さらにここに謎のディスコ≠ェある。この盤もマッスルと気付いたのは随分と前のことだが、ここにきて玉(音源)がUTに揃っているので一気に書いてしまおう。
76年盤『Boule Noire』というフランス盤がなぜかマッスル録音らしいと知った。それもディスコと…。しかしジャパニーズのマッスル詣でよりもフレンチのそれのほうがマッスル側にしてみれば違和感少なかったかもしれず。この盤、たしかにフランスでも出ているが discogs 等でいろいろと分かってきた、どうやらカナダ盤がオリジナルの様子。ケベック地方など「フランス語圏」が存在するカナダであったな(ケイト&アンナ・マクギャリグル姉妹はフレンチでも歌っていたヨ)。
ブール・ノアール、バンドと思っていたらそれは勘違い、George Thurston というカナダ・シンガーの変名だった。
そして、これも謎だったマッスル録音盤『Toulouse』…繋がった。カナダはモントリオールのディスコ3人女性グループ。ブール・ノアール、トゥールーズ、共に Steven Grossman という人物が裏方/仕切りでこの御仁がマッスル贔屓であったと…当方はみる。
どちらの盤もリリースはいい加減、何度かのマッスル・セッション曲を組み合わせて数枚を出しているようだ。
時代ゆえにディスコ録音のお鉢がマッスルまで巡ってくる…それもアリだろう。が、なんでわざわざアラバマのど田舎へ? 想像だが、たとえばそのグロスマンなる御仁の妹がじつはベケットの嫁…とか、なんらかのパーソナルな繋がりがあったのでは。
そしてこれも疑問というか…、けっこう「マッスル勢はノッっている」。まず演奏のみならずプロデュースも共同でしていたり、人員的にも4人衆からピート・カーも、マッスル・ホーンズも揃って参加。楽曲のなかにインストも含まれていて、それはホーンズ4人衆(イーズ/ローズ/キャロウェイ/トンプソン)が嬉々としてプレイしていたり。それと楽曲のいくつかの共作者としてベケットの名前まである。ディスコ好きなんかい?_と問いたいほど。クレジットをみれば、やはりストリングス入れはクライテリアで行われている(お馴染み、マイク・ルイスのスコアで)。クライテリアは当時、ビージーズがディスコヒット連発のための居城にしていたスタジオでもある、そんな時代か。

https://youtu.be/GzUl26xUE2U
ホーキンスのドラム…悪くない
https://youtu.be/5bpjPyFkq50
ピートのギターが…悪くないワ

松下某のようなブラシイラストのファースト

Boule Noire 盤もブラシイラスト

こういうお姉様方であった…
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ひとつ気付いた事がある。ブール・ノアール(ことジョージ・サーストン)の78年盤『aimer d'amour』、les disques martin レーベルから出ている…バリバリに仏語盤だがやはりカナダから。これはマッスル録音ではないが、mixing に Steve Hamm の名もあるので一部はマッスルでのミックスダウンかもしれない。この盤のクレジットでドラムに " Richard Tate " の名があった。
遡るに、わがマッスル掘りリストの #043 が『Richard Tate』という盤。いったい誰や知れず盤ではあったし入手できると思っていなかったが、あるレコードフェアのエサ箱であっさり見つけた時ははっきり覚えている。そのときは驚喜したんだが、聴けばどうにもプアな内容だったな…とうの昔に処分してしまって今ではさっぱり記憶ない。
ひさしぶりに出会ったリチャード・テイトの名前。リストアップしたのは77年 ABCからの同名盤だったがいまdiscogsをみれば前76年にも同名盤を、それは les disques martin から。こちらはカナダ向けのフレンチ・アルバムで、ABCのはアメリカ向けに全曲英語で歌っていたようだ。見ればこのカナダ盤も完全マッスル録音_その1曲目がこれ:
https://youtu.be/N8JrQ6x0n6Y
ばっちりとマッスルではないか。ギターはピート・カー、アウトロで弾きまくってフェイドアウトの得意技。
リチャード・テイト…discogs には "Quebec drummer and singer" とある。カナダ/フランス語圏チームの一員であったか。