところだが、ほかにも仕事多数。まあ当方もよくは知らないンだが…それでもマッスル掘りのなかにたびたび出てくるのでいくらかは調べた。白人で、もともとはスティーヴ・アレイモのドゥーワップ・グループのメンバーであったらしいシャピロ。その後ふたりとも裏方に回り、フロリダ音楽業界で名を上げてゆく。グループの裏方を務めていたヘンリー・ストーンのほうは一足遅れだったが、ケイシーと組むことでふたり以上に大きな成功を収める。大きく見ればアレイモ/シャピロ/ストーン…フロリダではかなり知られた顔役であるはず。(オールマン・ブラザーズの名曲のひとつ「メリッサ」が、グレッグとアレイモの共作であること、オールマン通ならば知るはず。後にサザンロックとして名を成す若手が彼らの下で修行をした)

++++

マッスルショールズと言って、ストーンズ/ロッド/ディラン/ポール・サイモン/トラフィックなどロック巨星らの名がまず挙がるところだが、実際は彼らは短期滞在…この名スタジオを長く贔屓にしたといえるのはブラック勢のほう。一番はボビー・ウォマックであり、ルーサー・イングラムやジョニー・テイラー等々。そしてプロデューサーで贔屓筋といえばドンデとシャピロ。まずドンデ…と勝手に呼んでいるのが Don Davis 。シカゴがベースの、ブラック系アーティストの裏方ワークで手腕を発揮した人。かなりの枚数をマッスル録音(ただし基本はマッスル/シカゴの2箇所録り。大抵の盤はこうだった)。そしてこのブラッド・シャピロ…。手がけたパフォーマーはブラックばかりだったので絶対に本人も黒人と思っていたら…違っていたので驚いた。ミリー・ジャクソンのマッスル録音は10枚近いはず。で、上記の、自身で興したレーベル盤も、すべてマッスル録音であった…、録りはマッスル!と決めていたかのよう。



posted by denny-0980 at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月22日

monster guitarist


久々にマッスルネタをひとつ入れておこう。それにしても、「マッスル? いいよねぇ…」というロックファンでもナンノコッチャ?_極小ネタだが。マッスル・ギタリストのこと。当方いち押しのピート・カーですら「マッスル好きUSロック・フリーク」にあまり通じないというのに、よりコアな名前のラリー・バイロム。
『マッスルショールズのギタリスト』の問いに対する普通の答えは? ジミー・ジョンソンとくればひとまず合格か。エディ・ヒントン? デュアン・オールマンも多そうだな。他にもいるんですわ。ティッピー・アームストロング/ウェイン・パーキンス/ピート…そしてこのラリー・バイロム。

マッスルセッション盤参加ではピートに次いで多かった名前のバイロム。ヒントンよりも枚数はあるんだが、いかんせんいわゆる「マッスル盤」話題になる初期_69〜73年頃にヒントンは集中しているので知られるが、バイロムはその後…カントリーやポピュラー色の濃い、日本で話題にならない盤が多いというマイナス面が。

そのインタビューを見つけた。
http://steppenwolf.com/p-4261-qa-w-guitarists.html

この人、あのステッペンウルフの2代目ギタリストとして3枚に参加という意外な経歴。もともと生まれがアラバマということでLAでの活動から戻ってセッションワークへ。可もなく不可もなし、手堅いプレイという印象のギタリスト。

steppenwolf_monster
ギターうんぬんでなくアルバムとしてなかなかの好盤



追記:
最近マッスル盤もあまり聴いてないもんでね…、間違えてしもた。な〜んか誰か忘れてる気がしてならなかったが思い出した、ピートについでクレジットが多かったギタリストはバイロムじゃなかった、ケン・ベルのほう。Ken Bell (Kenny Bell / Kenneth Bell ...)



posted by denny-0980 at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月08日

ばっちりマッスル盤


jose_muscleA.jpg


#163
Jose Feliciano/Sweet Soul Music
produced by Jerry Wexler and Barry Beckett
( '76 Private Stock)
<A:★★★>



