
コッシュによるチャップマン=ホイットニー盤。"walker" というより "runner" だが_。一点透視でシンメトリー/読みにくい壁文字/奥の建物のみカラーで他がモノクロ…ぱっと見では「おお、典型的なヒプノシス・ジャケ」_走るふたりに漠然とストーリー性を持たせているところも…。コッシュには珍しい、ヒプノシス的なデザイン。ただしモノクロ仕事では『Tony Ashton & Jon Lord / first of the big bands』のほうがいい出来。
そのトニー・アシュトンはアシュトン、ガードナー&ダイクで知られ…ないか。Family にも_『it's only a movie』に参加。コッシュはファミリー・ラスト3枚『fearless』『bandstand』(これは名手コッシュ作のなかでもベストに近い傑作デザイン!)『it's only a movie』のジャケットも手がけていた。ファミリー周辺のジャケ仕事をよくやっていたことになる。それとこの時期のファミリーにギターで参加していたのがジム・クリーガンで、コッシュはその妻だったリンダ・ルイス盤2枚、そしてクリーガンが、現在まで続くから40年越しの付き合いのロッド・スチュワートのジャケも手がけていた。やはりクリーガンが参加したスティーヴ・ハーリー(&コクニー・レベル)のソロも…。クリーガン関係盤を多く手がけたコッシュ…という印象も強い。友人だったのだろうか。