やはり、とりあえずは入れておこうと思う。
連番扱いしない3枚のマッスルショールズ「参考盤」。

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【Lonnie Mack/the hills of Indiana】
produced by Russ Miller & Lonnie Mack
( '71 Elektra)
<ー:★>
ロニー・マックである。チャック・ベリー・カヴァー "Memphis" のインスト・ヒット男である。当方二十歳頃だったな、コピーしたっけ。 その一発屋が70年代に入って歌物でカムバックを目論むも不発。そのエレクトラ盤。
大半はナッシュヴィル曲(Area Code 615 バックのクアドラフォニック録音)だが2曲のみがマッスルショールズ・サウンド録音。少ないのでアーカイヴ的には「参考盤」。
キャロル・キング/ディラン・カヴァーも含むが全体には緩めのカントリー風味で個人的にはスルーしたブツ。ベケット/フッド/ホーキンスにウェイン・パーキンスのマッスル録音だが、本人がギタリストゆえにリード弾きまくり。
4曲がドン・ニックス曲というのも敬遠したい理由。ニックスの「Mt. Zion 宗教結社」がどうにも苦手なのだ(マックも同類と見る)。セッションにも参加していてサックスを吹く。ザイオン教団信徒のマーリーン&ジーニー・グリーンもコーラス参加。

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【Alex Taylor/dinnertime】
produced by Johnny Sandlin
( '72 Capricorn)
<ー:★★★>
JTのお兄ちゃん、テイラー兄弟長兄、亡きアレックスのカプリコーンからの2枚目は中古盤屋でお馴染みの「西瓜」盤。全曲マッスルショールズ・サウンド録音_なのに参考盤。なぜか、これほど不思議なマッスル録音盤もない_。
マッスル・メンバーの顔となると Wayne Perkins と Lou Mullenix (ドラマーで Sailcat などに参加してたマッスルBチームのひとり) の二人しか見つからない。チャック・レヴェル/ホーンズビィ/サンドリン/スコット・ボイヤー/ジミー・ノールズ/ジェイモ−/ビル・スチュワート…つまりは Macon Rhythm Section がバックのレコード。なのになぜマッスルで録音? メイコンのカプリコーン・スタジオで録られるのが妥当。 想像するに…カプリコーン・スタジオが使えなかった/卓の入れ替えでもしていたかも、仕方なしにマッスルへ全員出張りだったんじゃなかろうか。
音は文句なし。スタジオこそ違えどメイコン・ギャングの卓越したグルーヴでカッコいいんだなこれが。目立つリード・ギターはボイヤーでなくジミー・ノールズ。Sea Level でも弾きまくっていたギタリストだが、ホイットロック盤などカプリコーン・セッションでは馴染みの顔。
バックトラックはいいんだが、いかんせん…ファースト同様にやっぱり歌はダメなんだよなあ。故人に鞭打つつもりはないんだが、弟ジェームス/リヴに較べてあまりに才能ないというか…。曲は書けない/声に艶も無くて。正直「Grocery Store の歌自慢店主」盤というところ。
ステファン・カヴァー "four days gone" (のバックトラック)が素晴らしい。★はバックトラック分。

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【Cowboy/5'll getcha ten】
produced by Johnny Sandlin
( '71 Capricorn)
<ー:★★★★>
これもカプリコーン盤。表記では録音場所がカプリコーン・スタジオとマッスルショールズ・サウンドとなっているがマッスルらしさは感じられないので参考盤。まあ6人バンドだったのでセッションメンバーは不必要だった_ストーンズがマッスルで録ったのと同じこと。
マッスルは抜きにして、この盤は最高である。しかしファースト【reach for the sky】が良すぎるのであちら五つ星、これは四つ星レストラン。
断じる、「カウボーイとはボイヤー&タルトンにあらず」。カウボーイとはこの2枚である_6人バンドこそがカウボーイだったのだ。ビル・ピルモアのエレピの素晴らしいことよ/ピート・コワルクのギターがいい(ドラムはヘタだが)。
日本盤は76年に出たが邦題【プリーズ・ビー・ウィズ・ミー】だった。もちろんクラプトン人気にあやかりたくて。クラプトンが【461】でこの盤収録曲をカヴァーしていたこと…まあカウボーイの名前の八割方はそれによって知られたンだがね。
チャック・レヴェル参加。 "please be with me" でのドブロがデュアン・オールマンの最後の録音曲とされるが本当だろうか_(【アンソロジー】収録は別テイク:2テイクが残っている)。