ホセ・フェリシアーノにマッスル盤があったとは…と知ってネットで購入。都内で探してもそうは出てこないだろう盤。あれば¥5〜600と思うがもしも渋谷で見つけたとすると往復運賃入れれば2000円越え。それが eBay からで、米国の田舎から送ってもらっても¥1675で済んだ、便利な時代。

A-1: i love making love to you
-2: every woman
-3: the hungry years
-4: marguerita
-5: loveing her with easier
B-1: sweet soul music
-2: love comes from unexpected places
-3: that woman
-4: the air that i breathe
-5: funny / night life

A2のデイヴ・メイスン、B4がホリーズのカヴァーで大ヒット(オリジナルはアルバート・ハモンド)した曲、この2曲がまあ知られるところか。しかし他も興味深いカヴァーが並ぶ。A3は70年代のニール・セダカの傑作。A5:クリス・クリストファーソン&B3:ドニー・フリッツ楽曲と、南部滋味もありき。B2は、この盤にもコーラス参加しているキム・カーンズのマッスル録音アルバムからの曲であり、アルバムタイトルにしたB1はエレクトリック・フラッグ盤収録から_どちらの盤もウェクスラーがプロデュースだった、ウェクスの提案した曲だろう。ラストはウィリー・ネルソン楽曲。

過去に、エディー・ヒントン/ボニー・ブラムレット盤など、当方大のひいきのデザイナー、ジョン・コッシュ作にしてマッスル録音盤はあったがこのフェリシアーノ盤もまさにドンピシャなコッシュ=マッスル盤であったことにまず驚く。
それと、マッスル=ピート・カー関連盤をこれまで15年以上に渡ってコレクトしてきて、残りもまだ20枚ほどチェックしている盤あれど、このフェリシアーノ盤は最後ではないかと思えるぐらいの「パーフェクトなマッスル盤」である。そのバック陣容が。
ウェクス/ベケット・プロデュースによる、全曲が Muscle Shoals Sound Studios 録音であること。演奏はマッスル四人衆+ピート・カー+perc. トム・ローディ、のみ。ホーンがマッスル・ホーンズ四人衆。弦の被せが、マイク・ルイスのアレンジでクライテリア録音であること。それとこれ重要_エンジニアがジェリー・マスターズ&スティーヴ・メルトンのコンビ。

デザインから録音仕様まで、当方の望むところにがっちり合致する最良盤ということだ。76年ということでピートの「弾き」もけっこういい。これで2〜3の曲の不出来…というよりここにはハマらない感なんだが、別曲であったら文句なかった。とくにラストがちょっと…。



+++++


jose_muscleB.jpg

デザイン的には… Kosh work としては、さほどよくないか。表よりも裏のほうが「らしく」、マシ。



posted by denny-0980 at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月17日

163枚目ならず、参考盤


buck wilkin1.jpg

#000
【John Buck Wilkin/in search of food, clothing, shelter & sex】
produced by Don Tweedy
( '70 Liberty)
<ー:★>


マッスル関連盤とネットで知り、ちょいと無理して入手してみたが…大ハズレ。
大半が自作だが駄作で、唯一聴けるのはカヴァー "me & bobby mcgee" だけなのだから話にならない。この人、ロニー&デイトナズのロニーなんだが、デイトナズは "little G.T.O." ヒットよりも "sandy" あたりのソフトロック系楽曲で人気が高い。ここらの作はウィルキンではなかったんだろうか。もうちょいマシな曲が書ける人かと思ったら…。

録音はマッスル/ロス/ナッシュヴィルの三箇所だった。一括クレジットなんで詳細不明だが、2曲のみプロデュース表記が違っていて john buck wilkin & john wyker とある。後者ジョン・ワイカーとはマッスル産でスマッシュヒットを放ったデュオ、Sailcat だったのでマッスル録音はこの2曲のみであろう。
マッスルでのスタジオは muscle shoals sound studios となっているがマッスル4人衆の名はなし(エンジニアにジミー・ジョンソンがあるだけ)。ミュージシャン・クレジットに見えるマッスル勢は john wyker, chuck leavell, court pickett, lou mullenix 。コート・ピケットは Sailcat の片割れ(残り二人も同盤参加だった)_セイルキャットによる仕切りだったと見るべきだろう。


