
#158
【Laura Nyro/Christmas and the beads of sweat】
produced by Arif Mardin and Fellix Cavaliere
( '70 Columbia)
<ー:★★★★>
長いこと聴いている盤だがマッスル関連ではあるから、やはり入れておく。
ローラ・ニーロという人は個人的には大好物で…。その歌い方、地声/裏声の出入りがたまらなく好きだ。曲は、やたらメロディアスな物とメロが分からないようなつぶやきローラ節が交互に来る(多くのカヴァーは当然前者)。精神的なアップダウンがそのまますべて出るタイプなのだろうか_初期遠藤賢司的であるな。
駄作を「作れなかった」才人だが、この盤もイイ。A面がマッスル勢でB面はNYメンツ_演奏を堪能する意味では、一粒で二度美味しいグリコみたいな盤。
手書きクレジットはミスも多いが、A面記載ではホーキンス/フッドのリズム隊にエディ・ヒントンのギター。ジミー・ジョンソンの名はなく、バリー・ベケットは Vibes とあるのみ。ピアノはローラ本人が弾く/オルガンはキャヴァリエなので仕事がなくなったか_絶妙のカヴァー "up on the roof" でのヴィブラフォン?
ヒントンが、ソロはないが素晴らしいオブリガードで彩る、光る。B面のギタリスト_コーネル・デュプリも同質なプレイで、聴き比べもよし。
マッスル勢の参加盤ではあるが場所はアラバマではない。A面もNY録音。
となればお旦≠セったジェリー・ウェクスラーのお座敷というパターンでNY出張りの一環、アリサ・フランクリン録音の裏仕事ではないだろうか。本来ならば Atlantic アーティスト盤への参加だが、これはコロンビア盤。それはプロデュースがアリフ・マーディンゆえ_「こっちもちょいと手伝ってくれよ」とウェクスに一声かければOKてなもんであったろう。
デュアン・オールマンも参加。A面でなくNYバックのB面の "beads of sweat" 1曲で弾く、ソロイストとして仕事。ガンガンにシンコペートするチャック・レイニーのベースとデュプリのカッティングに乗ってのソロは、ボズ・スキャッグズ盤の "loan me a dime" を彷彿させる弾き_尺は長くないがデュアンらしさ全開。