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【Bobby Hatfield/Messin' in Muscle Shoals】
produced by Mickey Buckins
( '71 MGM)
<ー:★★>
【Bobby Hatfield/Messin' in Muscle Shoals】
produced by Mickey Buckins
( '71 MGM)
<ー:★★>
漫才コンビに近いか?…デュオグループ、仲は必ずしもよくはないだろう。この盤はライチャス兄弟として一世を風靡したふたりがけんか分かれして後の、片割れボビーのソロ作。エヴァリー兄弟も似たような状況だった_ケンカ別れしてふたりがソロを出し続けた時期があったが、ライチャス/エヴァリーのどちらも同様、やはり薄味♀エは否めない。アピール度は正直半分以下に下がってしまう。漫才コンビではピンになってから売れる場合も少なくないが、ポップデュオはどうにも分が悪い。
タイトルにマッスルショールズ≠謳った盤は…タミコ・ジョーンズとか、他にもあったかな?
なにゆえに南部詣でか。これはレーベルMGMの指示/サジェスチョンだろうな。この盤の前年にMGMはポップス畑の優良馬だが時代から遅れ気味だったオズモンド兄弟(そう、ここも兄弟だな)をマッスルはリック・ホールのもとへ送り込んで見事に再生成功、その伝で同様な立ち位置だったポップ畑のボビーも…だったと想像ス。
ということでこの盤、マッスルショールズ盤ではある。が、当方の興味たる「マッスルショールズ・サウンド・スチューディオ録音」でなくフェイム録りなので番外とする。プロデュースは、まあリック・ホールでもよかったんだろうが、実質仕切りに回ったミッキー・バキンズとなっている。全10曲うち7曲もがマッスル楽曲なのもオズモンズ盤に倣う。地元ソングライターのジョージ・ジャクソンと組みながらバキンズは4曲提供。
バックメンツは、前に紹介したCD『grits & gravy /the best of fame gang』の顔_最後のフェイムギャング組とも言えるし、当方が「マッスルBチーム」と称しているメンツ。ギターはトラヴィス・ウォマック/ジュニア・ロウ/バリー・リレーラ。最後の御仁のみがマッスル無関係で、ライナーによるとボビーとは長い付き合いのミュージシャン&ソングライターだそうな。ドラム/フレッド・プラウティ、キーボード/クレイトン・アイヴィ。ベースにボブ・レイとジェリー・マスターズで、マスターズは Muscsle Shoals Sound Studios の専任エンジニアとしてスティーヴ・メルトンとふたりで活躍することになるが、この時期はほかにもセッション参加していたベーシストでもある。Muscle Shoals Horn Section からキャロウェイ/イーズ/トンプソンも参加している。リック・ホールとは(たぶん)もめて離脱してマッスル四人衆が独立した頃なんだが、他のミュージシャンとしてはやはりお仕事だ_どちらのスタジオにも顔を見せている。
ビートルズカヴァー "let it be" _途中に "people get ready" を挟みこんでスローに歌われるのでゴスペル感満載だ。思う、ビートルズとしてアルバム『let it be』をマッスル録音していたらどういう仕上がりだっただろうかと。
他の曲は正直小粒で_。可もなく不可もなし。その歌唱も前述通りに、ビートナンバーではそれなりの熱を出しているんだが、「ふたり」によってケミストリィしていた御仁…薄味なんですなこれが。
蛇足:この盤の初CDも件の韓国レーベルから昨年出てる。その宣伝にユニオンさん、「フェイムとマッスル・サウンド両方で録音/メンフィス・ホーンズ参加」としているがどちらもバツじゃないですかぃ? ま、ネットに書かれてることは眉にツバつけて読むようにしましょ_(このブログも含めてね)