CDを1枚、ネット購入は99年盤とあるから随分と古い_セコ盤。
『ゴールデンJポップ ザ・ベスト 斉藤哲夫』
ソニー盤、斉藤哲夫さんのCBSソニー時代のベストコンピの18曲収録盤。
斉藤さんのwikiページのリンクには私メが2013年にお願いしたロングインタビューが入っている_
”稀代のメロディメーカー、哲夫さん”
http://www.sakatomi.com/iFrame_4/19_saitotetuo_1.html
渡辺勝さんを介して行えたトーク。
そこに記したように斉藤さんのCBS三部作のなんと素晴らしきことか_この意見に呼応してくれる音楽関係者も少なくないのだ。「悩み多き者よ」哲学フォーキーの印象を払拭せぬ者と二分される哲夫さんファン。私ら前者はことあるごとにCBS時代_マッカートニー的メロディメイカーぶりを賛美するわけだが、いま思うにそれは「フォークなビートルズ」であったな、と。
このCDをいまさらに買ったのは、CBS時代の洩れ≠知ったから。それがこのCDだけに収録と気付いた。というのは三枚のLP、最後『僕の古い友達』は75年9月発売だがその後にシングルが2枚出ていたのを知らなかった。
76-4 想い出のレター/旅に寄せて
77-8 Good Night Mr. Moonlight/ラブソング
この4曲、それと74年のシングル「グッドタイムミュージック」、B面は「ハローハロー」というアルバム未収録であった_
都合5曲がこのCDに収められていた。
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いま5曲を初めて聴いて…何というか、時代ってのは残酷だな、とか。複雑な感じ。
74年「ハローハロー」は、収録タイム制限でアルバムから洩れただけだろう、これは当時らしいイイ曲。しかし残りッペのシングル4曲は辛い。
アルバム3作はどれほど売れたのだろう…世評上がったのは後年、当時の売上げは芳しくなかったか。想像するにシングル2枚はかなり売れ線を強いられたものだな。フォークの時代は終わってる、シティポップス寄りで行こう!という制作会議が見える。しかし哲夫さんは南佳孝や来生たかおなどと端から「色が違う」んだよな。無理ある。その無理がこの2枚のシングルから漏れてくるのだ。で、結果は出ずにアルバム制作もならずにソニーを去ることになったのだろう。
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斉藤さんはどこまでもアコギの人であり「吉祥寺な人」。渋谷ではない。
三部作はビートルズ的ポップだったがそれもあくまで「吉祥寺のビートルズ」。フォーキーなビートルズだった。「MR.幻某氏」は "fool on the hill" /「まさこ」は "Julia" _それは斉藤さんの趣味でもあっただろうが、アレンジャー 瀬尾一三の仕事によるところが大きいはず。斉藤哲夫ポップワールドが瀬尾アレンジで見事に昇華されたゆえの傑作三部作。
が、時代がアコギを求めないとなると哲夫さんの居場所が揺らいだ感。長髪を風になびかせる時代がきれいに消えてしまったのだ。
(そう思うと井上陽水の処世術の見事さをいまさらに感じる_)
ああそれにしても…「ランランラン」、なんていい曲か。
