2020年07月30日

それはノット・スポットライト#23?

わがピート・カーが4度録音した(別アーティスト)ほどにマッスルといえばこれ的名曲の「それはスポットライトではない」
僕はいままでに22テイクをチェック済み
http://sakatomi.seesaa.net/article/459103039.html

ルイーズ以来の、ここにきて3テイク発見してしまった…が、2テイクは未聴_どマイナーゆえハードルが高い。それにとても出来がいいとは思えないから辛い。追うべきや否や。
もう1テイクはUTにあった。
アイリッシュのブルース・ギタリスト…なんだろうか。2017年CDに収録でそれは4:13、UTは半ばで切れている。フルに聴かずに判断はどうかと思わないでもないがそれにしても正直ど〜とも感じないテイク。追う気は失せる人。凡庸すぎるカヴァーは…もうこれで十分だ、スルーしてしまおう。
Eamonn McCormack

https://youtu.be/CZBocG0s6m0


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2020年07月24日

マッスルのリンダ



もう1曲は71年same title盤収録の "I won't be hangin' round" 、エリック・カズ曲。さて前にも書いたがわずか2曲のためにアラバマの片田舎まで出張るだろうかの疑問。これ、半分疑問だが半分はアリかもと…。
流行りのスタジオをとりあえずは#`きたいという意識が当時はかなりあったと思う。ミュージシャンもそのスタッフにも。あのストーンズも、マッスル録音は3曲のみ。それはオルタモント(あの悲劇のコンサート)へ行く直前に「寄って」録音したまで。
ポール・サイモン「僕のコダクローム」はマッスル録音の代表曲としていつも挙がる曲。ポール、その前作ではジャマイカまで足を伸ばしたり。で、マッスル録りに関して、この1曲のみ録音≠ナ三日間ブッキングを入れた。が…「いやぁ、マッスルの連中はほとんど家族だからね、意思疎通が早い! すいすい進んで…」結局アルバムには5曲のマッスル曲が収録。
リンダにしても旅気分がてらに1曲録り/二日程度のブッキングだったのかもしれない。

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2020年07月09日

荒井由実・全7枚シングル

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100円文庫本を買おうと散歩ついでに寄ったあの店、ついでのついでに買ったセコ盤はユーミンCD。荒井由実時代に出した全7枚シングル両面の14曲コンピ_
「YUMING SINGLES 1972-1976」
別ヴァージョン(テイク)好きとしてはちょいと掘りたくなったので_


1st「返事はいらない/空と海の輝きに向けて」

72年5月のデビューシングル、まったく売れなかったらしいこれはムッシュが両面プロデュース。翌年11月のデビューLP『ひこうき雲』収録の両曲とまあ見事なまでに別、まったく別録音。アレンジ/バック演奏でこうまで変わるという比較例として最強かも。
それほどにLPテイク_キャラメル・ママの卓越した、非凡な、いまに到るもここでの完成度を超える日本のバック・ミュージシャンはいないと断言できる。荒井由実という才能とキャラメル四人衆という才能の奇蹟の融合に乾杯。「返事はいらない」、カウベル/ティンバレスでのラテン・テイスト添えの妙味はどうよ。
ということで、相手が悪すぎ感も若干あるとはいえ、シングルテイク両面のいなたさ/キレの無さは何とする_プロデューサー=ムッシュに謝罪要求てか?…最初はそんな気にもなったが、音楽は怖いねぇ〜。二度三度聴くに「これはこれでアリでは? いやいや、キレがありゃええてなもんちゃうぞ、十分いけますよ…エェェイ! 座布団二枚!」。自信なさげな、線の細い女子大生SSWデビュー感も、初々しさと聴けてきて…。
但しあまりに凡庸なバックトラックは問題。誰なのか、当時のやる気なさげなベテランスタジオおやじ達かと想像したんだが、ネチって驚く!_幸宏、小原礼、BUZZ(東郷昌和/小出博志)、トミー(GARO)らだという。冴えないギターソロはトミー? リズム隊が、ミカ・バンドの鉄壁組とはとても想像できぬヘタレぶりに脱力したが…。

(蛇足)幸宏とユーミンはこのセッションが初でなかった。高校二年の幸宏と中三荒井由実が東郷をヴォーカルに立ててTBS−TV『ヤング720』に出演しユーミン作「マホガニーの部屋」という曲を演奏したそうな。幸宏はこの日に加藤和彦に始めた逢ったという。平日朝の帯番組『ヤング720』は伝説多いが、映像は残ってないものだろうか_。
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2nd「きっと言える/ひこうき雲」

73年11月、LP『ひこうき雲』と同日発売。シングル・ヴァージョンにあらず、ともにLPヴァージョンまま。
「きっと言える」。ガット・ギターを入れる冴えが細野か。出過ぎない、抑えたエレキ・ギターの細かい技にほれぼれさせられる、鈴木茂。細野がキャラメル・ママ(ティン・パン・アレイ)で標榜していたのがマッスル四人衆リズム・セクションと言っていたが、林ドラムはまさにロジャー・ホーキンス。完璧。が、ギター鈴木はジミー・ジョンソンじゃないんだな、日本の Dean Parks と言おう。
「ひこうき雲」。相当にプロコル・ハルムで、皆してかなりそのレコードを聴いて、とくにキーボードの音色・使い方を研究したのでは。ブリティッシュではあるけれど、中盤からの細野ベースはNYカラー濃し。
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3rd「やさしさに包まれたなら/魔法の鏡」