buck wilkin2.jpg


裏ジャケで並べられた写真の左端、お約束のマッスル・スタジオ前での1枚。写る3人、右はジミー・ジョンソンだがふたりは…ワイカー&ピケット、セイルキャットだろうか。ふたりが "motorcycle mama" をヒットさせたのは72年。


buck 3.JPG


posted by denny-0980 at 08:24| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月04日

duck & bear


前ポスト続き、エディ・ヒントンがらみ話題_CDライナーに書かれていた意外なこと。60年代末に、エディはジョニー・サンドリンと組んでシングルを出していた事実。
"The Duck & The Bear / hand jive c/w goin' up to country"
side A は言わずと知れたジョニー・オーティス・クラシックだが、このシングルがメジャー Atlantic からであった。驚くね、UTにありましたワ。side B は、当方大好きな曲_早世したアル・ウィルソンが書いたキャンド・ヒート曲で、ここでは歌わずにインストですか。

https://www.youtube.com/watch?v=UCbhPEWkZdk
https://www.youtube.com/watch?v=vr2GNs7omnY

投稿を信じるならスライドがデュアンで、フッド/ベケット参加でメンフィス・ホーンズ。ふむふむ、面白い顔ぶれだ。
さてここで、ダック=サンドリン/ベア=ヒントン、なのだな。ジョニー・サンドリンはオールマンズのプロデューサーとして知られる事となった。サザンロック全盛時に、オーティスのマネージャだったフィル・ウォルデンが興したカプリコーン・レーベルで、実質的/音楽的にポール・ホーンズビィと双頭で仕切りを任された存在であった。しかし元々はふたりとも手練れミュージシャン。ふたりは、オールマン兄弟とピート・カーとで The Hour Glass として西海岸リバティ・レーベル所属で活動した。
フロリダはデイトナ育ちだったオールマン兄弟、そしてピート・カーもデイトナ出身。サンドリン/ホーンズビィもフロリダ育ち。サンドリンは、レナードスキナードと同郷のジャクソンヴィルだし、のちにクラシックス・フォーとなるメンツも皆この街だったらしい。前にも書いたが、フロリダ育ちの音楽野郎がジョージア、アラバマへと活動拠点を移していったんだな。さて戻り、ヒントンもジャクソンヴィルの生まれなんだね。デュアンや Cowboyのふたりも含め、ここらのメンバーがいかにフロリダ時代からの顔なじみであるか_マッスルショールズ、メイコンのカプリコーン・スタジオ、デュラヴィルのスタジオ・ワンと、この三つのスタジオの横繋がりはかなり深いモンがある。

http://www.electroacoustics.com/Rhythm%20Section.htm

ここを見てもらおう。当方意見としてはヒントンを凌ぐマッスル・スタジオ No.1 ギタリスト、ピート・カーが、マッスルへ来る前にはメイコン・リズム・セクションであったという事実。アワーグラス時代はオールマン兄弟がいるのでベースを持たされていたピートが本来のギター担当、ドラム/サンドリン、キーボード/ホーンズビィと、3人がアワーグラスからの流れ参加という次第。
ここで知れるのが、南部人のお約束?_渾名/通り名があるということ。
 "the duck" Sandlin
 "the beaver" Carr
 "pops" Popwell
 "the berry" Hornsby

で、ヒントンは… "the bear" Hinton だった事を今回知った。

メイコン・リズム・セクションは、メイコン仕事だけでなくもともとの地元フロリダ仕事もかなりこなしていた。たとえば、大ヒットとなったベティ・ライト "clean up woman" 収録盤だが、それも含めクラレンス・リードの仕切り盤にはその名がある。リードの大将が地元音楽界の顔役、スティーヴ・アレイモだから、アレイモとオールマン兄弟の関係などもふり返ればフロリダからのお座敷を断るわけにはいかなかっただろう。
フロリダ・ミュージシャンの名ギタリストとして知られるは、ソロ作もある Willie "little beaver" Hale 。ベティ・ライト盤ではヘイルとピート・カーともに参加だが、どちらかといえばピートの方が「リトル」じゃないか? かなり童顔なピートは本名の Jesse "beaver" Carr 名義になっている。
「 "clean up woman" のギターはリトル・ビーヴァー」とよく言われるがあの "pop-corn" guitar はピートなんだがなあ。それに、ヒントンCDライナーには「ステイプル・シンガーズ "I'll take you there" における旨み溢れるギタープレイはヒントンのものと言われている…」_これもピートなんだがなぁ…。
かの名曲=ロッド・スチュワート "sailing" 、この曲のギターはエレキもアコギも「すべて」ピート・カーによる多重なんだがなぁ…。かくも語られぬ、 untold guitarist "Pete Carr" かな。




posted by denny-0980 at 07:13| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月03日

