
#174
【Danny O'Keefe】
produced by Ahmet Ertegun
( '70 Cotillion )
<ー:★★★★>
全12曲うち4曲がハリウッドの United Western (BB初期のブライアンの拠点スタジオ)録音、8曲がマッスル録音、70年のメジャー・デビュー盤。Atlantic 傘下レーベル盤だがプロデュースは御大アーメット・アーティガンとなっている。
我がピート・カーはまだマッスルへ行く前、これはシェール盤に続く最初期マッスル・ショールズ・サウンド・スタジオ録音盤の1枚。Steve Melton / Jerry Masters エンジニア・コンビもまだ働く前、この時期はエンジニアから「マーリーン・グリーン期」と個人的には呼んでいる。レーベル・トップのアーティガンがまさかアラバマ片田舎へ足を運んだとは思えない。あくまで新興スタジオの門出にお墨付きを授けた意味のクレジットだろう。同様なアーティガン・プロデュース名義盤には #142/ Nicholas Lampe、#148/ Batdorf & Rodney盤ぐらい、かなり少ない。
エルヴィス・カヴァーで広く知られた "Good Time Charlie's Got the blues" _やはりこれがオキーフの世に知られる唯一曲だろう。自身のヒットがまずありきだったが、このファーストに収録。…ただし、ヒット・テイクは翌年のセカンド収録の、メンフィス・アメリカン録音ヴァージョンの方だった。リレコした。マッスルでのファースト・テイクは Eddie Hinton ギターでリレコは Reggie Young 。名勝負≠セが個人的にはマッスル勝利。
クレジットにウェクスラーの名がないのが不思議。実質プロデューサーのはずだが…洩れか? 実はオキーフ単身でマッスル詣でだったのかな、とすればバリー・ベケットの仕切りだっただろう。
そんな裏方予想は置いておいて、マッスル四人衆&ヒントンによって滋味溢れる楽曲が並んだだけで十分なのだな。生粋のソングライターと新進スタジオクルーの情熱がマッチした傑作。