ともにセカンド『ミスリム』収録だが別ヴァージョン。アルバム・セッション前に同じくキャラメル・ママをバックにシングル用セッションが行われたのだろう。しかしヒットに到らず。
「やさしさに…」はシングルがLPよりもテンポが遅くストリングス/ハープ被せ、林ドラムへのエコーなどでかなり聞き慣れたヴァージョンと異なる印象。ゴージャス感か。甲乙は付けがたいがこのままLPへ収録でも良かった気もする。これ、不二家のCMタイアップじゃなかった? 
「魔法の鏡」はシングル/LP、テンポもアレンジもほぼ変わらず。シングル・ヴァージョンは声がかなりぶりっ子というか、曲調からしてあきらかにアイドル歌手路線で書いてみたという風な楽曲をさもデモ・ヴァージョンの体で歌っている。その意味ではLPヴァージョンのほうが好みなんだが、ただLPはフラット・マンドリンが全体を引っ張っていてエレキが霞む。シングルでの鈴木ギターが抜群であるだけにそこだけが惜しい。
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4th「12月の雨/瞳を閉じて」

74年10月LP『ミスリム』に収録と同ヴァージョン、発売も同日。前作「魔法の鏡」のシングル・ヴァージョンでのコーラスがいかにも歌謡曲のそれであったのに対し、こうしてシュガー・ベイブのコーラスを聴くとまったく別物。荒井由実という才能ゆえだろうが、キャラメル・ママ/シュガー・ベイブという匹敵する才能集団を呼び寄せたことにあらためて驚嘆。
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5th「ルージュの伝言/何もきかないで」

これはちょいと問題作両面。サードLP『コバルト・アワー』に収録、そして同テイクだからLPヴァージョンといいたいところ。しかし逆。LPの4ヶ月前に発売されたシングルで、その両ヴァージョンが「そのまま」LP収録された_なので共に「シングル・ヴァージョン」、LPヴァージョンが存在しない。なおかつ両曲ともにキャラメル・ママのバックではない、Daddy Oh 。荒井由実のデビュー時からライヴのバックバンドはこのバンド=ダディ・オーが担っていた(後にコズミック・ララバイ)。多忙なキャラメル・ママがつねにユーミンについているわけには当然いかず、ライヴはこの別働隊。で、この2曲はなぜか彼らがバックでシングル・セッションが行われ、それをまたなぜかキャラメル・セッションをせずに流用。ダディ・オーで十分にハマった音に仕上がったという判断だっただろうか。「何もきかないで」はオールディーズ・ロケンローなA面と打って変わったしっとりスロー曲。ジャジーというかエイモス風味というか、なかなかのソロを聴かせるがいまもこれも鈴木茂という認識で通っていないだろうか。『コバルト・アワー』の裏ジャケ・クレジットをよく見れば
Daddy Oh appears on "Rouge no Dengon" and "Nani mo Kikanaide"
この1行「だけ」がある。欧文で読み取りにくく…。Daddy Oh とは平野融/平野肇/大野久雄/吉原真紀子だが、その名は記されなかった。ギター大野、鈴木茂に負けないという思いがひしひしと伝わる名演。
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6th「あの日にかえりたい/少しだけ片想い」

7th「翳りゆく部屋/ベルベット・イースター」

両盤ともA面はシングル・オンリー曲。「少しだけ片想い」は『コバルト・アワー』から。荒井由実名義最終シングルB面は意外やファースト『ひこうき雲』から、評判のよい曲だったのだろう。
「あの日にかえりたい」だが、かなりマッスル・ショールズっぽいバックトラック。とくにマンタ・エレピ(シンセ?)が Barry Beckett にそっくりなんだ。「翳りゆく部屋」の仰々しさはバロック調…ならばこれもプロコル・ハルム? いやメロディアス・プログレといいたくなる。
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「あの日にかえりたい」「翳りゆく部屋」ともにベスト盤『YUMING BRAND』には収録された。ネットではシングル「翳りゆく部屋」と『YUMING BRAND』収録は別ヴァージョンとある。さらにある資料には「あの日にかえりたい」も同様とある。…が、聴き比べれば両曲ともに「同ヴァージョン」だった。聴いているCD『Yuming Singles』収録が間違いなくシングル・ヴァージョンとしてだが…往々にして収録ミスはあるもの、『YUMING BRAND』音源のほうを収録してしまっている恐れもあり。こういうコンピはいい加減だから_。


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2020年07月06日

Peabo 76

peabo.jpg

#173
【Peabo Bryson / Peabo】
produced by Peabo Bryson
( '76 Bullet )
<B:★★★>


デュエット曲でヒットを飛ばしスターとなるのはかなり先のこと、ピーボ・ブライスン、南部の出らしくこのデビュー盤はアトランタのローカル・レーベルより。しかしバック陣は豪華、David T, Ed Greene, Ray Parker らを擁したLAセッション/マッスル・セッション/アトランタ・セッションと三箇所での録音、大半曲のアレンジが Gene Page による。
4曲がマッスル4人衆+ピートがバックトラック担当。
A−1 "just another day" 
A−2 "do you believe in love"
A−3 "it's just a matter of time"
B−2 "underground music" 

A面3曲、かなりヒット狙いな作りだが悪くない。マッスル勢も一番油の乗った時期ゆえ好サポート。ピートも薄くはあるがいいギターを。
B−2、同じマッスル録りだったステイプルズ "chica boom" によく似た楽曲。これはピート名演のひとつとしてよい出来。
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