マッスル盤162枚目


#162
【Eddie Hinton/very extremely dangerous】
produced by Barry Beckett
( '78 Capricorn)
<ー:★★>


(Fameでなく)マッスルショールズ・サウンド・スタジオ付きギタリストとして知られたヒントンのソロ。しかし、ギタリストとしての「弾き」はほぼ無し。ヴォーカル盤/シンガー・アルバム、R&Bマナーのホワイト・ソウル・アルバムなんだろうが…。声をつぶしたせっかちなその歌唱に当方はソウルを感じられず、まったくはまらない。正直、聴いているこちらが息苦しくなってしまう。ソングライターとしては…全10曲うち9曲がオリジナル、なかなかの曲を書けた人とは思うが。

マッスル・ホーンズ四人衆、キャロウェイ/トンプソン/イーズ/ローズ…但しこの盤ではローズが Dennis Good に差し替え。それでもそのホーンズ四人衆に、ベケット/ジョンソン/フッド/ホーキンスのマッスル・リズム四人衆がバック。つまりは Muscle Shoals Rhythm & Horn Section の8人とヒントンだけでの録音盤。
思う、この盤の唯一の魅力は「マッスル勢の素の実力」と。77年の秋口に、たぶんブッキングが空いたんだろうな。そんなら「お〜いエディ、一発やる(録る)か〜?」…だったんじゃないの。花火のSEなど若干のポスト・プロダクションもあるが、表記も recorded live at Muscle Shoals Sound Studios としているくらいだから、ほぼスタジオライヴ録り。和気あいあいというか、仕事感覚でなく仲間うちのセッションらしい滋味は感じられる。
「早録り」で知られたマッスルスタジオゆえ10曲を、1週間あれば優にカンパケただろう。
なおジャケ・デザインが当方大のひいきのコッシュだが、これまた外している。これはディレクションの失敗じゃないのか。タイトルから短絡的にセットされた写真_スパイ大作戦じゃないんだから…。音と乖離したデザイン。



posted by denny-0980 at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月27日

フェイム録音盤


#000
Bobby Hatfield/Messin' in Muscle Shoals
produced by Mickey Buckins
( '71 MGM)
<ー:★★>


漫才コンビに近いか?…デュオグループ、仲は必ずしもよくはないだろう。この盤はライチャス兄弟として一世を風靡したふたりがけんか分かれして後の、片割れボビーのソロ作。エヴァリー兄弟も似たような状況だった_ケンカ別れしてふたりがソロを出し続けた時期があったが、ライチャス/エヴァリーのどちらも同様、やはり薄味♀エは否めない。アピール度は正直半分以下に下がってしまう。漫才コンビではピンになってから売れる場合も少なくないが、ポップデュオはどうにも分が悪い。

