
#170
【Billy Swan/four】
produced by Billy Swan
(77 Monument)
<B:★★★>
一言ではカントリー畑のSSW…となるだろう、ビリー・スワンでござる。
74年全米1位 "I can help" の一発屋ですわな。この曲はプレスリーにもカヴァーされたが、本人スワン自身がプレスリーの近くにいたらしい。ベースメントはナッシュヴィルの人。この大ヒットのギターはレジー・ヤングだった。で、このタイトル通りの四作目はナッシュヴィルからマッスルへ移動。全曲がマッスル四人衆バックで録音されている。ピート・カーは4曲でギターを。15年ほど前からこの盤が「マッスル」とは分かっていたが、やっと入手は英国盤。UKからエアで送らせたが思いの外安く買えた。
スローからアップテンポまでバラエティに富んで曲が書け、それぞれのメロディもなかなかに良し。歌も上手く声もいい。半数の曲でペダルスティールが入るところはカントリーらしさが見えるが、ブルージーなリズム曲やらジミー・バフェットばりのトロピカルな曲も…。全体の印象は王道なアメリカン・ポピュラー・ミュージックと言える。曲の良さからは他者のカヴァーやら作曲依頼もあったのではと思わせる、才能豊かな人。
しかし水準越えではあるがソツが無いというか…安定のポップス。この人に求めるのは筋違いかもしれないが、引き込まれるもの_「エグみ」は皆無。ピート得意の連続四連符フレーズを小気味よく聴かせる曲があるのは嬉しい。
+++
ちなみにこの「ミッドナイトスペシャル」出演映像、75年かな。頭でボビー・ヴィントンも云っているようにスワンはクリス・クリストファースンのバックとしてツアー/録音に参加していた。クリス&リタ時期で、リタ・クーリッジ盤もだっただろうか。ベースやコーラスを。その時のバック仲間であったはず、ここではギターがジェリー・マギー。レジー・ヤングのフレーズを代わって弾いている。
I Can Help by Billy Swan