
#•••
【Steve Cropper / Night After Night】
( '82)
<ー:★>
ウ〜ムこれは…困った一枚。ジャケからして、これ。三年ぶりに挙げるマッスル盤、#176枚目…には入れる価値なしなので参考盤と。
時代といえばそれっきりなのだが、あのクロッパーまでもがAORに寄っていたか。偉大なるオーティスの懐刀としてメンフィスサウンドを支えた名ギタリスト/ソングライター/プロデューサー。この82年盤は半分がマッスル録音とは知らなかった。
Booker T & MG's ... MGは Memphis Group でなく英国車名とか。兎も角、ディープサウスを代表するバンド、、なのは確かだが実は結構早めに拠点はロスに移してんだよな。70年代でなく60年代末にはクロッパーもブッカーもロス暮らしだったろう。
+
この盤、いや前年盤から_俺もボズスキャッグズ/ドナルドフェイゲンになれる!と勘違いしたのだろうか。時代に乗り遅れまいと必死だったのかもしれない。しかしこれはダメでしょ。あきらかな迷走。同趣向の前年盤の反省かこれは南部色を若干増した_それゆえのマッスル録音だったろうが、曲もマッスルライターのジョージジャクソンやマッスルギタリストのウェインパーキンスを起用しているが、全体の方向性はAORままでマッスル滋味はかけらも感じられないので★ひとつ。ホーキンス/フッド/ジョンソン/ベケット=マッスル四人衆にクレイトンアイヴィも名前はあるがそれとて…。
ロス録音サイドはバートンカミングズ/ティモシーシュミット/スカンクバクスターら参加。コーラスが Waters なので(彼女らは好きだが)実にボズ的な音になっている。
プロデュースが Bruce Robb / Steve Cropper 。60年代にロブ兄弟として冠番組も持つTVタレントだったブルースはそのまま兄弟で70年代になってカントリーロックバンド Cherokee としてダンヒルから再デビュー。バンドは上手くいかなかったがその名を付けた Cherokee Studio を経営、これが大人気スタジオになって兄弟はエンジニアでも活躍。当然そのチェロキー録音のこの盤だが、はて?_ この時期にクロッパーは共同経営する Clover Studio を持っていたと思うが…。おなじロスの、こちらも売れっ子スタジオだった。
+
正直歌が弱すぎる時点で辛い盤ではある。なかで緩いので粗が目立たない"sad eyes" は唯一の救いか_サザンマナーなスローナンバー。