タイトルにマッスルショールズ≠謳った盤は…タミコ・ジョーンズとか、他にもあったかな?
なにゆえに南部詣でか。これはレーベルMGMの指示/サジェスチョンだろうな。この盤の前年にMGMはポップス畑の優良馬だが時代から遅れ気味だったオズモンド兄弟(そう、ここも兄弟だな)をマッスルはリック・ホールのもとへ送り込んで見事に再生成功、その伝で同様な立ち位置だったポップ畑のボビーも…だったと想像ス。
ということでこの盤、マッスルショールズ盤ではある。が、当方の興味たる「マッスルショールズ・サウンド・スチューディオ録音」でなくフェイム録りなので番外とする。プロデュースは、まあリック・ホールでもよかったんだろうが、実質仕切りに回ったミッキー・バキンズとなっている。全10曲うち7曲もがマッスル楽曲なのもオズモンズ盤に倣う。地元ソングライターのジョージ・ジャクソンと組みながらバキンズは4曲提供。
バックメンツは、前に紹介したCD『grits & gravy /the best of fame gang』の顔_最後のフェイムギャング組とも言えるし、当方が「マッスルBチーム」と称しているメンツ。ギターはトラヴィス・ウォマック/ジュニア・ロウ/バリー・リレーラ。最後の御仁のみがマッスル無関係で、ライナーによるとボビーとは長い付き合いのミュージシャン&ソングライターだそうな。ドラム/フレッド・プラウティ、キーボード/クレイトン・アイヴィ。ベースにボブ・レイとジェリー・マスターズで、マスターズは Muscsle Shoals Sound Studios の専任エンジニアとしてスティーヴ・メルトンとふたりで活躍することになるが、この時期はほかにもセッション参加していたベーシストでもある。Muscle Shoals Horn Section からキャロウェイ/イーズ/トンプソンも参加している。リック・ホールとは(たぶん)もめて離脱してマッスル四人衆が独立した頃なんだが、他のミュージシャンとしてはやはりお仕事だ_どちらのスタジオにも顔を見せている。

ビートルズカヴァー "let it be" _途中に "people get ready" を挟みこんでスローに歌われるのでゴスペル感満載だ。思う、ビートルズとしてアルバム『let it be』をマッスル録音していたらどういう仕上がりだっただろうかと。
他の曲は正直小粒で_。可もなく不可もなし。その歌唱も前述通りに、ビートナンバーではそれなりの熱を出しているんだが、「ふたり」によってケミストリィしていた御仁…薄味なんですなこれが。


蛇足:この盤の初CDも件の韓国レーベルから昨年出てる。その宣伝にユニオンさん、「フェイムとマッスル・サウンド両方で録音/メンフィス・ホーンズ参加」としているがどちらもバツじゃないですかぃ? ま、ネットに書かれてることは眉にツバつけて読むようにしましょ_(このブログも含めてね)



posted by denny-0980 at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月05日

ピート・カー参加盤/gloria lynne


下で、ディージー参加の意外盤としたグロリア・リーンのレコード。
ネチれば不思議でも何でも無く、録音はメイコン(capricorn studio) とロス (I. D. sound recorder) の2箇所…ロス録音はディージーでメイコンではピート・カーがギターを弾いていただけ。
全11曲。メイコンが7/ロスが4とハッキリ別れていた(バックトラックが。歌入れはすべてロスにて)。
さてさて、マッスル録音ではないこれだが、ピート・カー参加盤追いかけを10年以上している身としてはレコかCDを入手すべきなんだが…こりゃどうもなぁ〜、ともかくもその声が最も苦手な部類のシンガーであった。アリーサFにも似た声質が生理的にダメ。
なのでスルーすることとするー。ただし、便利な時代というかこりゃCDが売れないワケだなとも思うが、UTにはこの盤から5曲アップされているのでそれだけチェック。

バックメンツだが、以下のように東西で別れている:
Capricorn session_
 bass: robert "pops" popwell
 drum: johnny "duck" sandlin
 guitar: jesse "beaver" carr (= pete carr)
 kbd: paul hornsby

LA session_
 bass: rinie press
 drum: paul humphrey
 guitar: al vescovo, mike deasy
 kbd: evelen freeman

カプリコーン・レコーズを実質的に切り盛りしたふたり_オールマンズ等のプロデューサーとなったサンドリン、マーシャル・タッカー等のプロデューサーとなったホーンズビイ。そのふたりとピートとオールマン兄弟の5人メンツだったのが The Hourglass だから互いに気心の知れた間。
ロス・セッション参加ギタリストにアル・ヴェスコヴォがいる。これは蛇足だが、この人、ビーチボーイズ『friends』収録曲 "diamond head" のライターのひとり。vescozo というミススペルだが…ライル・リッツ/ジャック・アックリィ/ブライアンでの4人共作。



1. What Else Can I Do

2. Whatever it was you just did

3. If you don't get it yourself

4. How Did You Make Me Love You

5. I've Just Gotta Tell Somebody



1〜4がメイコン録りで5のみがロス。メイコン物はどうもなあ…声を置いておいても曲に魅力が感じられない。それでも1のスローだけはまあまあ聴かせる。オブリするギターがなかなかいいがこの指癖はピートじゃないだろうな。クレジット無しのギタリストがいそう。3の硬いギターは当時のピート。swamp dogg, freddie north 盤などと同様の音。が、ここでもレズリーかましたギターのほうは別人と感じる。この曲はメイコン・サウンドらしさがある。4は目一杯にノーザン乗り、ポール・ウェラーなら絶賛か。
1曲だけのロス物の5。声はソウルだが音はソフトロック的シャッフルでシングルコイルのギター音とのからみも悪くない。いい意味で西海岸の軽さが妙味。この線で全曲まとめればよかったのに…?




posted by denny-0980 at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月16日

Muscle 74


muscle_donnieF.jpg


現在 Muscle Shoals Sound Studios 、改装中だそう。
改装後は「昼間はミュージアムとして一般開放、夜はスタジオ営業」するんだとか。
ロケーションはご存じ "3614 jackson highway" 。このスタジオは、道一本挟んだとい面の共同墓地のための棺桶製造工場だったものを牧師のおっさんが買い取って録音スタジオに改装…さらにそれをマッスル四人衆が買い取って69年にオープンさせた建物。10年間に数々の名盤制作/名演奏を聴かせたスタジオだが、79年にはテネシー川べりにこれよりも5倍も6倍も大きいじゃないだろうか、そうとう豪華な2代目スタジオへ移転。金ができたからだろうが、四人衆ひとりづつの部屋なども作って…ちょいとバブリーにやらかした感があったがどうなんだろう。時代の流れを読み違えたとも思えてほぼ10年で売却。マラコ・レーベルやらオーナーは転々としたが現在は Cypress Moon Studio となっている。
ほうっておいた?_初代スタジオは、2000年頃からスタジオ営業を再開して、何だっけな、ヒットアルバムも生まれている。やはり見学も可能だった様子。マッスルショールズ界隈、映画になったり_マッスル Revisited ブームでけっこうな観光地になっているとも聞く。

改装工事後この、すっかり目に焼き付いている石組みファサードはどうなるのだろうか。
この写真は、ずいぶん前に小さく入れたものを、大きいサイズを見つけたので再度チェック。
向かって左窓に 3614 が張ってあったのは76年ごろまでだったと思う。
この写真は74年で、こうしてセッション毎に「全員集合/記念に1枚」がお約束だった内の1枚_ドニー・フリッツ盤のとき。

前列座り組は、左から_
ジョン・プライン、本人ドニー・フリッツ、一番老けてるのは当然ジェリー・ウェクスラー。traffic T がジェリー・マスターズで隣のスティーヴ・メルトンと、ふたりはマッスル録音を支えた名エンジニア・コンビ。黄色の Coors Tの太めはパーカッション担当のマッスル・セッションマン、トム・ローディ。
後列の左から_
デヴィッド・フッド、ジミー・ジョンソン、隣の女性は…フッドの奧さんかも。白Tシャツがエディ・ヒントンで、トニー・ジョー・ホワイト、マイク・ユートリィ、クリス・クリストファーソンとくる。センターの白シャツがロジャー・ホーキンス、顔だけ出しているのが亡きバリー・ベケット。髭面はサミー・クリースンで赤い縞シャツがピート・カー。フィル・スペクターみたいなサングラス男がダン・ペン。
その他、右側の男女数名はコーラス隊やら何やら。

こう見るとヒントンはかなり背の低い人だったんだな。ピートも小柄。ダン・ペン、けっこう痩せてましたな。dixie flyers からユートリィ/クリースン参加。そしてジョン・プライン/トニー・ジョー/クリストファーソン/ダン・ペンと、レコーディング・アーティストも加わって、「全員集合」のなかでもかなり豪華な顔ぶれが揃った1枚といえそう。





posted by denny-0980 at 08:53| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月12日

ゴールドバーグ改変盤CD


デモって…そのレストア盤 "barry goldberg" CD _違う、たしかに違う。オリジナルアナログとは別物と断言しよう。かなたウェクス・ヴァージョンであり、こなたバリー・ヴァージョンなのだな、やはり。

オリジナルLP表記では recorded at Muscle Shoals Sound Studios とあるのみ。クライテリアは、全10曲うち9曲の re-mix が行われた_となっている。(なぜ remix なのだろう。最初の "mix" はマッスルで行われたがそれをボツにして?)
しかし、CDのライナーノーツによれば、最初の歌入れはマッスル・スタジオで行ったが、LPの歌、全曲がウェクスの指示によってクライテリアで再録音されたものだったという。ウェクスラーは "pure and dry" なヴォーカルが好みだったがバリーは "I wanted lots of reverb and echo" …とライナーにある。
レストア盤でバリーは、クライテリア・ヴォーカルを廃しオリジナルに戻した、マッスルで録ったファースト・ヴォーカル・テイクを使用。つまりは、「マッスルショールズ・サウンド・スタジオで録ったオリジナル・マルチ・マスターテープ音源だけで再構成された」_曲順も入れ替えた、全曲リミックスし直した、ボツにしていた曲も挿入した…まったく「別盤」。
特にリミックスによる差違は大きい。女声コーラスは完全廃棄。楽器定位は大きく変更され、フィーチャされる楽器自体が変わっている。バンジョーが使われた数曲があったが、バリーはそれが嫌いなのかすっかり消えている。ギター(アコギもエレキも)がかなり前に来たのに驚く_え、こんなにギターが弾かれていたんだと。

ここで思うのは、当たり前のことだが_フェーダー操作ひとつでどうとでもなるという事。セッションにおいて各プレイヤー/シンガーがどんなに頑張って演奏し歌っても、ミックス・エンジニアがフェーダーを絞ればその音が盤に刻まれることはない…渾身のプレイもレコードが発売されて聴くまでは分からない。ギャラは貰っていてもすっかりカットされていたら…かなりショックだろう。(スティーリーダンのレコードはそれが茶飯事だったとか:あのラリー・カールトンすら嘆いていた)

オリジナルLPの、ウェクスの好みのミックスに不満があったゴールドバーグにより完全レストアされたのがこのCD。
ちなみに前述のようにこれはウェクス&ディランがプロデュース名義だったが、ボブ・ディランが他者をプロデュースした「唯一盤」? ならばディラン・フリークにはマストな1枚だが、ディラン先生は…五日間アラバマの田舎町が耐えられたかどうか。一日で帰っちゃったかも。「バリー・ゴールドバーグのレコード?…ん〜奴のことは覚えてるがね。マッスルへは自分の盤を録りに行ったことがあったなあ。え?バリーの盤てオレもプロデュースしたことになってるの?」ぐらいでは…。
五日間というのは、ライナーによれば十数曲のこのレコード・セッションがマッスル・スタジオではわずか五日間で済んだと_とにかく「早録り」のマッスルなのだ。セッション・リーダーはたぶんバリー・ベケット。ベケットの指示から各人のヘッド・アレンジ能力の高さが知れる。ポール・サイモンも言っていた_「1曲を録るつもりでブッキングしていたがすぐに済んで、なので4曲も録れてしまった…」。


レストアできてゴールドバーグとしては至極満足であったろう。で、内容としては…ほぼこちらでOK。当方の趣味的にもレストアCDを支持。しかし2〜3の曲に関してはオリジナルに軍配。特に "I've got to use my imagination" 。これはウェクス・ヴァージョンでのロジャー・ホーキンスのタム打ちドラミングが最高、名手ホーキンスのなかでも屈指の名演奏といえる。そこをかなり引っ込めてしまったバリー・ヴァージョンは完敗。なのでアナログも処分はできない。

CDでは3曲目 "life's fantasy" 、7曲目 "soothe me" _ボツにしていた2曲を挿入している。それともう1曲の previously unreleased song がラスト13曲目に入ってるが、なぜかジャケット表記無し。これは完全に「ボートラ」扱いということだろうか…、いまひとつ意味が分からない。これが凄くいい曲なんだ。気に入ったヨ。
(サイト上 All Music や Discogs にはしっかり "dreamin' " とタイトルが表記される)





posted by denny-0980 at 08:41| Comment(0) | TrackBack(0) | Muscle Shoals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする